中古車購入前に知っておくべきチェックポイントについて、気になっていませんか。
せっかく中古車を購入するのですから、後々に故障が発生したりするような、質の悪いものなんて買いたくないですよね。
しかし素人にとっては、中古車のどんなところをチェックすればいいかなんてわからないもの。
そこで車の専門家である筆者が、中古車購入前に絶対にチェックしておくべきポイントを厳選して19つにまとめました。
ピックアップしたポイントは後々に故障するような中古車を、事前に見抜くチェック要素です。
すべてのチェックポイントを満たした中古車を購入すれば絶対に後で後悔するの事はありませんのでご安心を。
中古車を購入しようと思っている人には必見のチェックポイントとなっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【先に結論】中古車購入前の19つのチェックポイント
中古車だからこそ念入りなチェックは絶対に行っておくべきです。
「粗悪な車ではないのか」「質の高い車なのか」をチェックするためにチェックすべきポイントがあります。
具体的には以下のようなポイントを意識して、チェックするようにしてください。
- エンジンがちゃんとかかるか
- エンジンから異音がしないか
- マフラーから最初に黒い煙が出るか
- 運転中にガタガタ揺れないか
- 加速がスムーズか
- 発進・停車に違和感がないか
- シフトを変速時にガクッとしないか
- シフトレバーが固すぎないか
- レバーにガタつきがないか
- アクセルの踏み込み具合に違和感がないか
- ブレーキを踏んだときに変な音がしないか
- ブレーキを踏んだときにハンドルがぶれないか
- ハンドリングが重すぎないか
- ハンドルの左右の曲がり具合に差がないか
- 走行フィーリングが自分の感性と合うか
- 納車時に自分の目でチェックしたか
- 修理状況やオプションに問題はないか
- 契約書の内容に問題はないか
- 口約束はしていないか
- 有料サービスを無料と勘違いしていないか
- 請求された諸費用に問題はないか
- 車検等の書類に抜けはないか
- 保証書がちゃんと付いてきているか
それではそれぞれのチェック項目について、以下のようにわけて紹介していきましょう。
- 展示場で確認すべきポイント
- 試乗でチェックすべきポイント
- 契約を交わす前にチェックすべきポイント
- 中古車が納車された時のチェックすべきポイント
中古車展示場で確認すべきチェックポイント
まずは中古車の展示場で絶対に確認すべきチェックポイントについて紹介していきましょう。
グーネットや価格コム経由などで会うであろう、営業マンの方にお願いして、必ずチェックするようにしてください。
ポイント1.「エンジン」
質の悪いエンジンをつかんでしまうと、最悪の場合、使用から1ヶ月たたずに廃車になったりします。
廃車までいかなくても、修理代として30~40万円はかかりますから、しっかりチェックしておきましょう。
なにはともあれ、まずはエンジンが一発でかかるかが重要です。
かからない場合は即アウトです。購入検討から外した方がいいでしょう。
異音がするかどうかも要チェックです。
しばらくアイドリングして音のチェックをしてください。
一定のリズムで乾いた音がしていればいいですが、突然耳に付くような異音が聞こえたら、何かしらのトラブルを抱えている可能性大です。
ポイント2.「マフラー」
エンジンをかけたら、すぐに車から出て、マフラーから出ている煙を見てみましょう。
黒い煙が出た後に徐々に色がなくなっていくのが正常ですが、最初から白い煙ならアウトです。
中古車の試乗で確認すべきチェックポイント
昔の中古車販売店はかたくなに試乗することを拒んでいる業者が多かったのですが、昨今ではそのような事情は一変しています。
中古車を購入する人は「多くの情報を手に入れてから買いたい」というニーズがあるため、中古車でも試乗可能にしておくのが、常識とも言える状況になっています。
中古車販売店によっては、試乗そのものはできるものの、来店してすぐに試乗できないケースがあるので注意が必要です。
そのため、確実に試乗したいのであれば、中古車販売店に事前に連絡をすることをオススメします。
ポイント1.「乗り心地」
走行中に必要以上にガタガタと揺れているのは問題ありです。
平面を走行しているのにやたらと揺れていたら要注意ですよ。
加速がスムーズかどうかも要チェックです。なかなか速度が上がらないなら、エンジンやクラッチなどに問題アリです。
また発進・停止する時に違和感がないかどうか、自動でギアチェンジされる時にガクッとしすぎていないかチェックするのもお忘れなく。
ポイント2.「シフト」
シフトチェンジをするとき、レバーがなめらかにうごくかチェックしましょう。
「P」から「D」、そして「N」と動かして、シフトレバーが固すぎないか見てみます。あまりにも固すぎると異常がありますよ。
またシフトレバーそのものが揺れてないかも確認してください。
カタカタと揺れている場合は、前のオーナーが酷使しすぎている可能性があります。
ポイント3.「アクセル」
