車を手放すことになれば、誰しもが少しでも高く売りたいと考えます。
車を高く売ろうと思えば、いろいろなお店で査定を受けて、価格交渉をすることが重要です。
絶対に、1つのお店だけで査定をしてもらい価格交渉をするなんてことはやめてください。
車を買い替える場合は、次の車を購入するお店で査定を受けるだけではなく、買取専門店でも査定を受けましょう。
車を売却するだけの場合は、複数の買取専門店で査定を受けてください。
「でも、買取専門店なんて、近所に何店舗もないし・・・」
とお困りの人もいると思います。
そのような人は、車一括査定サービスを利用しましょう。
車一括査定サービスに申し込みをすれば、いろいろな買取専門店から連絡をもらえますので、自分で買取専門店を探す手間が省けます。
車一括査定サービスに申し込めば、いろいろなお店から連絡をもらい査定を受けることができます。
しかし、いくら複数のお店で査定を受けても、うまく交渉をしなければ、高く車を売ることはできません。
交渉はとても大切です。
「そんなこと言われても、価格交渉なんてしたことがないから自信ないな」と思っている人もいるでしょう。安心してください。
こちらで、車査定で高値をつけてもらうための交渉術を説明します。
査定を受ける前に洗車と取扱説明書などの確認をする
交渉術をお伝えするまえに、査定を受ける日が決定すれば、していただきたいことがあります。
- 洗車
- 取扱説明書と保証書、整備手帳が車に積んでいるかの確認
です。
査定前にしておくこと1:洗車
洗車をして車がキレイな状態だとしても、査定での加点対象にはなっていません。
また、洗車をしていなくて車が汚れている状態だとしても、査定での減点対象にはなりません。
洗車をしている、していないは、査定のチェック項目には該当しませんので、直接的に査定価格に反映されるわけではありません。
しかし、洗車をして車がキレイな状態であれば、査定をしてくれる査定士の心証が良くなります。
すると、キズのチェックが多少は甘くなるのです。
キズのチェックが甘くなるということは、マイナスされる金額を抑えることにつながります。
そして、査定前にしておくことのもうひとつが、取扱説明書と保証書、整備手帳を車に積んでいるかの確認です。
査定前にしておくこと2:取扱説明書と保証書、整備手帳の確認
取扱説明書と整備手帳は、車検証と一緒に受けとった記憶はあるけども、車の保証書なんて受けとった記憶がないという人もいると思います。
車の保証書は、家電製品のように保証書だけ独立した書類になっていることは少ないのです。
一般的には、保証書は整備手帳と一緒になっています。ですから、整備手帳を見てください。
新車で購入し、整備手帳を紛失していない場合は、整備手帳に保証書が付いていると思います。
しかし、中古車で購入した場合は、整備手帳に保証書が付いていない可能性があります。
それは、前のオーナーが車を手放すときに、整備手帳を紛失していた場合です。
整備手帳に保証書が付いていない場合は、整備手帳だけでも車に積んでおきましょう。
なぜ、取扱説明書や保証書、整備手帳を車に積んでおくのかといえば、査定価格が違ってくるからです。
- 取扱説明書と保証書、整備手帳が全てそろっている場合は、加点対象
- 一方で、取扱説明書と保証書、整備手帳が無い場合は、減点対象
一般財団法人日本自動車査定協会が定めている査定基準によると、
- 取扱説明書と保証書、整備手帳が全てそろっている場合は10点の加点
- 取扱説明書が無い場合は、全車共通で5点の減点
- 保証書と整備手帳が無い場合は、年式や車種により違いはありますが10~40点の減点
となっています。
※参照:一般財団法人日本自動車査定協会「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕」より
一般財団法人日本自動車査定協会が定めている査定の加減点は、1点あたり1,000円です。
- 取扱説明書と保証書、整備手帳が全てそろっている +10,000円
- 取扱説明書が無い -5,000円
- 保証書と整備手帳が無い -10,000円~-40,000円
- 取扱説明書と保証書、整備手帳が全て無い -15,000円~-45,000円
仮に、売却の契約をした後で、取扱説明書と保証書、整備手帳が見つかり、売却するお店へ渡したとしても、「ありがとうございます」と言われるだけで、価格の上乗せをしてくれるお店はまずありません。
ですから、査定を受けるときに、取扱説明書と保証書、整備手帳が車に積んであるのかを確認しておきましょう。
それでは、いよいよ車査定で高値をつけてもらうための交渉術について説明します。
