新古車って安くて質が良い車て聞いたけどホント?どうすればみつかるの?
新古車とは新車の中古車の中間に位置する車ですね。端的にいえば元・試乗車だった車(試乗車落ち)のことです。
そんな試乗車落ちの車は安くて魅力が一杯です!
但し、いつでも買う事が出来る訳では無いですし、買う場合は注意点がいくつかあります。
そこで、ここでは試乗車落ちの中古車を購入する方法や、購入時の注意点(メリットやデメリットも)について見ていきましょう。
新古車とは?特徴や見分け方を解説!
新古車とは「試乗車落ちの中古車」です。
もっといえば、新車ディーラーで試乗車として使われていた車が、その役目を終えて中古車市場に出た時の通称です(デモカーとも呼ばれます)。
新車が発売されると、「試乗キャンペーン」と銘打ったCMがテレビで流れたりDMが送られて来ますよね。新車は高い買物になるので、買う前に乗り心地を試してみたいと思う方が多いです。
そういった方の為に、新販売の車種は試乗車として来店客が乗れる様になっています。ディーラー側としても新しい車に試乗してもらう事で購買意欲を駆り立てる事が出来る、という訳ですね。
そして、その試乗車が役割を終えた時に「試乗車落ち」となって中古車市場に出回る様になるのです。
以下で、試乗車落ちの中古車の特徴や見分け方について見ていきましょう。
試乗車と似たものとして展示車がありますが、展示車はディーラーで展示されている車の事で、実際に公道に出て試乗する事は出来ません。
両者の明確な違いは新車登録の有無(ナンバープレートが付いているかどうか)です。試乗車は公道を走るのでナンバープレートが付いていますが、展示車には付いていません。
試乗車落ちの車の販売タイミングはいつ?
車の場合、新車として発売された後、2〜2年半程度で最初のモデルチェンジ(マイナーチェンジ)が行われます。そして次のモデルが登場すると、先代は新車ディーラーに展示されなくなるので、先代の試乗車も同様にお役御免です。
従って、新車発売後2年〜2年半程度後のモデルチェンジ直後が、試乗車落ちの中古車を入手出来るチャンスとなります。
注:モデルチェンジのタイミングにならなくても走行キロ数が多くなり過ぎる場合は、前倒しで売りに出される事も有る様です。
試乗車落ちの車の走行キロ数はどれくらい?
試乗車は新車を購入しにきた客の試乗にしか使用されないので、走行キロ数は少ないです。一般的に2年程度試乗車として使われていれば、走行キロ数は1万キロ前後でしょう。
試乗車落ちの車の見分け方は?
試乗車落ちの中古車と言っても、見た目は普通の車です。
来店客に乗ってもらう為に使う車なので、外装は綺麗に磨き上げられており、内装も多少の傷は有るかもしれないですが綺麗でしょう。しかし、綺麗だからといって、それだけで試乗車だったとは判断出来ませんよね・・・。
基本的には店員に聞けば試乗車落ちかどうか教えてくれるので、一度聞いてみると良いでしょう。
一昔前までは、車検証に前所有者の名前が記載されていたので、車検証を見て新車ディーラーの名前になっていれば、ディーラー車(試乗車落ち)と判断する事が出来ました。
しかし、最近は個人情報が問題になる事が多いので、車検証に前所有者の名前は記載されていません。
試乗車落ち中古車の税金・補助金関係
試乗車落ちといっても、中古車である事に変わりはありません。従って、自動車税や重量税等は他の車と同様に課税されます。自動車取得税についても、新車ではないので中古車として課税される事になります。
また、各種補助金についても、新車ではないので貰う事は出来ません(エコカー減税は受けられます)。
新古車を買うメリット
新車や普通の中古車ではなく、敢えて試乗車落ちの中古車を購入するメリットにはどの様なものが有るのでしょうか。
新車よりも安く手に入る!〜新車と試乗車で購入費用はどれくらい違う?〜
これが試乗車を買う最大のメリットと言えるでしょう。
試乗車は、新車ディーラーで試乗用の車としてたくさんの客が乗っていますが、しっかりとメンテナンスされているので新車の様に綺麗な状態で買う事が出来ます。
しかし、一度登録されているので新車として売る事は出来ず、扱いは中古車です。中古車として販売する以上、価格も新車よりも当然安くなります。
従って、新車しか買わないと決めている方には不向きですが、少々の事であれば気にしないという方であれば、新車よりも安く購入出来る試乗車落ちの中古車を買うのも良いでしょう。
肝心の新車との購入費用の差ですが、以下の様な感じになると考えておくと良いですよ(新車見積書等を参考に作成)。
新車の場合 | 試乗車の場合 | 差 | |
---|---|---|---|
経過年数 | 0年 | 2.5年 | ー |
走行距離 | 0km | 8,000km | ー |
状態 | 新車 | 良好 | ー |
車両販売価格(※) | 2,351,080円 | 2,150,000円 | 201,080円 |
ローン期間 | 3年 | 3年 | ー |
金利 | 3.50% | 7% | ー |
利息総額 | 131,700円 | 239,887円 | -108,187円 |
支払い総額 | 2,482,780円 | 2,389,887円 | 92,893円 |
※:車両本体価格に付属品や諸費用、消費税を加えた支払額
新車と新車登録時から2年半経過した試乗車とでは、試乗車の方が総額で9万円程度安くなっていますね。ローンで購入する場合を前提にしているので、一括で買う事が出来るのであればさらに差は大きく、20万円も安くなっています。
車体価格の高い車になると、もっと差額は大きくなるのでお得感は増すでしょうね!
