中古車の購入を検討されている人にとって、一番気になるポイントは、「自分の欲しい車種っていくらで購入できるんだろう」ということだと思います。
しかし、欲しい車種だけしか決まっていない段階で、「この金額で購入できます」と明確な金額をお伝えすることできません。
新車の購入を検討されているのであれば、グレード別に設定されているメーカー希望小売価格をお伝えできます。
中古車の場合は、同じ年式の同じ車種、グレードも同じであっても、1台1台走行距離が違っていますし、キズや凹み、オプション装備など、車の状態が異なっている。
つまり、同じ年式の同じ車種、同じグレードでも、走行距離の多い少ないや、車の状態の良し悪し、オプション装備の違い、そして、車体色などさまざまな要因によって、販売価格に違いがあるのが中古車なのです。
ですから、新車と異なり、中古車の場合は定価と呼べる価格は存在していません。
しかしながら、同じ年式の同じ車種、同じグレードで、走行距離や車の状態に大きな違いがなければ、販売価格にある程度の差はありますが、目をむくほどの大きな差はありません。
なので、欲しい車種の中古車が、どれくらいの価格帯で販売されているか、つまり、中古車の相場を知ることで、「自分の欲しい車種がいくらで購入できるんだろう」という疑問を解消することができます。
ですから、こちらの記事で、中古車の相場を知るための筆者オススメの方法を紹介します。
まずは、中古車の相場がどのようにして形成されているのかについて解説します。
※なお今回説明するのは、2024年10月現在です。
1.中古車の相場はオートオークションでの落札価格がベースになる
中古車の相場を形成するベースになるのが、オートオークションです。
オートオークションとは、中古車を扱っているお店が参加して、中古車の売買をする卸売市場です。
オートオークションに参加できるのは、各オートオークションの運営会社に承認されて、会員資格を得たお店です。
オートオークションには、
などの自動車メーカー系列のオートオークションや、
などの自動車メーカー系列ではないオートオークションがあります。
各オートオークションは、全国各地にオートオークション会場を設けており、非常にたくさんの中古車の取引がおこなわれています。
ちなみに、USSのオートオークション会場は、全国に19カ所あります。(2018年6月現在)※参考サイト:USS 会場案内
2017年度(2017年4月から2018年3月)における、USSのオートオークション開催回数は、82回にのぼります。
そして、出品された台数:2,700,010台、成約した台数:1,709,998台です。※参考サイト:USS IR資料 オートオークションデータ
もちろん、この台数はあくまでも「延べ台数」となっていますので、1回の出品では成約にならず、2回、3回と出品した場合でも、それぞれの出品につき1台として出品台数にカウントされてはいます。
また、成約台数にしても、同一車両が複数回カウントされているケースもあります。
例えば、山田モータースが、USSオートオークションでクラウンを落札し、しばらく店頭に並べていました。
しかし、お客様の誰もこのクラウンに興味を示さなかったので、山田モータースは、店頭での販売をあきらめて、USSオートオークションに出品し、川畑自動車がクラウンを落札しました。
このケースだと、クラウンは、2回出品され、2回落札されていますので、出品台数と成約台数には、それぞれ2台としてカウントされています。
ですから、純粋に1,709,998台もの車両が取引されているわけではありません。
あくまでも「延べ台数」ですが、1年間にUSSオートオークションで、取引された台数が、1,709,998台もあります。
USSオートオークションだけで、これほどの台数が取引されているのですから、全国にある大小全てのオートオークションで取引された台数を合計すると、すごい台数になることは想像に難くありません。
全国のオートオークションで、数百万台もの車両が取引されており、オートオークションの会員なら落札価格の情報を入手できます。
そして、取引に携わっているオートオークションの会員は、全て中古車販売店です。
つまり、売る側にも買う側にも、ずぶの素人はいないのです。
極端に高い価格で買えば、損をしてしまうことを分かっていますので、極端に高い価格で売ろうとしても、誰も買ってはくれません。
- 「これぐらいの価格なら売れそうだ」
- 「これぐらいの価格なら買ってもいいかな」
と、売る側と買う側の双方が納得する価格帯は、車種ごとに、ある程度の範囲で安定してきます。
毎回のオートオークションで、車種ごとに落札される価格が一定の範囲内で安定すれば、その価格帯がその車種の相場として認知されるのです。
オートオークションでの相場として認知されれば、必然的に販売価格が決まります。
というのも、中古車の販売価格は、各中古車販売店が仕入れた価格に、自社の利益と整備に費やした整備代金を上乗せして設定しているからです。
中古車販売店が中古車を仕入れているのが、主にオートオークションですから、オートオークションでの相場が、中古車の販売価格の基準になっているのです。