車査定で高値をつけてもらうための3つの交渉術
車査定で高値をつけてもらうための交渉のポイントは次の3つです。
- ポイント1:売却する意思を伝える
- ポイント2:査定の希望額は伝えない
- ポイント3:他社の査定金額を伝えない
3つのポイントについて順番に説明します。
ポイント1:売却する意思を伝える
最初に提示される査定価格は、買い取りできる限界価格からはだいぶ安いのが実情です。
そして、とりあえず査定価格を知りたいだけのお客さんに対して、査定価格を上乗せすることはありません。
また、本当に売却する意思があるのか、はっきりしないお客さんに対しては、多少の査定価格の上乗せをしてくれることはあるかもしれませんが、限界価格に近い査定価格を提示することはありません。
どうしてかといえば、後々、このお客さんが売却することになったときに、お客さんに気持ちよく売却してもらうためです。
裏を返せば、自分たちが有利に価格交渉を進めやすくするためともいえます。
例をあげて説明します。
ワゴンRに乗っている川口さんと竹田さんは、ふたりともヴォクシーやセレナなどのミニバンに買い替えようか迷っています。
それで、とりあえずワゴンRの査定だけを受けることにしました。
川口さんと竹田さんが乗っているワゴンRは年式とグレードが同じで、走行距離の違いもほぼありませんでした。
ふたりが乗っているワゴンRの買い取りの限界価格は50万円です。
査定を受けて、
- ワゴンRの査定額が50万円と提示された川口さん
- ワゴンRの査定額が40万円と提示された竹田さん
を比べてみましょう。
川口さんと竹田さんは2か月悩んだ末、買い替える決心をして再び査定を受けました。
川口さんと竹田さんは、2か月経っているから1万円か2万円ぐらいは査定価格が下がることは覚悟していました。
しかし、2か月経ちワゴンRの買い取りの限界価格は45万円になっていました。
- ワゴンRの査定額が50万円と提示された川口さん
2か月後の査定で、川口さんに提示されたワゴンRの査定額は、45万円でした。
限界価格まで提示してくれてはいたのですが、川口さんは限界価格だとは分かりません。
川口さんにしてみれば、2か月しか経っていないのに、5万円も査定額が下がったことに納得ができませんでした。
だから、川口さんは買い替えるのをやめました。つまり、買取店もワゴンRを買い取ることができなかったのです。
- ワゴンRの査定額が40万円と提示された竹田さん
2か月後の査定で、竹田さんに提示されたワゴンRの査定額は、38万円でした。
竹田さんの予想範囲内での査定額の値下がりでした。
しかし、竹田さんは価格交渉をして、2か月前と同じ40万円で買い取ってくれることになりました。竹田さんは、大満足でワゴンRを売却しました。
そして、買取店は、限界価格から5万円も安くワゴンRを買い取ることができたのです。
川口さんと竹田さんを比べると、最終的に川口さんの方が高い査定価格を提示してもらっています。
しかし、2か月前に提示された査定額から下がり過ぎだと川口さんは考え、ワゴンRを売却しませんでした。
一方の竹田さんは、2か月前の査定価格と変わらなかったことで、大満足して売却しました。
川口さんに提示された金額よりも、安かったにもかかわらずです。
川口さんと竹田さんのように、一度提示された査定価格は、後々の基準になります。
売却するときに、以前の査定価格との差額によって、得した気持ちになり売却することがあれば、損した気持ちになってしまい、売却をやめてしまうことさえあります。
それは、買取店にとっても同様で、そのときの限界価格を提示しても買い取りができないことがあれば、限界価格まで提示しなくても買い取れることがあるのです。
買取店が、売却する意思がはっきりしないお客さんに対して提示する査定価格は、限界価格よりも低い金額となります。
車査定で高い査定価格を提示してもらうためには、まず、売却する意思があることを明確に伝えることが重要
「大勢で出かけることが増えてきたので、新車のヴェルファイアとかエルグランドとかの大きいミニバンに買い替えたい。でも、予算が厳しいから少しでも高く買い取って欲しい」
などと具体的な車種名をあげて、こんな理由があるから買い替える予定だと伝えましょう。
買い替え予定の車種名は、本当に買う予定の車種名でなくてもかまいませんし、そもそも買い替える予定がなくてもかまいません。
買い替える理由があり、買い替え予定の車種を絞っていることを伝えることで、売却する意思があることが伝わります。
ただし、「新車」に買い替えるつもりだと、はっきりと言っておきましょう。
それは、買取店の多くは、中古車の販売もしているからです。