一般の中古車よりも走行キロ数が少ない!
これは上の特徴の所でも書きましたが、試乗車は見込み客が試しに乗るものなので、1回の乗車時間が15分前後(距離にして10km程度)と短いです。
従って、一般に流通している同年式の中古車と比べると走行キロ数が少なめのものを入手出来る、というメリットがあります。
オプションが充実している!
一般的に、試乗車として見込み客に乗ってもらう場合、オプションをたくさんつけて魅力的な仕上がりにしている事が多いです。
試乗した際に必要最低限の機能しか備わっていなかったら、買う気が無くなってしまいかねないですからね・・・。
従って、メーカーオプションが色々付いた豪華な中古車が欲しい、と言う方には試乗車落ちの中古車はオススメです!
整備がしっかりとされている!〜キズや凹みも少ない〜
試乗車は、ディーラーに車を見に来た方に乗ってもらうものです。それが整備不良により走行中に故障したなんて事が起きるとシャレにならないですよね。
従って、試乗車は定期的にしっかりと整備がされていますし、整備点検簿も残っているので、安心して乗る事が出来ます。
また、一般的な中古車にはキズや凹みが付き物ですが、試乗車落ちの中古車には殆どキズや凹みがありません。見込み客に気持ち試乗してもらって欲しいですし、キズだらけの車だと購買意欲が下がってしまいますよね。
試乗車落ちの中古車はキズや凹みが最小限で、綺麗な状態がキープされていると思っていいでしょう。
参考:アルミホイールのキズについては、例外で修理・修復・交換をしない様です。
中古車の場合は「買ってみたら事故車だった」、「メーターの改ざんがされていた」という事もありますが、試乗車落ちの場合はそういった事はまずありません。
新古車扱いになったの中古車を買うデメリット
試乗車落ちの中古車はメリットばかりではありません。以下の様なデメリットもあります。
なかなか手に入らない!
ディーラーは試乗車として同じ車種を何台も用意している訳ではありません。1つのディーラーに同時に置いてある試乗車は数台程度です。
従って、試乗車落ちの中古車が頻繁に出回る事は無く、なかなかタイミング良く見つけるのが難しいです。
車が急ぎで必要なときに、試乗車落ちの中古車を買おうとするのはやめた方が良いでしょう。
自分好みのアレンジが出来ない
メリットの所で書きましたが、試乗車はオプションが豊富に付いている事が多く、車種やディーラーによってはフルオプションの場合もあります。
この点については、とにかくオプションを付けて豪華に!という方にとってはメリットですよね。
しかし、付いているオプションの全てが必要なものとは限らず、不要なものも有るでしょう。オプションを自由に選ぶ事が出来ず、場合によっては過剰なオプションになってしまうというデメリットがあります。
また、ボディカラーについても選ぶ事が出来ません。ボディカラーは白が良いのに、出てきた試乗車落ちの車が赤色だったら悩ましいですよね・・・。
試乗車でも走行キロ数が多い事も有る!
上で、試乗車落ちの車は走行キロ数が少ない、と書きましたが必ず少ないという訳ではありません。
中には走行キロ数が数万キロになっているケースもあります。この様な場合は、試乗車として使っていただけでなく、「代車として使用していた」「他の販売店に貸し出した」「スタッフが少し出かけるのに使用していた」などが考えられます。
走行キロ数が多い場合は、普通に中古車として購入するのとあまり変わらない(むしろ損する)事もありますよ。
新車で買うより車検期間や保障期間が短くなる!
