ガソリン税(正式名称:揮発油税及び地方揮発油税)って高すぎると思いませんか?レシートを見て、ため息を付いた事がある人もいるでしょう。
そこで、今回の記事では「ガソリンにかかる税金」について解説していきたいと思います。
ガソリンにかかる税金
ガソリン価格に含まれる税金は、以下のようになっています。
- ガソリン税(本則税率と暫定税率)
- 石油税(地球温暖化対策税含)
- 消費税
図で表すと以下のようになります。
* 東京都の平成27年5月時点のガソリン価格144円/Lの場合
本体価格77円に対して、税金部分は合計で67円です。実に、本体価格の約87%の税金を払っていることになります。とても高いですね。しかも、将来的には消費税が10%になりますので、私達の負担は更に大きくなります。
以下、それぞれの税金について詳しく見て行きましょう。
ガソリン税
ガソリン税(正式名称「揮発油税及び地方揮発油税」)は、本則税率と暫定税率から構成されています。それらの価格は固定額となっていて、それぞれ本則税率が28.7円、暫定税率が25.1円とされています。
なお、軽油の場合は本則税率が15円、暫定税率が17.1円となっており、これらに消費税はかかりません。
ちなみに、沖縄県のガソリン税は本土のガソリン税より7円減免されているので(沖縄特有の税金の関係で小売価格としては5.5円の減免)、非常に安いです。
但し、ガソリン税が安いからと言って、必ずしも沖縄県のガソリン小売価格が全国で一番安い訳でも有りませんけどね。(ガソリン価格が地域毎に異なる理由)
暫定税率はいつ廃止されるの?
「暫定」という言葉が付いているので、いつかは終わるんじゃないだろうか?と思わせてくれる「暫定税率」。しかし、この暫定税率、実は1974年からずっと課税され続けているんです。
元々の暫定税率を定めた租税特別措置法の期限は、「2007年度末」まででしたので、本来であればその時に暫定税率は終了し、ガソリン価格は下がるはずでした。当時の国会で、民主党が暫定税率の廃止を求めていたことを、覚えている人も多いでしょう。
しかし、暫定税率部分を廃止すると、政府の税収は地方と合わせて約2兆7千億円減少すると言われています。日本全体の税収が約50兆円(平成26年度予算案)と言われていますから、ガソリン税の暫定税率部分だけで、その約5%を占めています。
慢性的な財政赤字に苦しんでいる政府が、敢えて暫定税率を廃止する理由は無いでしょう。現在のところ、ガソリンは一般ドライバーにとって替えの効かない資源(*1)ですから、急激に税収が減少することもなく、政府にとって収入を確実に計算できるドル箱税金ですしね。
*1 電気自動車や水素自動車などの次世代エコカーの登場でガソリンの使用比率が、将来下がる可能性は大いに有りますが、まだまだ主流はガソリン車です。
ガソリン車に乗っている人は、高い税金をかけられても「ガソリンを入れるしかない」わけですから、一般ドライバーにとって代替性のない資源と言えます。
一応、今の暫定税率の期限は2018年3月31日までとなっていますが、日本の財政赤字が何らかの理由で劇的に改善されない限りは、2018年4月以降も継続されるのではないでしょうか。
石油税(+地球温暖化対策税)
石油税もガソリン税と同様に固定額となっており、平成27年度現在において「1L当たり2.54円」が課税されています。
厳密に言うと、石油税は「1L当たり2.04円」なのですが、平成24年10月1日から導入された「地球温暖化対策税」が上乗せされて、2.54円。
ちなみに、地球温暖化対策税は、消費者の急激な負担増を避けるために、平成24年10月1日から3年半かけて段階的に引き上げられていく予定。
■地球温暖化対策税引き上げのイメージ図
元々、地球温暖化対策税は、「1Lあたり0.76円」が規定の税金であり、現在石油税に上乗せされているのは、その3分に2の「0.50円」だけです。
従って、平成28年4月1日以降は、残りの「0.26円(0.76円-0.50円)」が更に上乗せされるので、石油税は1Lあたり2.8円に増税される予定です。
消費税
ガソリンの場合、紹介してきたガソリン税と石油税、そしてガソリン本体価格の合計に対して消費税が課されます。
1L当たり144円の価格では、約47%が税金で構成されている事になります。
税金に税金をかけるなんて二重課税じゃないの?と疑問に思った人は下記記事参照。
ガソリン税に消費税が課税されるのは二重課税じゃないの?
【補足】軽油と灯油の税金
ガソリン税も石油税も消費税もかけられる「ガソリン」に対して、軽油はガソリン税に消費税が課されない事とガソリン税そのものが低い事から、ガソリンよりも価格が低くなっています。(参考:軽油税に消費税はかからない)
また、灯油はガソリン税自体が課されないので、さらに安い価格になっています。
■関連記事
ガソリン価格の推移データとグラフ(昭和41年~平成27年まで)
コメント一覧
この記事へのコメントはありません。