車査定の「T-UP」ってトヨタの会社なんでしょ?やっぱりあの「トヨタ」だから、信頼性が違うよね。愛車を売る相手としては最適かも。
あなたの大事な車を売ろうと検討中なのであれば、トヨタの車査定業者である「T-UP」を売却先として使おうと思っていませんか?
T-UPといえば、日本を代表する企業「トヨタ」が設立した買取専門業者のため「ここなら安心できる」と思って売却先に選ぶ人が多いです。
T-UP側も大々的に「高価買取」とアピールしていますから、当然買取価格も高くなると思ってしまいがちです。
しかし実はT-UPで買取査定を依頼すると、そこまで高い金額にならないことをご存知でしょうか?
もちろん車種や売却のタイミングによっても変わってきますが、T-UPに売却すると他社に比べて以下のような結果になります。
比較項目 | 大手買取業者R社 | 大手買取業者A社 | T-UP |
---|---|---|---|
金額 | 30,000円 | 63,000円 | 30,000円 |
査定時間 | 1時間 | 1時間半 | 15~20分 |
拘束時間 | 1時間半 | 1時間半 | 15~20分 |
接客態度 | 拘束時間は長く、多少のしつこさがあるが接客態度は素晴らしい | ムダなセールスは一切なし。ただし査定する時間があまりにも長すぎる | セールストークは一切なし。気遣いが感じられる細やかな接客が受けられる |
備考 | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | 3万円にリサイクル料・自動車税(普通車のみ)の還付金が追加される |
ただ、T-UPには買取金額だけではない「T-UPだけの良さ」ともいえる要素もあります。
「買取金額はそこまでこだわらないので、接客をしっかりして欲しい」「説明をちゃんとしてほしい」と思っている人にとっては、T-UPが大きな力になってくれることでしょう。
このように、T-UPにはネットでは公開されていない情報がまだまだたくさんあります。
知らないことが多すぎる状態で、T-UPに行こうとしていた自分を振り返るとぞっとしてきませんか?
そこで今回の記事では、まだネットでは明らかにされていないT-UPの査定について知られざる実態を検証・解説していきます。
実際に筆者が経験して得たリアルな知識なので、T-UPを検討している人にとっては、大きな力になってくれることでしょう。
トヨタが運営する車査定・買取業者「T-UP」の基礎知識
この章ではまず「T-UP」の車買取業者としての基礎知識を解説していきます。
T-UPの買取査定の実態について先に知りたいという人は、次の「T-UPの買取査定を実際に検証」まで飛ばしてもらって構いません 。
T-UPの会社概要
車買取業者「T-UP」は定期的にCMを流していますが、現時点ではお笑い芸人の爆笑問題さんを採用していますね。
そんなT-UPですが、会社概要としては以下のような感じです。
会社名 | トヨタ自動車株式会社 |
---|---|
ブランド名 | T-UP |
URL | https://toyota.jp/t-up/ |
本社 | 本店:愛知県豊田市トヨタ町1番地 |
東京本社:東京都文京区後楽一丁目4番18号トヨタ自動車東京本社ビル | |
設立 | 1937年8月 |
店舗数 | 3,600店舗 |
T-UPは、トヨタ自動車のU-car事業部が系列のディーラーと連携して運営しているものなので、実際にT-UPという買取の会社がある訳ではありません。
なお、T-UPはトヨタの系列店が運営しているのですが、トヨタの販売店は、取扱車種によって以下の4種類に分かれ、主要地域毎に店舗を統括する会社(例えば、東京のトヨペット店は「東京トヨペット株式会社」)があります。
- トヨタ店
- トヨペット店
- カローラ店
- ネッツ店
ちなみに、TーUPの店舗には下のCMで登場する赤い鳥がマスコットとして置かれています。
公式ホームページにも登場しますが、「あ!買い取り(赤い鳥)」というダジャレから来ています。
但し、ダジャレだけでなく、「新車を売りっぱなしにせずに中古車を買い取ってU-Car販売店で売り、再流通をする」というイメージ(赤い鳥=フェニックス=不死鳥)も含まれています。
参考:大きな鳥にはトサカが5本有りますが、これは「トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店・レクサス」の5チャネルを表している様です。
基本的に来店してもらったうえでの買取査定だけを専門とし、販売は行っていません。
中古車買取としては「ガリバー」と並ぶ最大手と言っても過言ではありません。
実際に店舗数では3,600店舗と業界ナンバーワンで、山梨県・石川県・鳥取県・香川県の4件以外では全国各地にT-UPの店舗があります。
T-UPの店舗は独立して立地していることもありますが、トヨタ系のディーラー店舗と一緒に併設されていることも。
なお、「T-UP」とは「Toyota Used car Purchase」の頭文字が由来で、直訳で「トヨタ中古車買取」となっています。
T-UPは人気オリコンランキング6位
T-UPが既存の利用者からどれくらいの評価を受けているかは「オリコン日本顧客満足度ランキング」でチェックすることができます。
オリコンの「車買取会社ランキング」を見てみると、以下のような結果になっていますよ。
※出典:オリコン「車買取会社ランキング」より
このようにT-UPは、ランキング6位と「上位入賞」ともいえる順位を維持しています。
6位という結果ではありますが、上位の業者とはそこまで差がないため、今後T-UPが3位に上昇することも十分に考えられますね。
トヨタ「T-UP」の車査定を実際に体験!いくらになった?