店頭に並べている中古車との買い替えをすすめられないようにするために、新車に買い替えると言いましょう。
また、転勤や引っ越しで売却する場合など、売却する理由があるときは、「来月中に転勤するから、それまでに手放します」などと時期を明確に伝えましょう。
さらに、最初の段階で、車を売却するために必要となる書類について尋ねるのも有効です。
車を売却する人の多くは、契約する段階になって、担当者から必要書類について説明を受け、書類の準備を始めます。
早い段階で、必要書類について尋ねることで、本当に車を売るつもりだと伝わりますし、すぐにでも売ってくれそうだと思ってもらえるからです。
高額査定を引き出すためのポイント1は、売却する意思があること明確に伝えることです。
続いては、「ポイント2:希望額を伝えない」について説明します。
ポイント2:希望額を伝えない
ポイント2は、希望額を伝えないことです。
査定をする査定士の多くは、「どれくらいの価格での売却を希望されていますか?」と査定価格を提示する前に、こちらの希望額を聞き出そうとしてきます。
査定士の多くというよりも、査定士全員と言っても過言ではないでしょう。
実際に、買い取りできる価格の上限が分からない以上、下手に具体的な金額を言わないようにしましょう。
もしあなたが言った希望額が上限価格をはるかに超えていたとしたら、査定士はあなたと交渉しても時間の無駄だと思い、真剣に価格交渉に応じてくれなくなる可能性があります。
全ての査定士が、全てのお客さんから車を買い取るために全力を注いでいるわけではありません。
買取店の査定士は、車を買い取れなければ実績にならないので、「がんばれば買い取れるかも」と思えるお客さんに対しては全力を注ぎます。
しかし、「このお客さんにはなにを言っても買い取れる気がしない」と思ったお客さんに対しては、あまり時間と労力をかけたくないのが本音です。
ですから、買い取りできる上限価格とお客さんの希望額に大きな開きがあれば、「お客さんの希望額が高すぎて価格面で納得してもらうのは難しいそうだな。このお客さんはあきらめて、次のお客さんでがんばろう」と思ってしまいます。
時間も労力も目一杯かけて買い取った1台と、たいした労力もなしに買い取った1台。
査定士にとっては、同じ1台です。
つまり、最初から「このお客さんを価格面で納得させるのは難しい」と思ったお客さんに時間をかけるよりも、「このお客さんなら納得させることができそう」と思えるお客さんに時間をかけたくなるのは仕方のないことです。
では逆に、上限価格よりかなり安い希望額を言っていたとしたら、どうなるでしょう。
例をあげて説明します。
プリウスに乗っている小泉さんは、新型のプリウスに乗り替えようと思い、ディーラーで査定を受けました。
下取りとしてディーラーから提示された査定価格は、75万円でした。小泉さんは、買取店でもプリウスの査定を受けることにしました。
買取店の査定士に売却希望価格を聞かれた小泉さんは、下取り価格に少し色を付けて、「最低でも80万円以上でないと売りません」と答えました。
小泉さんは、思い切ってふっかけたつもりでいましたが、プリウスの買取価格の上限は100万円だったのです。
「小泉さん、なかなか鋭いですね。80万円は、このプリウスを買い取れる限界の価格を超えていますよ。限界価格の上を希望されるなんて、小泉さんはすごいお客さんです」
査定士は小泉さんのことをおだてながら、希望額の80万円が限界価格を超えていることを強調してきました。
小泉さんは、下取りに色を付けた金額が限界価格を超えていると聞いて、してやったりの表情を浮かべていました。
小泉さんの表情を見た査定士は、心の中で「小泉さんは、チョロそうだ」と思っていました。
「小泉さん、プリウスを80万円で買い取るのは正直厳しいです。でも、せっかくいただいたご縁なんで、小泉さんだけ特別です。本当なら店長に許可をもらわないと買い取れないような金額ですけど・・・・・・」
査定士は「限界価格を超えた価格で買い取るのは難しい」「本来は店長に相談しなければいけないほどの価格」だと、希望額が限界価格を超えていると念押しをしてきました。
小泉さんの希望額が、限界価格を超えていることを再び言われて、小泉さんは80万円が限界価格なんだと信じてしまいました。
「店長に怒られるのを覚悟します。小泉さんの希望額に1万円プラスして81万円で買い取ります。その代わり、今、契約してください」
「あなたのためなら、店長に怒られてもいい」と小泉さんに恩を売るようなことを言ってきました。
そして、小泉さんの希望額に1万円上乗せをして、この場で話をまとめようとしてきました。
