長期の出張や出産等によってしばらく車に乗らなくなった場合、その車はどうしていますか?駐車場などに長期間放置したままにしていませんか?
長期に渡って使わずに放置されていた車は、いざ売ろうとなったときに買取査定額が低くなってしまう可能性が有ります。
ここでは、そんな「長期放置車」の査定額が下がる原因について見ていきましょう。
長期放置車とは?買取査定では減点される!
長期放置車に明確な定義は特に有りません。一般的には、半年から1年以上の間使われる事の無かった車の事を指して「長期放置車」と呼ばれます。
日本自動車査定協会(JAAI)の中古自動車査定基準によると、商品の価値が下がる為に減点の対象とされている状態の1つに「長期放置車」が有ります。買取査定上、長期放置車として判断されると、最大で10%の減点となります。
長期放置車の評価額が下がる理由
長期間放置していた車は、なぜ査定での評価額が下がってしまうのでしょうか?それは、車に様々な不具合が生じるからです。
以下では、長期放置車に生じる不具合について見ていきます。
タイヤの劣化
タイヤは長い間同じ状態で放置していると、ひずみが生じてしまいます。また、アスファルトの駐車場に放置していた場合、タイヤとアスファルトの間で樹脂成分の移動が起こる事により、タイヤの劣化が早まってしまいます。
参考:他にもひび割れや変形の可能性も有ります。
長期間車に乗らずにいると、タイヤのエアーも抜けている事が多いです。車に乗る際には、必ずエアーの点検もしましょう。
バッテリー上がり
車のバッテリーは、エンジンをかけている間に充電されます。従って、長い期間にわたって車を走らせずにいると、バッテリーが充電されず、バッテリー上がりの原因となります。
「充電はされないとしても、そもそも車を使っていないんだからバッテリーに影響は無いのでは?」と思うかもしれませんが、それは違います。車は乗っていなくても時計やコンピューターのバックアップなどの為に、常に微量の電流が流れています。従って、充電せずに放置し続けるとバッテリーが上がってしまうのです。
そして、過放電(残量がゼロ)のまま放置していると、バッテリー内部の素材が劣化する可能性が有ります。
長期間車に乗らない場合には、バッテリー(マイナス端子)を外しておく事をオススメします。バッテリーを外しておくと放電を避ける事が出来るので、バッテリーの劣化防止に繋がります。
注:車種によっては、長期間通電せずに放置していると、カーナビやオーディオの設定などがリセットされてしまう事が有ります。
エンジンの不具合
長期間放置した後で、エンジンをかけるとドライスタート状態(※)となります。ドライスタートをすると、エンジン始動時に一瞬ですが油膜が少ない状態でエンジンの金属面がこすれ合う事になるので、エンジンを傷めてしまいます。その結果、燃費の悪化や圧縮比の低下によるパワーダウンという症状も出る可能性が有ります。
※:通常時は、エンジン内部はオイルパンからオイルが運ばれており、潤滑の役割を果たしてくれています。しかし、エンジンを停止すると重力によってオイルパンにオイルが戻ってしまい、1〜2週間経つと各部のオイルは無くなってしまいます。この状態でエンジンをスタートする事をドライスタートと言います。
ガソリンタンクのサビ
車を長期間放置していると、ガソリンの気化によりタンクの隙間に水滴が付着し、内部が錆びてしまいます。また、ガソリンは経年劣化によって酸化が進みます。その結果、ワニス・ガム質が多くなり、フィルター等が詰まる可能性が有ります。
参考:ガソリンを入れたまま長期間放置すると、「ガソリンが腐る」と思っている方がいるかもしれませんが、腐るのはタンクの隙間に付いた水であって、ガソリンではありません。
長期間放置する場合は、サビ防止の為にガソリンを満タンにし、タンクの隙間を無くす事が一般的に推奨されています。しかし、最近のタンクは樹脂化が進んでいるので実際のところサビの心配はあまり有りません。
とはいっても、フィルター詰まりの可能性は有ります。フィルター詰まりを防止するという意味では、ガソリンをカラにしておくのも1つの方法ですね。
まとめ
いかがでしたか?長期間放置した車は、様々な不具合が出るので買取価格も低くなってしまう事が分かりましたね。
長期間乗らなくなると分かっているのであれば、そのまま放置するのではなく買取業者に査定に出して買い取ってもらった方がお得ですね。
なお、査定に出すのであれば高く買い取ってくれる業者を見付けられる可能性が高い、無料一括査定の利用をオススメします。