ここまでT-UPについて基礎的な知識を紹介してきましたが、正直言ってネットならどこでもわかるような知識ばかりです。
T-UPについて「ありきたりの情報」ばかりを紹介していても、意味がありません。
T-UPは車の買取に重きをおいている業者なのですから、どのような流れで査定をするのか、どんな金額を付けるのかを知っておくべきでしょう。
そこで今回は本当にT-UPに行って、どのような査定になるのか、どんな査定金額になるのか検証してみました。
※画像出典:「パンダ店長が教える 車買取・中古車販売バイブル」より
どのような流れでT-UPが査定してくれるのか、シンプルに流れをまとめると、以下のようになります。
- 車検証を渡す
- アンケートを書く
- カギを渡して車のチェック開始
- 車のチェックが終わるまで待つ
- 車に対する聞き取り調査
- 車のチェック結果を査定額に落とし込む
- 査定額の発表
なお、査定後の結果を他社と比較してみると、以下のような感じになりましたよ。
比較項目 | 大手買取業者R社 | 大手買取業者A社 | T-UP |
---|---|---|---|
金額 | 30,000円 | 63,000円 | 30,000円 |
査定時間 | 1時間 | 1時間半 | 15~20分 |
拘束時間 | 1時間半 | 1時間半 | 15~20分 |
接客態度 | 拘束時間は長く、多少のしつこさがあるが接客態度は素晴らしい | ムダなセールスは一切なし。ただし査定する時間があまりにも長すぎる | セールストークは一切なし。気遣いが感じられる細やかな接客が受けられる |
備考 | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | 3万円にリサイクル料・自動車税(普通車のみ)の還付金が追加される |
今回査定してもらったのは2008年式「ムーブ」(ダイハツ)であり、地方の店舗での検証です。
そのため査定してもらうタイミング、車種、店舗によっては、今回の検証結果とは違ってくる可能性も考慮するようにしてください。
ではT-UPに査定してもらった時の具体的な流れについて、見ていきましょう。
流れ1.車検証を渡す
T-UPに着くと、お客様駐車場までスタッフが来てくれます。
最初から最後までこのスタッフが相手をしてくれるのですが、他の買取業者と比べても挨拶や受け答え等がかなりハキハキしていましたね。
「車検証を貸していただいてもよろしいでしょうか」と尋ねてきて、「なぜ車検証を借りるのかというと、車体情報を確認させてもらうためです」という説明まで受けました。
今まで車検証を渡した買取業者は数々ありましたが、なぜ車検証を預かるのかについて説明してもらった業者は1社もなかったため、かなり新鮮な気持ちになりましたね。
流れ2.アンケートを書く
お客様駐車場から店内にある席に案内され、スタッフは1度奥に下がり、名刺とパンフを持ってきて改めて挨拶をしてくれます。
そして、以下のようなアンケートを渡され「査定の準備をしてくるので、一度席を外します」とまた奥へと行きました。
※画像出典:「パンダ店長が教える 車買取・中古車販売バイブル」より
流れ3.カギを渡して車のチェック開始
1分も経たずにスタッフは帰ってきて、「今から車の中をチェックしてくるので鍵を貸してくれませんか」と言われます。
鍵を渡す理由についても何も言わずに鍵を持っていく業者がこれまで多かったので、このような何気ない一言にも丁寧さを感じましたね。
また「社内に貴重品は無いかどうか、再度ご確認をお願いします」ということで、もう一度車内まで一緒に行くことになります。
これについても他の業者ではやったことがなかったので、非常に新鮮に思いました。
流れ4.車のチェックが終わるまで待つ
スタッフから「暑いので店内にてお待ちください」と言われ、わざわざお客様駐車場から店内から査定している場所が見えるところへと車を移動して、車のチェックが始まります。
※画像出典:「パンダ店長が教える 車買取・中古車販売バイブル」より
査定をするところをあまり見て欲しくないというような買取業者も多いため、T-UPは客の気持ちに対する気遣いを非常に徹底しているなと思いましたね。
やっぱり車をチェックしているところを隠されると不安になりますからね・・・。
なお今まで接客してくれたスタッフがそのまま車のチェックに行き、ボード片手に一つ一つチェック項目を確認していくといった感じでした。
待ち時間としておよそ10分かからないといったところで、本当にサクッと終わります。
流れ5.車に対する聞き取り調査
車のチェックが終わったようで、スタッフが店内に帰ってくると、そのまま筆者の目の前に着席し、今回チェックした車の聞き取り調査を行います。
聞き取りの内容としては、以下のとおり。
- 今、車を走らせて悪いところはあるのか
- 以前修理したことがあるか
- 事故にあった事はあるか
- 中古車で買ったのか、それとも新車で買ったのか
- 中古車なら前オーナーが修復や事故がしたか聞いてないか
これらの質問について答えたら、余計な接客をすることなく「情報の入力をしてくるので、もうしばらくお待ちください」とスタッフが席を立ちます。
