自分の愛車が事故車と化してしまったら、頭をよぎるのはまず「修理」でしょう。
どの業者に持っていけば、最もお得に修理してもらえるのか考えるはず。
元々購入したディーラーに持って行けば一番いいと思うかもしれませんが、実は金額的には損すると知っていましたか?
ディーラー以外の選択肢としては専門の修理業者がありますが、修理業者とディーラーを比較すると以下のようになります。
比較項目 | 修理業者 | ディーラー | 備考 |
---|---|---|---|
修理金額 | ○ | × | ディーラーは修理業者の20~30%高い |
修理期間 | △ | ○ | 修理工場を併設しているディーラーだと早い |
接客・説明 | △ | ○ | ディーラーの方が修理方法などの説明が丁寧 |
代車の有無 | △ | ○ | ディーラーだと綺麗な車を手配してもらいやすい |
利用パーツ | △ | ○ | 修理業者は純正新品ではなく中古互換品を使う |
ディーラーにはディーラーの良さがありますが、修理金額だけを比べると修理業者には全然かないません。
もしお得に事故車を修理したいと思っているのであれば、修理業者を使うべきでしょう。
ただ事故車は修理すればいいというものでもありません。
場合によっては修理せずに「処分する」という判断を下さなければならない時もあります。
そこで今回はディーラーと修理業者の比較をしつつ、修理せずに処分するべき事故車とは一体どんな車なのかという点を深掘りしています。
自分の愛車が事故車になってしまい、これから先どうすればいいか迷う人にとっては役に立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
修理前に知っておきたい「事故車」の定義
まずは「事故車」とは一体どんな車が該当するのかという基礎的な部分をおさえておきましょう。
「事故車の定義についてはもう知っている」という人は、次の「事故車を修理するなら修理業者とディーラーにどっちにすべき?」まで飛ばしてもらってかまいません。
さて、そもそも事故車はどんな車のことを指すか知っていますか?下記の図を見てください。
※出典:JAAI「日本自動車査定協会ホームページ」より
基本的には上記の図で記されている内部フレームのうち1ヶ所でも、交換および修復されると事故車として扱われます。
ただし、厳密なことをいうと「事故車」という定義がありません。業界では事故車とは言わず「修復歴車」と言います。
もっと詳しく事故車になる定義を深掘りすると、以下のようになりますよ。
骨格部位 | 事故車となるもの | 事故車とならないもの |
---|---|---|
ラジエータコアサポート | 交換されていて、かつコアサポートと隣接するインサイドパネルに凹み、クロスメンバーに曲がり、凹み、サイドメンバーに曲がり、凹み又はその修理跡があるもの | - |
クロスメンバー (フロント・リヤ) | ①交換されているもの ②曲がり、凹み又はその修理跡があるもの | ①小さな凹み又はその修理跡があるもの ②突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの |
サイドメンバー (フロント・リヤ) | ①交換されているもの ②曲がり、凹み又はその修理跡があるもの | ①コアサポートより前に位置する部分及びリヤエンドパネルより後に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの ②けん引フック取り付け部の損傷又はその修理跡があるもの ③バンパーステー取り付け部の軽微な凹み又はその修理跡があるもの ④突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの |
インサイドパネル (フロント)ダッシュパネル | ①交換されているもの ②外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの | ①コアサポートより前に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの ②軽微な凹み又はその修理跡があるもの |
ピラー (フロント・センター・リヤ) | ①交換されているもの ②スポット打ち直しがあるもの ③外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの | ①外部に露出している部位に凹み又はその修理跡があるもの ②ボディサイドシルパネルの単体部品の交換時に生じるピラー下部に溶接処理跡があるもの ③外部を介さない凹み又はその修理跡があるもの ④1BOX車等でルーフパネルからステップまで一体として露出しているパネル状センターピラー等のアウター部はピラーとしない ⑤軽微な凹み又はその修理跡があるもの |
ルーフ | ①交換されているもの ②ルーフ周囲のインナー部に凹み、曲がり又はその修理跡があるもの ③ピラーから波及した凹み又はその修理跡があるもの | インナー部に軽微な凹み、曲がり又はその修理跡があるもの |
センターフロアパネルフロアサイドメンバー | ①交換されているもの ②パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの ③破れ(亀裂)があるもの ④外部又は外板を介してパネルに凹み、メンバーに曲がり又はその修理跡があるもの | ①突き上げ等による凹み、曲がり又はその修理跡があるもの ②軽微な凹み、曲がり、破れ又はその修理跡があるもの |
リヤフロア (トランクフロア) | ①交換されているもの ②パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの ③破れ(亀裂)があるもの ④外部又は外板を介してパネルに凹み、メンバーに曲がり又はその修理跡があるもの | ①リヤエンドパネル又はリヤフェンダー等の交換時に生じた損傷があるもの ②軽微な凹み、破れ又はその修理跡があるもの ③スペアタイヤ等格納部の突き上げによる凹み、軽微な破れ又はその修理跡があるもの |
逆に言うと、仮に事故を起こしたとしても、上記に示した内部フレームを交換または修復しなければ、事故車にはなりません。
例えば走行中に自転車と接触してしまった場合、れっきとした「交通事故」になります。
しかし車そのものが、上記の箇所を損傷していなければ「事故車」として扱われることはないのです。
事故車を修理するなら修理業者とディーラーにどっちにすべき?
