車を売る際には買取業者(査定士)による査定を受ける事になりますが、査定には様々なチェック項目が有ります。(参考:車査定の時に査定士がチェックするポイント)
ここでは、数有る項目の中でも車のフロントガラスやその他のガラスに傷や破損が有った場合に、どの様な評価がされるのか、傷が有る場合は修理してから査定に出した方が良いのかなどについて解説していきます。
ガラスの標準状態
日本自動車査定協会(JAAI)の「中古自動車査定基準」によると、ガラス類の標準状態(加減点の無い状態)は以下の様に定められています。
- フロントガラスの場合、割れや運転をする上で視界を妨げる傷などが無い事。
- その他のガラス(後述します)の場合、商品価値に影響が無い程度の小傷が有るのみ。
- フィルムを貼っている場合、法に抵触していない貼り方である事。
フロントガラスのキズは減点!
以下では、フロントガラスに傷などが有る場合の評価について見てみましょう。
査定による減点の分類には「傷により商品価値が下がってしまっている事による減点」と、「交換が必要な程に損傷している事による減点」とが有ります。
まず、薄いワイパー傷や飛び石による小傷、修理の跡が有るケースでは、交換は必要無いですが商品価値が下がるので20点の減点となります。1点減点につき1,000円の減額なので、この場合は2万円の減額となります。
参考:1台分の減点となるので、傷が2つ以上有ったとしても減点は変わりません。
一方で、以下のケースでは交換が必要となります。
- ワイパー傷などで爪が引っかかる
- 飛び石などによってガラスにひび割れもしくは亀裂が有る
- 修理の跡でひび割れが有る
交換が必要な場合の減点は以下の通り。
ガラスの色 | 減点 |
---|---|
カラー ※ | 75 |
無色透明 | 65 |
※:カラーとは、グレー・ブロンズ・サンシェード・ブルーガラス・UVカットガラスなどで色が付いているガラスを指しています。
交換ともなるとかなりの減点ですね。但し、車種にもよりますが、フロントガラスの交換には工賃込みで10万円近くかかる事も有ります。敢えて修理や交換はせずに、そのまま査定に出した方が良さそうですね。
フロントガラス以外の場合
車のガラスはフロントガラス以外にも色々有ります。具体的にはリヤガラス・ドアガラス・三角ガラス・サンルーフガラス・トラックリヤガラスです。
これらのガラスについては、商品価値が下落する状態として以下の様なものが有ります(減点は10点)。
- 運転席や助手席のドアガラスにフイルムを貼っている ※
- フィルムの貼り方が汚いなど、見苦しい ※
- ガラスに文字が書かれている ※
- カードサイズ未満の線傷が有る
※:1台分の減点です。
一方で、交換が必要となったガラス毎の減点は以下の通り。
ガラス | 減点 |
---|---|
カラーのリヤガラス (熱線有り) | 60 |
無色のリヤガラス (熱線有り) | 45 |
無色のリヤガラス (熱線無し) | 35 |
サンルーフガラス | 35 |
ドアガラス (含サイドガラス) | 20 |
三角ガラス | 10 |
トラックリヤガラス | 15 |
参考:熱線はリヤガラスに付けられる物で、ガラスの曇り取りの役割が有ります。フロントガラスは視界を遮りますし、エアコンの風が当たるので不要な為、熱線は付いていません。
なお、各ガラスに車台番号の刻印がされている場合は加減点無しですが、イニシャルや登録番号などの刻印が有る場合は交換扱いとされます。