80万円が限界価格だと信じてしまった小泉さんは、1万円プラスしてもらえたことで、大満足して契約してしまいました。
もう一度言います。小泉さんが乗っていたプリウスの限界価格は、100万円でした。
限界価格が分からない身で、下手に具体的な金額を言ってしまったことが小泉さんの失敗の原因です。
査定士から、「どれくらいの価格での売却を希望されていますか?」と聞かれても具体的な金額は言わないようにしてください。
「どれくらいで売れるのかよく分からないんで、希望額と言われても答えようがないです。だから、少しでも高い価格を提示して欲しい」「高ければ高いほどうれしいです」などと、言って具体的な金額を答えないようにしましょう。
「例えばですけど、これぐらいで売れたら、ひとつ上のグレードが買えるようになるとか、メーカーオプションが付けられるようになるとか、そんな金額はあるでしょ?」と査定士からしつこく聞かれることがあります。
しつこく聞かれるとイラッとすることがあると思います。
でも、イライラを抑えて笑顔で「ありますけど、じゃあ私の希望する金額をお伝えしたら、絶対にその金額で買い取ってくれると約束してもらえますか?」などと、冗談っぽい口調で絶対に査定士ができないことを要求し、この話題を打ち切るようにしましょう。
それでもさらに「約束はできませんけど、少しでもご希望額に近づけるようにがんばりますので、言ってください」などと言ってくる査定士がいたら・・・・・・
「1億円ぐらいで買い取ってくれると、欲しいものがいろいろと買えるんですけどね。だから、1億円に近づくようにがんばってください」などと、常識的にあり得ない金額を言って、希望額を言うつもりがないことを示しましょう。
また、「こちらの希望額をお伝えしないと、査定価格を教えてもらえないのなら、査定は結構です。他の店からも査定に来てくれますから」と査定を断る意思を示すのもひとつです。
高額査定を引き出すためのポイント2は、希望額を伝えないことです。
続いては、「ポイント3:他社の提示金額を伝えない」について説明します。
ポイント3:他社の提示金額を伝えない
車一括査定サービスを利用すれば、5社や10社から連絡があるのはよくあることです。
ですが、「ポイント1:売却する意思を伝える」でも説明したように、どこの買取店も最初に提示する査定価格は、限界価格よりも安いです。
だから、最初に提示された査定価格の中の一番高い査定価格を、他社に伝えたところであまり意味はありません。
また、価格交渉が大詰めを迎える前の段階で、一番高い査定価格を他社に伝えても意味はないでしょう。
その価格よりも、ほんの少し上乗せした金額で売却を迫られるのが目に見えています。
だから、提示された査定価格を、はっきりと伝えないようにしましょう。
しかし、連絡をもらった5社や10社、全てと真剣に価格交渉をするのは大変です。
ですから、ふるいに掛けるように価格交渉をするお店を、絞り込みましょう。
絞り込むときも、他社の査定価格は伝えないようにしてください。
ヴォクシーに乗っている松本さんがおこなった交渉を例に絞り込み方を説明します。
松本さんはヴォクシーを売却するために、一括査定の申し込みをしました。
松本さんに連絡をくれたのは、
- 買取キャット
- オレンジカーサービス
- ハマダモータース
- 大東自動車
- カーセンターHAL
の5社でした。
5社全てに査定をしてもらったところ、松本さんのヴォクシーの査定価格は、
- 買取キャットが165万円
- オレンジカーサービスが167万円
- ハマダモータースが170万円
- 大東自動車が171万円
- カーセンターONEが173万円
でした。
松本さんは、まず査定価格が一番安かった買取キャットに連絡をいれました。
「他のお店が提示してくれた査定価格とは、かけ離れています。今よりも高い価格を提示してもらうことはできますか?難しいのなら今回は見送らせてもらいます」
買取キャットは、「ちょっと待ってください。松本さんのヴォクシーは丁寧に乗られていたので、もう少し値段はがんばれると思います。具体的にどれくらいの査定価格を提示すれば、当社へ売却いただけますか?」と松本さんの希望額を尋ねてきました。
希望額を言うのはだめなことは「ポイント2:希望額を伝えない」で説明したとおりです。
松本さんは、「私の希望は、少しでも高く買い取ってくれるお店に売ることだけです。しかし、無茶を言うつもりはありませんので、買取キャットさんが出せる目一杯の価格を教えてください。その価格が、他社よりも安ければ、今回は申し訳ないですが、お断りさせていただきます」と早くもヴォクシーの買い取りの話が終わることをちらつかせ、価格の上乗せを要求しました。