先ほど紹介したように、事故車とは内部フレームまで損傷が進んでしまった車のことを指します。
ではそんな事故車を修理する場合、どこの業者に頼むかというと「専門の修理業者」か「ディーラー」になるでしょう。
せっかく事故車を修理するのであれば、できる限りお得なほうに依頼したいですよね。
そこでこの章では事故車の修理における、修理業者とディーラーを様々な要素で比較してみました。結果としては、以下の通りです。
比較項目 | 修理業者 | ディーラー | 備考 |
---|---|---|---|
修理金額 | ○ | × | ディーラーは修理業者の20~30%高い |
修理期間 | △ | ○ | 修理工場を併設しているディーラーだと早い |
接客・説明 | △ | ○ | ディーラーの方が修理方法などの説明が丁寧 |
代車の有無 | △ | ○ | ディーラーだと綺麗な車を手配してもらいやすい |
利用パーツ | △ | ○ | 修理業者は純正新品ではなく中古互換品を使う |
金額的には修理業者の方が圧倒的に安い
見ての通り、修理金額だけを比較してしまうと、ディーラーは修理業者の足元にも及ばないという結果になります。
なぜかと言うとディーラーは修理業者と違って、正規品で修理を行うため。
修理業者は「直せばOK」という考えをもっているため、手元にある中古の互換品を使って修理を行います。
そのおかげで安くなるのですが、ディーラーと違って正規パーツを使っていないということから、安心感は少し劣ってしまうという弱点もあります。
純正パーツや綺麗な代車を求めるならディーラーを選ぶ
金額的には修理業者が圧倒的に安くなるため、金額だけを重視するのであれば、修理業者を使うべきでしょう。
ただ純正のパーツにこだわるなら、ディーラーを使うべきです。
そのうえ、ディーラーの場合は純正パーツを常時豊富に用意してあるため、修理業者よりも早く修理をする可能性もあります。
また展示車などをそのままで代車として使わせてくれる場合もあるので、修理している間の代車が綺麗という利点もあります。
ディーラーの方が金額的には不利ではありますが、「純正パーツ」「代車の綺麗さ」「修理スピード」という点で、魅力を見出せる人はディーラーを使うと良いでしょう。
事故車を「買い替え」か「修理」すべきか決める3つのポイント
ここまで事故車を修理する費用について、解説してきました。
ただ金額的に考えて「修理」ではなく「買い替え」をした方が良いのではないかと迷っている人もいるでしょう。
そこでこの章では、あなたが保有する事故車を買い替えすべきか、それとも修理がベストなのか決めるポイントについて紹介していきます。
具体的には以下の3つのポイントを意識して、買い替えか修理すべきか決めると良いでしょう。
- 動かない車は「買い替え」するのがベスト
- 買取査定をしてもらって納得のいく金額なら処分する
- そもそも不満がある車だったのであれば事故車でも売るのはわるくない
ポイント1.動かない車は「買い替え」するのがベスト
事故の具合によっては、エンジンなどが損傷してしまい、もう動かなくなった車も出てきます。
そのような車に関しては、修理費用がかなりかかるので、買い替えする方が結果的にお得になるでしょう。
なお、動かない車に関しては、廃車をすることになります。
ビッグモーターなどの大手買取業者を使えば、印鑑証明を用意するだけで無料にて廃車手続きをしてくれますよ。
動かない車であったとしても、保管場所までレッカーしに来てくれるので、動かない車を持っているなら使わない手はありません。
ポイント2.買取査定をしてもらって納得のいく金額なら処分する
買い替えするかどうか決めるために重要なのは、買取査定を事前にしてもらっておくことです。
買取業者に事故車を見てもらって、査定をしてもらい、自分が納得のいく金額であれば売ってしまいましょう。
満足いく買取金額がつかずに、多少の修理でまだ走れるということなのであれば、「修理」という選択肢を取ればOKです。
どちらにしても買取査定額は「買い替え」か「修理」のどちらかを決めるための重要なボーダーラインとなるため、早い段階でしてもらっておくことをお勧めします。
ポイント3.そもそも不満がある車だったのであれば売ってもOK
事故を起こす前から不満がある車だったのであれば、無理をして修理をせずに思い切って処分するのがベストです。
修理をしたところで、元々あった不満が解消されることはないのですから、日頃から感じていた不満点を活かして、新しい車を選ぶと良いでしょう。
もし広さが足りないと思ってるのがあればミニバンにすればいいですし、燃費があまり良くないと思っているのであれば、ハイブリッドを選ぶのがいいかもしれません。
事故車を修理せずに処分するなら試すべき高価買取に近づく裏技
