金融車って買っても大丈夫?金融車ならかなり安いって聞いたけど…。
金融車とは、自動車ローンを組んで購入された車のうち、前購入者がローンを完済する前にやむ終えず売却又は手放し、ローンが残った状態で流通している中古車のこと
確かに金融車であれば、通常の価格よりも50%ほど安く販売されています。これだけ安ければ魅力的に感じますよね。
しかし実は金融車は名義変更ができない上に、車検にも通らない可能性があることをご存知でしょうか。
もしこの事実について知らなければ、安さだけに惹かれてしまい、とんでもない状態の車を手に入れてしまったかもしれませんよ?
しかし、ご安心ください。今回の記事では金融車の基礎知識を詳しく紹介している上、手を出しても良い金融車は何なのかまで紹介しています。
「金融車は安いのでちょっと気になっている」という人には必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
金融車とは
金融車とは、自動車ローンを組んで購入された車のうち、前購入者がローンを完済する前にやむ終えず売却又は手放し、ローンが残った状態で流通している中古車のこと
金融車と化すのは、信販系ローンやディーラー系ローンを組んだ場合です。
そして、金融車は「危ない金融車」と「安心できる金融車」に更に分類する事ができます。
金融車が「危ない金融車」か「安心できる金融車」のどちらなのかは、前購入者が車を売却又は手放した原因によって判断できますよ。
そんな金融車についてザッと表にまとめてみたので、参考にしてみて下さい。
危ない金融車 | 安心出来る金融車 |
---|---|
ローン会社以外が引き上げ | ローン会社が引き上げ |
名義変更不可 | 名義変更可能 |
多数のデメリット | デメリット無し |
一般的に金融車と言えばこちらを指す | 通常の中古車と同じ扱い |
ではそれぞれの金融車について、シンプルに解説していきましょう。
危ない金融車とは
危ない金融車とは「ローンが完済されておらず、所有権もローン会社のままで、なおかつ名義変更もできない車」の事を言います。
たとえば、以下のような事項が発生した場合に「危ない金融車」となってしまう事が多いです。(ローンが完済されていない状態で、以下のような事項が発生した場合に限る)
- 前使用者が金融車買取店に車を売却した
- 車を担保にしていた借金の返済が滞り、担保としていた車が取り上げられた
- 自動車ローン以外の借金の返済が滞り、車が代物弁済に充てられた
上記以外にも原因は考えられますが、共通するのは「自動車ローンを組んでいる会社以外の第三者に車が売却・手放されている」という部分です。
返済が滞った場合、所有権を持っている信販ローン会社等が該当の車を処理しますが、上記のような要因が発生すると、ローン会社を経由する事なく、車が処理される事となります。
こういう状態にある金融車(危ない金融車)は、名義変更をすることができません。ローン会社が所有権を手放していないからですね。
【補足知識1】危ない金融車のメリット・デメリット
金融車のメリットは1つしかありません。金融車の唯一のメリットは「安く購入できること」です。一般的な中古車の相場よりも、およそ50%ほど安い販売価格が設定されています。
しかしメリット以上に様々なデメリットが発生します。具体的には以下の通り。
- 保険会社によっては任意保険に加入できない
- 車検に通らなくなる可能性がある
- 永久抹消登録(廃車手続き)をする事ができない
「安い」という魅力的な部分はありますが、これだけのデメリットがありますから「危ない金融車」と言えるわけです。素人が手を出すべき車ではありません。
【補足知識2】危ない金融車を正常化するには?
前購入者が自動車ローンを完済すれば、名義変更は可能になります。つまり「危ない金融車」が普通の中古車になってくれるというわけです。
ただ、金融車になった原因を見れば分かると思いますが、前購入者は車を手放さなければならないほどの借金を抱えている人です。
そのため、自動車ローンが完済される確率は低く、名義変更はできないものと考えておいた方が良いでしょう。
【補足知識3】危ない金融車は高級車が多い
危ない金融車はベンツやBMW・レクサスなどの高級車が多く出回っています。
高級車は現金一括購入のケースも多いですが、事業者や法人がローンを組んで乗っている事も同じ位多いです。
つまりはその事業者・法人がローン支払えなくなってしまい、危ない金融車と化しているわけですね。
【補足知識4】危ない金融車を販売するのは危ない業者?