流れ6.車のチェック結果を査定額に落とし込む
先ほど車を実際に見てチェックしたところを、スタッフがパソコンに入力していきます。
何かしらの計算ソフトをつかっているのか、キーボードを打つ音が聞こえなくなってすぐに「査定の結果が出ました」とスタッフがやってきます。
このデータ入力から出力までの待ち時間もおよそ4~5分といったところで、非常にスピーディーでしたね。
流れ7.査定額の発表
気になる査定結果ですが「30,000円」という結果になりました。
査定書が出ることなく、口頭での発表です。
ただ「実際に売る場合は30,000円ではなく、リサイクル料が追加されるため39,800円の入金はなります」とのこと。
他の買取業者を幾度となく行ってきましたが、リサイクル料については「コミコミ」という提示が多くて、「別途入金します」という業者は一切ありませんでした。
もともとの買取金額とリサイクル料を別に説明されて、最終的な入金額を説明されたのは初めてです。
なお「今回は軽自動車の売却のため、自動車税の還付(返金)はなく、買取分と入金されるのはリサイクル料だけです」という説明もきちんと受けたのも好印象でした。
ただ金額的には他の買取業者に比べると、中堅といった金額でしたね。
この後、何かしらのセールスをされることなく、「売る気持ちが固まれば、また改めてご連絡をください」とT-UPから送り出してもらうことになります。
【総評】スピードと接客の丁寧さが魅力だが買取金額に不満あり
今回T-UPに行って、ものすごく感じたのは「他社と違うところが多々あるな」ということ。
最も印象に残ったのは、説明が丁寧という点です。
何のためにこれをするのか、何に使うために預かるのかというところをしっかりと説明してくれたため、不安に思うところが一切ありませんでした。
また査定結果が出るまでの時間が、めちゃくちゃ早いというのもプラスポイントです。
買取業者の中には査定結果が出るまで、1時間以上拘束する会社がざらにあります。
しかしT-UPは査定そのものも早かったですし、無駄なセールスもなかったので実際にT-UPに居た滞在時間は20分たらずでした。
また買取金額とリサイクル料が、別々で説明されていたのも非常に印象的でしたね。
多くの業者は「コミコミ」で済ましてくるにもかかわらず、T-UPだけはキッチリと説明していました。
T-UP最大の弱点は「買取金額」
T-UPの残念な点を挙げるとしたら、やはり買取金額でしょうか。
筆者は幾度となく買取業者を回っていますが、残念ながらT-UPよりも高い金額をつける会社を複数知っています。
つまりは、買取業者の中でトップクラスに金額が高いと言う訳では無いので、買取金額だけを目的にT-UPに行くと、肩透かしを食らうかもしれません。
T-UPは説明の丁寧さや査定のスピーディーさなど、他の業者に比べて圧倒的に優れているところがあります。
ただハッキリ言って、車を買取してもらううえで重要なのは買取価格です。
その点において、T-UPは圧倒的な数値を出せませんでした。
そう考えると「T-UPだけに査定依頼をしてもらえば良い」なんて言うことはできません。
T-UP以外の業者にも査定してもらって、複数業者の査定結果を比較していくことが必要不可欠になるでしょう。
ただ、多くの業者を一緒に車まで査定してもらうのは非常に面倒・・・。
そういった時に役に立ってくれるのが「車一括査定サイト」です。
車一括査定サイトは、ネットを使った一度の申し込みで、複数の業者に査定が依頼できるサービス
仕組みとしては、以下のような感じになります。
このようにあなたの査定依頼を一括査定サイト側が代行して、複数の業者に拡散してくれるというわけです。高価買取を狙うなら、ぜひつかってみてください。
まとめ
今回T-UPがどのような買取業者なのか「真の姿」を知るべく、実際に査定をしてもらいました。結果としては、以下の通り。
比較項目 | 大手買取業者R社 | 大手買取業者A社 | T-UP |
---|---|---|---|
金額 | 30,000円 | 63,000円 | 30,000円 |
査定時間 | 1時間 | 1時間半 | 15~20分 |
拘束時間 | 1時間半 | 1時間半 | 15~20分 |
接客態度 | 拘束時間は長く、多少のしつこさがあるが接客態度は素晴らしい | ムダなセールスは一切なし。ただし査定する時間があまりにも長すぎる | セールストークは一切なし。気遣いが感じられる細やかな接客が受けられる |
備考 | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | リサイクル料等は買取金額にコミコミなので追加金額はなし | 3万円にリサイクル料・自動車税(普通車のみ)の還付金が追加される |
買取金額はそこまで高くはならないものの、スピード感のある査定で、非常に丁寧な接客を受けることができました。
査定してもらう一社としては魅力があるので、複数社の査定をもらう際は選択肢のひとつとして採用するといいでしょう。
以上「トヨタの車査定・買取業者「T-UP」の実態を専門家が検証!良いとこもあるけど金額に不満」でした。