寒い季節になると毎日のように雪が来る雪国の中古車には、どのような欠点があるか気になっていませんか?
他の地域とは違って毎日のように冷たい雪にさらされているものの、普通にしっかりと走っているように見えるので、そんなに大きな問題もないと楽観視してしまいがちです。
しかし実は雪国の中古車は他の地域に比べて、車体の「サビ」がかなり深刻化しているということをご存知でしょうか?
冬場に道路の凍結を防ぐ為に使われる「凍結防止剤」のせいで、雪国の中古車はサビが蔓延してしまっている可能性が非常に高いのです。
あまりにもサビが蔓延している車は「事故車」扱いとして売却されていることもあります。
つまり、もし雪国の中古車事情について知らなければ、知らず知らずのうちに事故車を購入してしまっているかもしれないのです。
しかし、ご安心ください。今回の記事では雪国の中古車にはどのような問題点があるのかしっかりと解説しています。
問題のある雪国の中古車を避けるための具体的な方法も解説しているので、これから中古車を買おうと思っている人には必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。

雪国の中古車は凍結防止剤によって「サビ」の進行が早くなる
雪国で使用されていた中古車は、あまり買わない方が良いと言われます。なぜ、このような事が言われるのでしょうか?
それは「サビ」の進行が、降雪の無い地域よりも早いからです。
サビは地域に関係なく発生するので、雪国に限った話では無いように思うかもしれません。
しかし、雪国には、サビの進行を早める原因が存在します。それは「凍結防止剤」です。
国道20号大垂水峠(東京都神奈川県境付近)の状況です。
現在、凍結防止剤の散布作業及び除雪作業を行っております。積雪が確認されておりますので、走行にはご注意ください。【平成30年3月21日 10:35】 pic.twitter.com/DX5x83E2dR— 国土交通省 相武国道事務所 (@mlit_sobu) March 21, 2018
雪国では、冬場に道路の凍結を防ぐ為に「凍結防止剤」が路面上に散布されます。
凍結防止剤が散布された道路の上を車が通ると、当然のことながら、車の足回りや底には凍結防止剤がびっしり付着しますよね。
この付着した凍結防止剤が、車のサビの進行を早めてしまう原因となります。
雪国の中古車にサビが発生するメカニズム
そもそも、サビは自動車の鉄の部品に「水分」が付着後、空気中の酸素が水分に溶け込み、鉄と化学反応を起こして発生します。
つまり、サビは「水分・空気・鉄」の3要素が揃えば発生する事になります。(参考:サビ発生のメカニズム-サカタ製作所)
では、なぜ凍結防止剤が車のサビの進行を早めてしまうのでしょうか?
凍結防止剤に含まれる「塩化物」が原因
凍結防止剤の主成分は「塩化カルシウム」や「塩化マグネシウム」などの「塩化物」です。
これらの塩化物は、吸湿性・保水性がある事から「除湿剤」なんかにも利用されています。凍結防止剤の塩化物の性質が、自動車にとっては害なのです。
なぜなら、自動車に付着した凍結防止剤は、空気中の水分を吸収・保水して、自動車の部品表面を水分たっぷりの状態にしてしまうから。
すると、どうなるか?サビができる「3要素」である「水分・空気・鉄」が揃ってしまいますよね。だから、雪国の車はサビが早く来てしまのです。
https://twitter.com/tkp_is350/status/848884903538073601?s=21
もちろん、全国どこでも降っている「雨」もサビを発生させる要因ですけどね。雨は「水分」ですから。
ただ、雪国の場合は、雨や雪が降っていない時でも「凍結防止剤」の影響で、サビが起こりやすい環境にさらされるので、サビの進行がその他の地域と比べて早くなるのです。
https://twitter.com/freestyle_walk/status/957084142646149120?s=21
雪国は凍結防止剤を道路に撒くから何も対策を施してない車や、施してたとしても車屋に言われて車検毎に施工したサビ防止剤では、このように見えない部分がサビで腐食しちゃう pic.twitter.com/TLwvTzTH11
— 222333 (@222333k6a) August 16, 2015
ちなみに、塩化マグネシウムは、海水にも含まれているので、雪国だけでなく海辺の車もサビが発生しやすいと言えます。