買取キャットは、「分かりました。せっかくいただいたお話です。ぜひとも当社へご売却いただきたいので、175万円で買い取らせていただきます」と査定価格を上乗せしてくれました。
松本さんは、査定価格が上がったことに内心では、ニコッとしましたが、「はぁ175万円ですか・・・・・・それが、買取キャットさんの目一杯の価格ってことですね・・・・・・」と不満そうに答えました。
買取キャットは、松本さんの不満げな声に気づき、「ちょっと待ってください。もっと高く買い取らせてもらえるようにがんばりますので、お時間を頂戴してもよろしいですか?改めて連絡させていただきます」と、もう少し査定価格をがんばると言ってくれました。
松本さんは、2番目に安かったオレンジカーサービスに連絡をいれました。買取キャットと同様に、「他のお店が提示してくれた査定価格とは、かけ離れています。今よりも高い価格を提示してもらうことはできますか?難しいのなら今回は見送らせてもらいます」と言いました。
オレンジカーサービスは、「でしたら、170万円で買い取ります。いかがですか?」と、あまり上乗せはありませんでした。
松本さんは、「オレンジカーサービスさんの目一杯の価格が、170万円ということでよろしいですか?」
オレンジカーサービス「はい。170万円が限界です。170万円でお願いします」
松本さんは、「申し訳ありませんが、他社の価格には全く及びませんので、今回は申し訳ないですが、お断りさせていただきます」
オレンジカーサービスは、早々に脱落しました。
残りのハマダモータースと大東自動車、カーセンターONEにも、同じように「他のお店が提示してくれた査定価格とは、かけ離れています。今よりも高い価格を提示してもらうことはできますか?難しいのなら今回は見送らせてもらいます」と連絡をいれた松本さん。
大東自動車は、白旗をあげてあえなく脱落となりました。ハマダモータースとカーセンターONEは、ともに177万円を提示してくれました。
その後、買取キャットから、「180万円で買い取らせていただきます」と連絡がありました。
全5社に一度連絡をいれた段階で、
- 買取キャットが、165万円から175万円に、そして、180万円へ上乗せ
- オレンジカーサービスが、167万円から170万円に上乗せしてくれただけなので脱落
- ハマダモータースが、170万円から177万円
- 大東自動車が、171万円は上乗せがなく脱落
- カーセンターONEが、173万円から177万円
となり、3社が上乗せに応じてくれ、2社は脱落となりました。
もしも、松本さんがカーセンターONEに提示された173万円を、他の4社に伝えていたとしたら、174万円や175万円を提示され契約を迫られていたことでしょう。
松本さんは、ハマダモータースとカーセンターONEに「他のお店が、もっといい条件を提示してくれました。もう少し上乗せをお願いできませんか?」と連絡しました。
カーセンターONEは、これ以上は難しいとのことで脱落となりましたが、ハマダモータースは、182万円を提示してくれました。
再度松本さんは、買取キャットに連絡をいれ、他社からいい条件が出たことを伝えました。
買取キャットは、「180万5,000円で買い取らせていただきますので、なんとか当社へご売却ください」と、5000円の上乗せをしてくれましたが、ハマダモータースには及びませんでした。
万円単位で上乗せされていた価格が、千円単位での上乗せになったことで、松本さんはここらが限界価格なんだと思いました。
だから、松本さんは、一番高値をつけてくれたハマダモータースに売却することにしました。
しかし、松本さんは最後にもう一押しをおこないました。
「ハマダモータースさんと同じ価格のお店がもうひとつあります。どちらに売却するか決めかねているので、もう少しだけでもなんとかなりませんか?」
するとハマダモータースは、3000円の上乗せをしてくれました。結果、松本さんのヴォクシーは、ハマダモータースに182万3,000円で買い取ってもらうことになりました。
松本さんのように、他社の査定価格を伝える必要はありません。
「他社のが高い査定価格を提示してくれている」と言えばいい
あとは、表情や口調に気をつけておけば完璧です。価格交渉をするときは、自分にとって有隣条件を提示されても、表情や口調にあらわれないように、ポーカーフェイスを意識してくださいね。
まとめ
車を少しでも高く売却するためには、一括査定に申し込み、うまく交渉をすすめることが求められます。
- ポイント1:売却する意思を伝える
- ポイント2:査定の希望額は伝えない
- ポイント3:他社の査定金額を伝えない
この3つのポイントを参考に、車査定の交渉がうまくいくことを祈っています