色々と検討した結果、事故車を修理せずに売ろうと決断した人もいるでしょう。
もし処分するのであれば、なるべく高く売れて欲しいもの。
そんな時に使って頂きたいのが「車一括査定サイト」です。
事故車をほしがる業者は意外と多い
常識的に考えて「事故車は良い金額がつかない」と思われがちです。
しかし買取業者の中には「分解してパーツが欲しい」「修理をして転売したい」と思っている業者がいます。
そんな業者を見つけ出すことができれば、事故車であったとしても高価買取が可能になってきます。
しかしそのようなニーズを持つ業者を見つけ出すことは、非常に時間がかかりますし難しいです。
そんな時に役に立つのが「車一括査定サイト」になります。
車一括査定サイトなら効率的に業者を見つけ出せる
車一括査定サイトとは、インターネット経由の申し込みで複数の業者に査定依頼が出せるサービス
一社ずつ回ることなく、数十秒の申し込みによって複数社の査定がもらえるため、効率的に「事故車でも買いたい」と思っている業者を見つけ出すことができます。
もし車一括査定サイトを使うのであれば、より多くの査定をもらうことができる「カーセンサー」がおすすめです。
車一括査定サイトの中でもおすすめなのは「カーセンサー」
車一括査定サイトを使うのであれば、最も多くの業者から査定をもらうことができる「カーセンサー」を使ってください。
車一括査定サイトには「同時査定数」という数値があり、この数値が多ければ多いほど、たくさんの業者から査定がもらえます。
カーセンサーの場合は同時査定数30社と、他の車一括査定サイトの3倍もの数値を誇ります。
- カーセンサー→最大30社、事故歴ありなしの項目あり
- ズバット買取査定比較→最大10社
- カービュー→最大8社
- 楽天→最大10社
- ナビクル車査定→最大10社
見てわかる通り、最大で30社ほどの査定を得ることができるのは「カーセンサー」しかありません。
つまり「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」を実現させるためにも、カーセンサーを使うのが大前提となってきます。
カーセンサーは一括査定で唯一事故歴ありを選べる
しかもカーセンサーは、事故歴ありなしの項目が選べるようになっています。
つまり事故歴ありな車でも高く買い取ってくれる業者が見つかりやすいわけです。
カーセンサーを使ってどう高価買取を実現するのか、大まかな流れを先にまとめておきます。
カーセンサーを使った故障車高価買取テクニック
では具体的に「カーセンサー」を使って、故障車をどのように高価買取に導いていくのか具体的に説明していきましょう。
まずカーセンサーにアクセスして、以下のように手続きを踏み、業者さんから査定をもらうようにします。(今回はPCの画面にて説明します。SP(スマホ)でも同じ手順で申込ができます。)
カーセンサーにアクセスして、査定してもらう車の情報とあなたの個人情報を入力
※画像出典:カーセンサー「申込みページ」より
ここでのポイントは、事故歴の項目でしっかりと「あり(修復済)」「あり(未修復)」を入力すること。
これを入力することで、事故車でも高く買い取りたいと思っている業者がより見つかるわけです。
「申し込みスタート」を押すと下記のような画面になります。
申込み内容に不備がないかチェック
これで申込みが完了したので、業者からの連絡を待つ。
申込みが完了すると、複数の業者さんからたくさん電話かかってくるので、しっかりとそれに応対していくようにしましょう。
事故車を修理せずに処分すると覚悟したのであれば、車一括査定サイト「カーセンサー」を使って、効率的に高価買取を実現するようにしてください。
まとめ
事故車を修理してもらう場合、修理先となる「ディーラー」と「修理業者」を比較すると、以下の通りになります。
比較項目 | 修理業者 | ディーラー | 備考 |
---|---|---|---|
修理金額 | ○ | × | ディーラーは修理業者の20~30%高い |
修理期間 | △ | ○ | 修理工場を併設しているディーラーだと早い |
接客・説明 | △ | ○ | ディーラーの方が修理方法などの説明が丁寧 |
代車の有無 | △ | ○ | ディーラーだと綺麗な車を手配してもらいやすい |
利用パーツ | △ | ○ | 修理業者は純正新品ではなく中古互換品を使う |
見てわかるとおり、金額的には修理業者にディーラーが敵うことはないでしょう。
ただ事故車は「修理さえしておけばいい」というものでもありません。
場合によっては、売ったほうが最終的にお得になることもあるのです。
もし事故車を修理しないで処分するのであれば、車一括査定サイトを使ってなるべく高価買取を実現するようにしましょう。