中古車を売る方法には、下取りに出す方法や買取専門店への売却など色々有りますが、その中の1つに「委託販売」という方法が有ります。
中古車の委託販売とは、代行業者に依頼して車の購入者を探して貰うサービスのことを言います。代行業者は、基本的に売り手から車を預り(※)、自社のお店やホームページに展示し本人に代わって買い手を見付けてくれます。
※:少数派ですが、写真だけ撮影・展示をして現車は預からない委託方法も有る様です。この場合は、買い手がつくまで変わらず車に乗り続ける事が出来ます。
委託販売でかかる手数料
委託販売は、業者に車を預けて代わりに買い手を探してもらう販売手法です。当然、業者は無料で買い手を探してくれる訳では有りません。一般的に、以下の2つの手数料を取られる事が多いです。
- 委託販売手数料
- 車の保管・展示料
委託販売手数料の詳細
一般的に、委託販売の場合は成約時に業者に対して「販売手数料」を支払うケースが多いです。手数料の金額は業者によってマチマチですが、5千円〜3万円程度が相場の様です。
中には売却価格の10%前後を取る業者もいるので、販売手数料の率は委託前に確認しておく必要が有りますね。
車の保管・展示料の詳細
また、車の「保管・展示料」を設定している業者も有ります。こちらについても一定期間無料であったり、毎月月5千円であったりと業者によってマチマチです。
なお、販売手数料は車が売れない限り支払う必要は有りませんが、保管・展示料は売れなくても支払う必要が有りますので、そこも注意しておいて下さい。
委託販売を利用するメリット
売り手が委託販売を利用するメリットとしては、以下の様なものが考えられます。
上手く行けば買取査定よりも高く売れる可能性が有る
ディーラーによる下取や業者による買取査定額は、流通の要となるオークションでの取引相場をベースに金額が設定されます。従って、売り手が望んでも相場以上の金額で買い取って貰う事は出来ません。(参考記事:中古車市場の流通の仕組み~オートオークションが流通の要)
しかし、委託販売おいては業者はあくまでも買い手との仲介をするに過ぎません。提示した金額で買いたいという方がいれば、その金額で販売する事が可能なのです。つまり、委託販売では買取査定よりも高く売れるチャンスが有るのです!
代わりに買い手を探してくれるので、手間が省ける
車に乗って全国走り回って買い手を探す「気合いと時間」の有る方はいいですが、普通はそんな余裕の有る方はいませんよね。個人の方が車の買い手を探すのは大変な事です。
しかし、委託販売では業者がお店やホームページに車を展示し代わりに買い手を探してくれるので、「手間が省ける」というメリットが有ります。
委託販売のデメリット
上記では委託販売を利用するメリットを紹介しましたが、デメリットにはどういうものが有るでしょうか?
委託販売をしている店舗が少ない
中古車の買取店や販売店は星の数ほど有りますが、その中で委託販売をしている店舗は決して多くはないです。
近所に委託販売をしてくれる業者が有ればいいですが、遠方ともなると利用するのは難しいかもしれないですね。
大きめの店舗で言うと「カーリンク」は委託販売を受け付けてくれます。
必ずしも売れるとは限らない
業者が代わりに買い手を探してくれるからといって、必ず買い手が見つかるという訳では有りません。提示金額が高過ぎると買い手は見つかりませんし、金額が妥当だったとしてもすぐに買い手が見つかるという保証はどこにも有りません。
売れずにずっと放っておくと、その間にも徐々に車の価値は下がって行きます。また、上述した様に売れなくても保管料は支払う必要が有ります。従って、展示期間が長ければ長い程、損をする可能性が有ります。
ずっと売れない場合は、業者が買い取るシステムになっている事も有りますが、かなりの安値で買い叩かれる可能性が有りますので、その辺との兼ね合いも考えて利用するかどうか決定した方が良いでしょう。
業者からの連絡が多い
委託販売に限らず、買い手は中古車を買う際に値引き交渉をして来る事が多いです。自社在庫であれば業者が勝手に値段交渉をしますが、委託販売の場合は勝手に値下げをする訳にもいきません。値引き交渉が有ると、業者は売り手に対して「○万円だったら買うそうです!」と連絡をして来ます。
従って、場合によっては「業者と何度もやりとりをしないといけなくなる」というデメリットが有りますね。
中古車の委託販売で車を売る時に起こるトラブル
中古車業界では何かとトラブルが多いですが、委託販売ではどの様なトラブルが起こっているのでしょうか?
委託販売では、稀にですが販売した金額をごまかして高めの販売手数料を取ろうとする悪徳業者がいる様です。
また、敢えて買い手が付かない様な金額で展示して保管料を取れるだけ取り、しばらくしてから「売れなさそうだから買い取りましょう」と、安値で買い取ろうとする業者もいる様です。業者からすると、保管料を貰えてさらに安く車を仕入れる事が出来るので美味しい事ばかりです。
【参考】委託販売で車を買う時のトラブル
一方で、委託販売の車を購入する側に起きるトラブルも有ります。委託販売は、業者は「個人売買の仲介」をしているに過ぎません。従って、購入する側からすると現状渡しで保証も有りません(※)。
※:追加料金を支払う事で、整備や保証を付ける事が出来る業者も有ります。
不具合の全く無い優良な中古車であれば良いですが、後々問題が発覚しても「とき既に遅し」という事が有る訳です。こういうリスクも認識した上で利用するようにしましょうね。