アクセルを踏んでいて、力の伝わり具合をチェックします。
あまりにも重いと運転していて辛いので考え物ですね。
アクセルの踏み心地は運転のストレスに直結するので、自分の感性と相談しながらチェックしていきましょう。
ポイント4.「ブレーキ」
ブレーキを踏んだ時に「キーッ」といった変な音がしないかチェックしましょう。異音がすると、絶対に問題があります。
またブレーキを踏んだときに、ハンドルが左右に持っていかれるのであれば大問題です。
ここぞというときにハンドルがとられ、大事故を起こす危険性があります。
ポイント5.「ハンドリング」
ハンドリング操作がしやすいかは重要なポイントなので、なるべくコーナーを通って確認しましょう。やたら重い場合は問題アリです。
さらに左右の曲がり方に差異があるかどうかも、確実にチェックしておきましょう。
もし違いがあるならハンドリング系統の機構に問題ありなので、違う車を検討した方がいいかもしれません。
契約を交わす前にチェックすべきポイント
テンションがかなり上がっているタイミングでしょうが、安心してはいけません。
契約前だからこそ、確認しておくべきポイントがあります。
ポイント1.「契約書の中身」
中古車の注文書(契約書)には、主に以下の様な情報が記載されています。
- 車名
- グレード
- 型式
- 車台番号
- 品質 ※
- 金額の明細
- 支払条件
- 保証の有無
- ローン支払の情報
- 納車予定日
- 下取車の明細
- 特約事項
※:品質には、走行距離や初度登録年月、定期点検整備記録簿の有無、修復歴などの情報が含まれます。
結構色々な情報が記載されていますね。注文書は大体の場合字が小さいですし、さらっと読み流したくなる気持ちも分かりますが、重要なのでしっかりとチェックする事が必要です。
以下で、注文書(契約書)にサインする前にチェックしておきたい事項を紹介していきます。
欲しい車と同じか?
車名やグレードはもちろんですが、車検証に記載されている型式と車台番号が合っているかも確認する様にしましょう。
滅多に無い事ですが、注文した車と違う車が納車されるというトラブルが有る様です。納車されてから気付いても後の祭りとなる可能性が高いので、事前に必ずチェックしましょう。
走行距離の確認
走行距離については、たまに注文書上「?」と記載されている事があります。
これは、メーターが改ざんされていたり故障などによって、販売店としては正確な走行距離が把握出来ていない事を意味します。
メーターが改ざんされている車はすぐに故障する可能性が有りますし、そんな車を平然と売る販売店で車を購入する事はオススメ出来ません。
「?」がどういう事なのかは、必ず担当者に確認する様にしましょう。
料金が合っているか?
注文書には、中古車の代金について事細かに記載がされているのですが、意外にも金額の間違いがよく有ります。
特に間違え易いのが(意図的なケースも有りますが)、自動車税です。
年度の途中で購入した場合は、登録翌月(車検が残っている場合は、購入時)から3月末までの分を支払う事になるのですが、1年分請求されている事が有ります。
また、自動車取得税についてはおおよそ新車登録から6年経つとゼロになるのですが、注文書上金額が記載されている事が有ります。
他にも、「車検が残っているのに自動車重量税欄に金額が記載されている」、「法定預り費用などの消費税がかからない項目にまで、消費税が上乗せされている」といった間違いが有ります。
注文書に記載されている金額を鵜呑みしてしまうのではなく、1度自分でしっかりと計算してみた方が良いでしょう。
特約事項も忘れずに
通常は、注文書の裏側に特約事項として色々な補足が書かれています。小さい字でさらに文字数も多いので、読むのが嫌になるかもしれません。
しかし、特約事項には手付金に関する事項や瑕疵担保責任など重要な話が記載されています。必ず1度は全部読む様にしましょう。
ポイント2.口約束はNG
中古車を購入する際に良く有るのが、修理やアフターケアの口約束です。
「購入してくれたら、キズは全部補修しておきます。」「バッテリー交換はサービスでしておきますね」といった口約束は注意が必要です。
こういった口約束は、後で言った言わないのトラブルになりかねないので、交渉時に口約束した事が有れば必ず注文書に織り込んでもらう様にしましょう。
悪意を持って約束を無下にする方もいますが、販売店のスタッフは日々多くの客とやりとりしているので、うっかり忘れてしまっている事も有ります。忘れない為にも書面として残す事が重要です。
スタッフに「細かい人だな・・・。」と思われるかもしれませんが、ほんの小さな条件でもしっかりと書面に残してもらった方が良いでしょう。書面に残っていない事は、後々知らないと言われても仕方ないですからね。
ポイント3.無料とは限らないサービス
「サービス」という言葉を聞くと、つい無料でやってくれると勘違いしがちですよね。また、「これは直しておきますね〜」とか軽く言われると、当然の様に無料だと思ってしまいます。
もちろん、言葉通りに無料でやってくれる販売店もいるでしょうが、単純に「(有料だけど)やっておきますね」という意味の場合が有ります。