【参考知識】雪国(寒い地域)で利用した中古車の買取価格は下がるのか?
結論から言いますと、雪国で利用していた!というだけでは、おそらく買取価格は下がりません。ただし、実際にサビが発生しているなら、当然買取価格は下がります。
あと、査定士が「雪国だから、錆びやすいんだろうな」というイメージを持っていると少し低めの価格を付けられるかもしれませんね。
査定士も人間ですから、イメージに左右される事もあるでしょう。
しかし、しっかりとサビを発生させないようなメンテナンスを施していれば、買取価格の下落は抑える事ができるでしょう。
そのため、凍結防止剤が撒かれる冬場は、サビ防止の為に洗車をきっちりしておきましょう。
特に、凍結防止剤が付着しやすい「足回り」や「車の底」の部分は丁寧に洗車して、乾燥までやりましょうね。(完全に乾燥させるのは難しいですけど)
どうやって見分ける?雪国の中古車を回避する方法
ここまでは雪国の中古車について様々な知識を解説してきましたが、サビが深刻化している可能性が高いので、なるべくなら回避すべきだとご理解いただけたと思います。
ただ昨今では雪国で買取された車が首都圏はもちろんのこと、真反対に位置する九州・沖縄に販売されたりと中古車業者の販売ルートは広域化しています。
つまりは雪国で買い取りされた車をあなたが手に取ることも十分に考えられるのです。
雪国の中古車は説明してきた通り、サビがたくさん入っている可能性が高いので、なるべく避けたいもの。古い車であればなおさらです。
では一体どうやって雪国の車を回避することができるのでしょうか。
実は中古車販売サイト「カーセンサー」では、ある程度絞り込みをすることが可能です。
カーセンサーで雪国の中古車を回避する方法
まずカーセンサーのトップページにアクセスし、「メーカー→車種→地域」と絞り込みしていきましょう。
※画像出典:カーセンサー「絞りこみ機能」より
そうするとこのような絞り込み条件が出てくるので、青い丸で囲った部分をクリックし、さらに表示された絞り込み条件から「寒冷地仕様」の部分をクリックします。
※画像出典:カーセンサー「絞りこみ機能」より
ここまですれば、以下のように雪国で使われていた中古車をある程度絞り込むことができますよ。
※画像出典:カーセンサー「絞りこみ機能」より
もちろん寒冷地仕様の車の全てがサビだらけというわけではないので、注意しなくてはなりません。
「事故車である」という前提で絞り込むことも可能
先述したようにサビあまりにも広がってしまうと、修復歴車(=事故車)として扱われます。
修復歴車とは走行や強度に深く関係する内部フレームまで何かしらの損傷が及んでしまった車のこと

つまり「サビが深刻化した車=修復歴車」とみなし、中古車販売サイトの絞り込み条件を使って修復歴車を除外すればいいのです。
先ほど紹介した「カーセンサー」では、修復歴車かどうかを絞り込むことができます。
カーセンサーのトップページにアクセスし、「メーカー→車種→地域」と絞り込みしていきましょう。
※画像出典:カーセンサー「絞りこみ機能」より
そうすると先程と同じように絞り込み条件欄が出てくるので「修復歴なし」の部分をクリックしましょう。
※画像出典:カーセンサー「絞りこみ機能」より
こうすることによって、雪国特有のサビにやられてしまった車を避けることができます。
もちろん中古車を購入する時、販売店の方に「これは雪国の中古車ではないですか?」「ひどいサビは入っていませんか?」と聞くことも忘れないようにしてくださいね。
サビが深刻化した中古車を隠蔽する業者に要注意
ただ注意しなくてはならないのは、業者の中に雪国の中古車であるということを隠蔽する業者が紛れ込んでいるということです。
中古車のプロでない限り、車体にサビが広がっているかなんて知る由もありません。
それをいいことに最後まで隠し通そうとする業者が実際に存在するのです。
https://twitter.com/kibouvon/status/984702826755514368?s=21
バイクも車もそうだけど、走行距離なんて簡単にいじれますからね…車検証はちゃんと見た方がいい。そして、修復歴隠す悪徳業者もあるので、よーーーく見んだよ?
— ざこ (@kozzzza) February 16, 2016
実際にサビがあったとしても、直近では大きなトラブルに巻き込まれる事はありません。だからこそ黙って説明しない業者が存在するのです。
しかしせっかく大金を出して中古車を買うのですから、知らず知らずのうちにサビだらけの中古車を手に入れるなんて嫌ですよね?
だからこそ「優良な中古車業者だけ相手する」という観点が必要になってきます。具体的には「JPUC」に加盟した業者を使うと良いでしょう。
まとめ
以上、今回は雪国の中古車について様々な知識を紹介してきました。
雪国の中古車はサビが蔓延している可能性があるので、なるべくならば避けたほうがいい対象であるということをご理解いただけたと思います。
今後中古車を購入しようと思っている人は、是非今回の内容を参考にしてみてください。
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