新車の車検期間は3年ですが、試乗車落ちの車は既に登録されているので、車検期間は新車で買うよりも短くなります。
例えば、登録から1年経過した試乗車落ちの中古車を購入した場合、2年後に車検が必要です。
また、整備パックなどで新車購入時に加入すれば受けられるタイプのものもありますが、新車購入時でない場合は追加料金が発生するケースがあります。
いずれも新車で購入していないので仕方がない事ですね・・・。
新古車となった中古車の見付け方・購入方法
試乗車落ちの中古車を購入するにはどうすればいいでしょうか?試乗車を保有している新車ディーラーに対して「売って下さい!」と言えば良いのでしょうか?
もちろんそれでは駄目です。新車ディーラーは試乗車を商品として見ていませんし、新車ディーラーの目的はあくまでも「新車を売る事」です。
また、試乗車落ちの車はお買い得なので需要があります。来店した一般客に売らなくても、簡単に業者等に売る事が出来るので、敢えて一般客に売るメリットが特に無いのです。
試乗車落ちの中古車を手に入れたいなら、以下の2つの方法を試してみてください。
①非公開車両を探してくれるサービスを利用する
不動産業界では、公開されている売買物件については、不動産業者であれば専用のシステム(レインズと言います)を使って全国の情報を即座に調べる事が出来ます。
一方で、非公開情報扱いにして、付き合いの有る不動産業者しか物件情報を持っていない様な場合もあります。
自動車でも、不動産と同様に公開されている中古車と非公開の中古車があります。インターネットで検索すると、Goo-netなどで多くの公開されている中古車が出て来ますが、これらは実は全体の30%程度に過ぎません。
実際には、試乗車落ちの車を含む多くの車が非公開車両なのです。
ズバット車販売サービスの様に、欲しい車の条件を登録すると”非公開車両”の中から条件に合致する中古車を探してくれるサービスも有るので、興味の有る人はそちらを利用すれば比較的に手間なく試乗車落ちの中古車を見つける事が出来るでしょう。
②中古車ディーラーの営業マンと仲良くなって見付けて貰う
一般の中古車販売店では、試乗車落ちの中古車を入手するのは難しいかもしれませんが、新車ディーラーに隣接している系列の中古車販売店(認定中古車を主に扱っているお店)では、試乗車を取り扱っている事が多いです。
新車ディーラーの系列の中古車販売店の営業マンと仲良くしていれば、試乗車落ちの中古車を入荷したら連絡を貰えるかもしれませんね。とは言っても、同様の方法で狙っている方も多いので、難易度はそれなりに高いです。
基本的には、①のサービスを利用して気長に待つのが賢明でしょう。
購入前にしっておきたい新古車の注意点
試乗車落ち中古車に関しては「デメリット」のところで書いたことを把握するとともに、以下のような注意点も認識しておいて下さい。
足回りには特に注意!
試乗車は、営業ツールとして使われているので、基本的にはしっかり整備され綺麗な状態が保たれています。
しかし、試乗車は不特定多数の人が運転しているという事実を忘れてはいけません。中には走行性能を試す為に荒々しく運転をする人もいます。
従って、「足回り」には注意が必要です。また、走行キロ数が多い場合は、オイル交換がされているかどうかも念の為にチェックしましょう。
あと、試乗車がお得だからと言って何が何でも試乗車を買う!という姿勢はやめておきましょうね。そもそも試乗車は、市場に出回る数が少ないので「試乗車ありき!」で中古車の購入を考えると、選択肢が劇的に減ってしまいます。
自分の希望の車が試乗車だったらラッキー!くらいの感覚で居たほうが、良い中古車を買えると思いますよ。リセールバリュー等々も考えて総合的に判断して下さい。
まとめ
試乗車落ちの中古車の買い方や注意点などについて見て来ました。簡単にまとめると以下の様な感じですね。
- 新車より安く手に入る
- オプション豊富なケースが多いが、自分の希望する色やオプションの車が手に入るとは限らない
- 走行キロ数は少なくても、荒い運転をする客もいるので足回りには注意
試乗落ちの車はなかなか試乗に出回らないので、車を買おうとしている時にタイミングよく見つける事が出来たら良いですね。
以上「新古車とは?専門家が知っておくべきメリット・デメリットと誰でもできる探し方を解説 」でした。