それでは、次に、中古車販売価格の相場を知ることができるサイトを紹介します。
2.中古車販売価格の相場を知ることができるサイト7選と評価理由
サイト名 | 見やすさ | 相場の精度 | 更新性 |
---|---|---|---|
カーセンサー | ◎ | ◎ | ◎ |
グーネット | ◎ | ◎ | ◎ |
車選び.com | ○ | ○ | ◎ |
BIGLOBEクルマ 中古車探し | △ | ○ | ○ |
カーオークション.jp | △ | △ | △ |
car view! | ○ | △ | △ |
価格.com | △ | △ | △ |
上記が、中古車販売価格の相場を知ることができる主なサイトの一覧表です。
筆者の個人的評価を記しています。
各サイトの評価ポイントについて、簡単に説明します
カーセンサー 中古車相場表
https://www.carsensor.net/usedcar/souba/
株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:◎
- 相場の精度:◎
- 更新性:◎
となります。
見やすさを◎にした理由は、
- 相場表の価格が10万円刻みで表示される点
- 相場表の横に歴代モデルラインナップがあり、各モデルの基本スペックや装備情報を見られる点
- 『価格と年式』『価格と走行距離』『年式と走行距離』で相場表を見ることができる点
を評価したからです。
相場の精度を◎にした理由は、販売するために、カーセンサーサイトへ登録した中古車の価格情報を集計している点を評価したからです。
更新性を◎にした理由は、カーセンサーサイトへ、各中古車販売店が中古車の情報を登録した時点で相場表に反映される点を評価したからです。
グーネット価格相場
https://www.goo-net.com/market/
株式会社プロトコーポレーションが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:◎
- 相場の精度:◎
- 更新性:◎
となります。
見やすさを◎にした理由は、
- 年間維持費用が表記されている点
- 相場表の上に歴代モデル一覧があり、各モデルの基本スペックや装備情報を見られる点
- 『価格と年式』『価格と走行距離』『年式と走行距離』で相場表を見ることができる点
を評価したからです。
相場の精度を◎にした理由は、販売目的で、グーネットへ登録した中古車の価格情報を集計している点を評価したからです。
更新性を◎にした理由は、各中古車販売店が、グーネットへ中古車の情報を登録した時点で相場表に反映される点を評価したからです。
車選び.com
https://www.kurumaerabi.com/pricetable/
株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:○
- 相場の精度:○
- 更新性:◎
となります。
見やすさを○にした理由は、
- 相場表の価格が5万円刻みで表示されているので、上限価格と下限価格の幅が小さい点
- 過去12か月の価格推移が見られる点
- 『価格と年式』『価格と走行距離』『年式と走行距離』で相場表を見ることができる点
を考慮したからです。
相場の精度を○にした理由は、車選び.comに登録してある中古車の価格情報が集計されているが、カーセンサーやグーネットに比べて登録されている台数が少ない点を考慮したからです。
更新性を◎にした理由は、車選び.comへ登録した中古車の価格情報が、リアルタイムで相場表に反映される点を評価したからです。
BIGLOBEクルマ 中古車探し
https://car.biglobe.ne.jp/used_car/
ビッグローブ株式会社が運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:△
- 相場の精度:○
- 更新性:○
となります。
見やすさを△にした理由は、年式別の相場は分かりやすいが、カラー別の相場と都道府県別の相場、グレード別の相場は価格幅が大きすぎて使いづらいからです。
相場の精度を○にした理由は、株式会社プロトコーポレーションの情報を基に中古車の価格情報を集計している点を考慮したからです。
更新性を○にした理由は、価格情報は、株式会社プロトコーポレーションの情報に基づいているためタイムラグがある点を考慮したからです。
カーオークション.jp
株式会社COMFORTが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:△
- 相場の精度:△
- 更新性:△
となります。
見やすさを△にした理由は、車種で相場検索をしても、相場情報が一覧で表示されるのではなく、年式とグレード、車体色ごとに価格相場が表示されるので、相場を把握しにくいからです。
相場の精度を△、更新性を△にした理由は、運営会社がオークション代行業を営んでいるようで、自社のオークション代行のバナー広告が多く、価格情報を鵜呑みにすることができないと感じたからです。
car view!