納車時に別途請求書を渡されたり、見積書に工賃が上乗せされてたりして驚かない様に、お互いの認識に違いが無いかは、しっかりと確認をしておく事が必要ですね。
ポイント4.諸費用の最終チェック
車の購入には、本体価格以外にも整備費用や法定費用などの諸費用が必要です。
法定費用については店毎の差は無い(※)ですが、整備費用や納車費用などは販売店によって金額が異なります。
※:上述した様に、金額が間違えている事が有りますし、中には意図的に上乗せしている悪徳業者もいます。
「あの販売店に有る、あの車じゃないと絶対に駄目だ!」という場合は仕方ないですが、そうでなければ他の販売店にも行って、同程度の車で総支払額や補償面等がどれくらいになるのか比較した方が良いでしょう。
中古車が納車された時のチェックすべきポイント
納車前になっても、気を抜いてはいけません。
まだまだ確認しておくべきチェックポイントはありますよ。
さっそくチェックしていきましょう。
ポイント1.納車時は自分の目で見る
先述したように納車日に自分で販売店まで取りに行く場合もあります。
その際にはあまり関係無いですが、中には販売店に納車費用を払って自宅に届けてもらう方もいますよね。
しかし、自分がいない日を納車指定日にするのはやめた方が良いです。
家族がいれば受取自体は出来ますが、納車時に自分で色々チェックをしておかないと後々トラブルが発生しかねませんよ。
納車時に自分でチェックをしなかった場合に発生しがちなトラブルとしては、外装に関するものが多いです。
「販売店で契約した時点では大きなキズが無い事をしっかりとチェックしたのに、納車後に見たら大きなキズが付いていた」というケースですね。
先述したように購入から納車までは大体1〜2週間程度かかる事が多いですが、その間に付いたキズなのか納車後に付いたキズなのかは、判断がとても難しいです。
従って、納車時にしっかりと担当者と一緒にキズの最終チェックをする事が重要ですね。
ポイント2.修理状況やオプションは大丈夫?
車の購入時に、直してもらう事になっていた箇所や追加のオプションがある場合は、それらの作業がしっかりと完了しているかどうかを確認しましょう。
滅多に無い事ですが、作業を忘れられていたというケースもあるので、忘れずに!
ポイント3.車検等の書類はある?
納車時には、以下の画像のような「車検証」や「自賠責保険証明書」、「リサイクル券」などの様々な書類を受け取ります。
- 車検証
- 自賠責保険保険証
- リサイクル券
車検証の名義人や住所が合っているか、また、自賠責保険証書等の書類が一通り揃っているかを確認しましょう。
【自動車検査証】
【自賠責保険書(自動車損害賠責任保険証明書)】
【リサイクル券】
なお、大抵は以下の画像のように、取扱説明書や車検証などを1つのファイルにして渡されます。あまり綺麗な画像ではなくてすいません(汗)
「全部入れてますので」とさらっと説明されて渡されるかもしれないですが、内容物を1つずつしっかりと確認しましょうね。
ポイント4.保証書はちゃんと付いている?
中古車を買う際には、後々トラブルが発生しない為にもしっかりと保証を付けてもらい、以下のような保証書として書面でもらう事が重要です。
保証書は納車時に受け取る事が多いので、受け取ったら必ずすぐに内容をチェックしましょう。
また、保証内容等で疑問が有れば、納車時に担当者に確認する様にしましょうね。
【総評】全部チェックできないなら2つだけ意識する
中古車購入前に先述したチェックポイントを確認していくべきですが、ひとつひとつで確認していくというのは少し難しいところでもあります。
担当スタッフと話しているとついつい忘れてしまいがちですし、事前にメモをしていても試乗運転中などに確認するのは安全上よろしくありません。
そのため、最低限チェックしておくべきポイントだけを意識しておきましょう。具体的には以下の通り。
- 何か危ないと感じるポイントがあるかどうか
- 乗り心地がいいか(フィーリングが合うのか)どうか
この2つだけを押さえておくだけでも、チェックしておく意味が十分にあります。
普通の車ではありえないような音が鳴ったり、揺れがしたりする場合は、絶対に何か問題があります。
またそのような問題がなかったとしても、乗り心地が悪いと問題アリです。その後購入したとしても、ストレスしか残りません。
デザインが良かったとしても、乗り心地が悪ければ早い段階で手放すことになるため、ストレスなく運転できるかどうかというところも重要視してください。
まとめ
今回、中古車の試乗について深掘りしてきました。
もし試乗をするのであれば、上記で解説してきたポイントを意識して乗ってみてください。
意識しなければいけないポイントは多いですか「乗り心地は良いのか」「危ないと思うポイントはないのか」という2点を意識するだけでも、ずいぶん違ってきますよ。
本気で中古車を買おうと思っている人は、今回紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
以上「【プロ直伝】中古車の状態がわかる19つのチェックポイント!購入前に必ず確認しよう」でした。