車査定で出る価格、つまり「買取金額」は、色々な要素を加味して決定されます。
この記事では、私たちに提示される査定価格がどのようにして決定されるのか?その仕組を簡単に紹介したいと思います。なお、基本的に査定価格算定のプロセスはどの中古車屋さんでも同一です。
話を簡略化する為に、愛車を買い取ってくれた中古車販売店が、直接別の消費者に車を売る場合を考えていきます。
査定価格を決める基本的な要素
細かく書き出すとキリが無いのですが、中古車販売店は「私たちに提示する査定価格・買取金額」を以下のステップを経て決定しています。
ステップ | 内容 |
---|---|
STEP1 | 査定する車と同じ年式・グレードetcの車の小売価格をチェック |
STEP2 | 小売価格をチェックした上で、自分の店でどの程度利益を取りたいか決める |
STEP3 | 査定する車と同じ年式・グレードetcの車の基本査定価格を調べる。 |
STEP4 | 基本査定価格をベースとして、中古車査定士が傷や凹み等によるマイナス査定部分はないか、珍しいオプションなどのプラス査定出来る部分は無いかをチェック |
STEP5 | 基本査定価格に、査定士による車の状態チェックに応じた加減点を加味して提示査定価格を決定。 |
これを図にまとめると以下の様な感じです。
査定金額の決まり方のイメージは、図を見て頂ければ何となく分かりますよね。
また、用語に関しても「小売価格」とか「販売店の利益」「私たちに提示される査定価格」は感覚的に理解できると思います。
しかし、テーブルで赤字にした部分「基本査定価格」と「車の状態チェックに応じた加減点」は少しイメージしにくいと思います。そこで、以下この2つの用語の意味を簡単に解説しましょう。
基本査定価格とは
基本査定価格とは、標準状態にある車を査定をする時に基本となる価格の事です。
日本自動車査定協会の基準によると「標準状態にある車」は以下のように定義されています。
- 外装・内装は無傷である事
- エンジン・足回りは走行に支障なく良好である事
- 車検の残り月数は3ヶ月以内である事
- 走行距離は標準である事
- タイヤの残り溝は1.6mm以上である事(スリップサインが現れていない事)
- 事故修復歴・損傷減価要因(腐食・臭い)・改造工作等がない事
この標準状態にある車の基本査定価格をベースとした上で、中古車査定士による個別の車の状態チェックが入り、最終的な査定金額が決定されます。
小難しいことを書きましたが、要は基本査定価格とは、そのお店が【該当車種を買い取る時の平均価額】と考えて貰っても差し支えは有りません。おおむね、この金額で買い取れば、市場で車を売った時に、目標利益を達成出来るだろうと中古車販売店が想定している価格の事です。
従って、査定基本価格は各社で違う金額が設定されています。1台車を売る毎に欲しい利益金額は会社ごとで違いますからね。
車の状態による大まかな加減点とは
日本自動車査定協会は50以上の加減点項目と項目ごとの部品や機能などの状態に応じて、車の査定価格に加減点する基準を設けています。大まかな項目は以下のようになっています。
例えば、外装に凹みや傷が有れば、凹み具合などに応じて減点されます。また、外装の部品ごとにチェックするので、各部品に傷や凹みが有るほど減点されてしまいます。
逆に、外装が無傷の状態で有ったとしても、外装の標準状態は「無傷である事」となっているため、基本的には加点されません。
他にも走行距離が平均よりも少ないものは加点されたりしますし、良質車は特別な加点を受けることが有ります。
なお、加減点は全ての項目の点数を合算して、車種ごとのクラス係数を乗じて最終的な加減点を算定します。
加減点の金額への換算率は、中古車買取店ごとに異なりますが、およそ1点1,000円です。加減点を金額に換算して、基本査定価格と合算した金額が「私たちに提示される査定価格」です。
まとめ
私たちに提示される査定価格は、厳密にはもっと色々な要素を加味して判断されますが、分かりやすくするために複雑な部分は割愛しました。
色々と書いてきましたが、この記事で書きたかったことをまとめると以下の3つの項目に集約されます。
- ①車の査定価格算定のプロセスはどの中古車買取店も基本的には同じ
- ②プロセスは同じだが査定価格を算出するにあたってベースとなる基本価格が違う
- ③従って私たちに提示される査定価格も買取店によって変わってくる
もっとも大事な部分は上記赤文字にしている「③」の部分ですね。本文中でも書きましたが、各中古車店によって買い取った車から得たいと思っている利益の金額は違います。
薄利多売のお店であれば、私たちに提示する査定価格を多少高めにしても良いから、出来るだけ多くの車両を買い取って数をさばいて利益を出そうと考えますし、そうじゃないお店は買取金額を低くして1台あたりの利益金額を増やそうと考えるでしょう。
そういう意味で、車を高く売りたいのであれば、面倒でも複数の中古車買取店に査定をして貰う必要が有るのは当然の事だと言えます。
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