https://ucar.carview.yahoo.co.jp/
株式会社カービューが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:○
- 相場の精度:△
- 更新性:△
となります。
見やすさを○にした理由は、
- 相場表の価格が20万円刻みで表示されているが、表示されている価格幅が広い点
- 中古車相場の推移が表示されている点
- 『価格と年式』『価格と走行距離』で相場表を見ることができる点
を考慮したからです。
相場の精度を△、更新性を△にした理由は、カーセンサーから情報提供を受けて、中古車情報を掲載しているとのことですが、どれぐらいのタイムラグがあるのかが不明
だからです。
価格.com
http://kakaku.com/kuruma/used/
株式会社カカクコムが運営しているサイトです。
筆者の評価は、
- 見やすさ:△
- 相場の精度:△
- 更新性:△
となります。
見やすさを△にした理由は、相場表の台数が表示されている欄に複数の色で網掛けがされているが、色の違いがなにを意味しているのかが不明だからです。
相場の精度を△、更新性を△にした理由は、グーネットや車選び.comなど5つの中古車サイトから情報を得ているようですが、リアルタイムで中古車情報が反映されているのか不明だからです。
以上が、各中古車相場を検索できるサイトに対する、筆者の個人的評価です。
それでは、次に筆者がオススメする中古車相場検索サイトを紹介します。
筆者がオススメする中古車相場検索の厳選3選サイト
中古車相場検索サイトの筆者オススメは、
の3サイトです。
この3サイトは、【中古車販売価格相場検索サイト一覧表】を見ていただくと分かりますが、筆者の評価が高いサイトです。
カーセンサーを例に、中古車相場の検索方法について説明します。
カーセンサー 中古車相場表
https://www.carsensor.net/usedcar/souba/
カーセンサーは、トップページの下部『その他のコンテンツ』にある黒太文字の【中古車相場表】が入り口になっています。
黒太文字の【中古車相場表】をクリックすると、中古車相場検索画面に移ります。
メーカーと車名を選択し、【相場表を見る】をクリックすると、相場表が表示されます。
上記画像は、プリウスの価格と年式の相場表です。
価格帯で見ると、一番台数が多い価格帯は『220万円以上』となり1,011台あります。
次いで、『90万円台』の676台、『80万円台』の627台となっています。
年式で見ると、もっとも台数が多い年式は、『平成28年/2016年』となり1,164台あります。
次いで、『平成22年/2010年』の1,108台、『平成21年/2009年』の1,085台となります。
価格と年式で見ると、一番台数が多い組み合わせは『220万円以上・平成28年式/2016年』となり、522台が該当しています。
相場表に記載されている台数をクリックすると、価格や予算に該当する中古車が一覧で表示されますので、各車両の詳しい情報を確認することができます。
また、上記画像は『価格と年式の相場』ですが、相場表の右上にある『価格と走行距離の相場を見る』『年式と走行距離の相場を見る』をクリックすると、それぞれの相場表を見られます。
そして、相場表の左上にある『地域』で、都道府県を選択し、『価格と年式の相場』をクリックすると、選択した都道府県にある中古車の相場表になります。
上記画像は、兵庫県のみを表示させた中古車相場表です。
中古車を購入する前に現車の確認をしたい人にとっては、遠方にある中古車が表示されませんので、便利な機能だと思います。
カーセンサー 中古車相場表を使用する上で、気をつけていただきたいポイントがあります。
それは、相場表で価格帯ごとに表示されている台数は、中古車本体価格に基づいている点です。
中古車を購入するとなれば、別途、諸経費が必要になります。本体価格のみで購入することができないのです。
ですから、中古車の購入予算を考えるときに、諸経費が必要になることを忘れないでください。
例えば、先ほどのプリウスの全国の中古車相場表を見て、「90万円台で676台あるから、購入予算は90万円から100万円ぐらいにしよう」と思わないでください。

筆者がオススメする中古車相場検索サイトの残り2サイトも使用方法は、ほぼカーセンサーと同じです。