俗に「闇金」などと呼ばれる、違法金融機関が金融車を販売していることも少なくありません。
特に多いのは、法人を相手にした闇金です。年利が20%前後の違法金利で貸付をし、不払いがあったら問答無用で強制的没収。その後、金融車として売りにだしています。
しかし検閲が厳しくなった昨今では撲滅傾向にあり、闇金がらみの金融車もかなり少なくなってきました。
安心できる金融車とは
「安心できる金融車」とは、自動車ローンの返済が不能になった事が原因で、ローン会社に引き上げられてしまった中古車の事を言います。
危ない金融車との違いは「ローン会社が引き上げたのか」それとも「ローン会社以外の第三者が引き上げたのか」の部分ですね。
共通点は、どちらもローンの返済ができなかった事が原因で中古車市場に流通したという部分です。
ローン会社はローン残債を少しでも多く回収するために、名義変更に必要な書類を一式揃えて当該車両を売却します。
危ない金融車として売却するメリットは、ローン会社に1つもありませんからね。
安心できる金融車は「ただの中古車」
名義変更が可能な訳ですから、中古車市場では通常の中古車と同じように扱われます。
つまり、安心できる金融車は「ただの中古車」であり、危ない金融車のようなメリットもデメリットもありません。
この事から、一般的には金融車と言えば「危ない金融車(名義変更ができない中古車)のみ」を指す事が多いです。
金融車と同じくらい安い車を探す方法とは
ここまで金融車について様々な知識を紹介してきました。基本的に金融車は避けるべきだということを理解していただけたと思います。
金融車がヤバイことはわかったけど、何とか金融車と同じくらい安い車が手に入る方法はない?そんなに予算が無いのだけど…
確かに危ない金融車ではなくても、安い車を手に入れることができます。
ただし、相場よりも安い車となると、やはり何かしら問題があるもの。安くて完璧な中古車なんて存在しません。
つまりは、ある程度のリスクを許容した上で、安い車を購入するということになります。
では具体的にどんな車かというと、走行や強度に問題のない部分を損傷してしまった車になります。
こういった車は「修復歴車」という扱いをされている車なので、相場よりも安くなりますよ。
金融車より安くて問題のない車の条件
損傷していたとしても、走行や強度に問題のない部分は、以下のようになります。
※画像出典:佐藤秀樹「中古車選び完全マニュアル」より
エンジンルームの車の前方から「約3分の1」くらいまでが目安ですね。具体的には、ラジエーターコアサポート、フロントフェンダーインナー先端までが許容範囲です。
なお、このような車は、「グーネット」でカンタンに見つけられますよ。
上記のようにグーネットのトップページから、「車種」→「地域」へドンドン絞っていきます。
そうすると、絞り込み画面が出てくるため、青丸の部分をチェックをしてみてください。
すると過去に軽傷の傷を受けた車だけが、一覧として表示されます。
そして、この中から気になる中古車を探し、業者に「修復歴ありと書いていますが、一体どこを損傷したのですか?」と聞いてみてください。
これで「強度や走行に問題もない部分」だけを損傷しているかどうかを確認できますよ。
この方法を使えば、危ない金融車でなくても、相場よりも安い中古車を手に入れることができるでしょう。
まとめ
金融車は安く買うことができますが、安くなっている金融車にまともな車はないことを理解していただけたと思います。
もし金融車について気になっているのであれば、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。
以上「金融車とは?危ない金融車と買っても良い金融車の違いを解説」でした。最後までお読みいただき、ありがとうございます。