各サイトの中古車相場の入り口だけご案内しておきます。
グーネット価格相場
https://www.goo-net.com/market/
グーネットの中古車相場の入り口は、トップページ下部、『総合サービス』にあります。
総合サービスにある、【中古車価格相場】をクリックすると、グーネット価格相場へ進めます。
車選び.com
https://www.kurumaerabi.com/pricetable/
車選び.comの中古車相場の入り口は、トップページ上部にある【中古車相場】です。
【中古車相場】をクリックすると、メーカー・ブランド一覧画面に移ります。
メーカーを選択すると、車種選択画面になり、車種をクリックすると、中古車相場表に進めます。
筆者オススメの上記3サイトを利用すれば、中古車相場を把握できます。
しかし、中古車相場は、月によって変動することをご存じでしょうか。
次に、中古車の相場が月によって変動することについてお話しします。
3.中古車の相場は月によって変動がある
一般的に、査定をするときの基準となる中古車の基本価格は、1か月ごとに下落します。
自動車業界では、『月落ち』と呼びますが、
- 中古車の人気が高い車種や価格が安い車種などは、5千円から3万円程度
- 中古車の人気があまりない車種や価格が高い車種だと、5万円から10万円程度
1か月経過するたびに、下がります。
1か月経過すれば、当然ですが、経過した1か月分は車両が古くなってしまうので、基本的に相場が上がることはありません。
しかし、前章で説明したように、中古車の相場は、オートオークションの落札価格に基づいて形成されます。
ですから、杓子定規的に、毎月毎月、目に見えて全ての車種の相場が下落していくわけではなく、上昇することがあるのです。
中古車の相場が上昇する要因は、ひとつではありません。
例えば、人気が下火になっていた車種が、マンガや映画、ドラマに登場したことで、人気が再燃し、相場が急上昇した車種が過去にあります。
相場が上昇する要因は複数ありますが、要因のひとつは、季節(月)です。
日本では、4月に新年度を迎えるため、新たに進学や就職をする人は、2月から3月にかけて車を購入する人が増えます。
しかも、自動車販売店の多くは、3月が年度の締めくくりの月、つまり、決算月になっていますので、1台でも多く売ろうとしています。
車を1台でも多く販売するには、1台でも多く中古車を仕入れなければいけません。
販売できる中古車が店頭になければ、実績を上げることができませんから。
だから、中古車販売店は、1月ぐらいからオートオークションでの仕入れ台数を増やしていくのです。
特に、店頭に並べておけばすぐにでも売れそうな人気車種だと、多くの中古車販売店が取り合いをします。
ネットオークションをされたことがある人でしたら、分かると思いますが、欲しい人が多い商品は、どんどん値段が上がっていきますよね。
オートオークションでも、同じことが起こるのです。
しかし、オートオークションに参加しているのは、中古車のプロばかりです。
だから、先月や先々月の落札価格をはるかに超えて、青天井にどこまでも高くなるわけではありません。
それでも、自分達の経験に基づき、利益が出せるギリギリの価格までは上昇していくのです。
人気が全くない車種の場合は、相場が上昇することはあまりありませんが、それなりに売れる車種だと、人気車種ほどではないにしても、オートオークションでの落札価格は上昇します。
オートオークションでの落札価格が上がれば、当然ながら、店頭価格も上昇します。
このような経緯で、中古車相場は1月半ば頃から徐々に上昇を始め、3月上旬をピークに少しずつ落ちついてくるのです。
ですから、どうしても2月・3月に中古車を購入しなければいけない理由がないのであれば、2月・3月を避けて購入することをオススメします。
4.まとめ
中古車の相場は、オートオークションでの落札価格がベースになっています。
オートオークションの会員でなければ、オートオークションでの落札価格を知ることは難しいです。
ですから、中古車の相場を知るためには、中古車相場検索サイトを利用しましょう。
筆者がオススメする中古車相場検索サイトは、
の3サイトです。
筆者オススメの上記3サイトで、中古車の相場を把握していただき、よい中古車とめぐり会われることをお祈りしております。