車を購入する時、少しだけ気になるのが【印紙】の話だと思います。少しマニアックな話では有りますが、簡単に紹介していきたいと思います。
まずはマイカーローンの契約書にかかる印紙代から。
マイカーローンの契約書にかかる印紙代
マイカーローンの契約は、正式には「金銭消費貸借契約」となります。この契約で作成される契約書は課税文書に該当し、収入印紙を契約書に貼付しなければなりません(印紙税法第3条1項)。
では、マイカーローンの貸主と借主のどちらが収入印紙代を負担するのでしょうか?印紙税法では、貸主と借主が連帯して負担する、とされています(印紙税法第3条2項、印紙税法基本通達第47条)。
つまり「片方が負担する」又は「双方で負担する」など、どのように負担しても構わないが、しっかり印紙代を払って納税してね、と言っているのです。
結局は、商習慣や当事者の合意によって、印紙代を負担する人を決める事になります。この点、銀行系のマイカーローンでは印紙代を申込者に負担させる場合が多いです。
ただ、当事者の合意が有れば、どちらが負担しても構わないわけですから、印紙代を銀行側に負担してもらうように交渉してみても良いと思います。が、金融機関系は規則で借入者負担となっている可能性が高いので、交渉しても無駄になることが殆どだと思いますが・・・。
一方で、信販クレジットの契約書であれば、車の販売店等が負担してくれる可能性は有るので一度言ってみると良いでしょう。(というか車両値引き等に含めて対応される事になるとは思いますけどね。)
では、マイカーローン契約における印紙代はどれくらいの金額になるのか見てみましょう。
ローンの契約書に係る印紙代の金額は?
マイカーローンの借入額によって、必要な印紙代は以下のように異なります。
契約金額 | 印紙代 |
---|---|
契約金額の記載の無い物 | 200円 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円超50万円以下 | 400円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
(参考:国税庁)
「50万円超100万円以下」又は「100万円超500万円以下」の借入額になる事が多いのではないでしょうか?それぞれの印紙代の金額が「1,000円」そして「2,000円」となっています。
この印紙代を節約するために、銀行などと「どちらが負担するのか」を交渉するのなら、少しでも金利の低いマイカーローンを探す事に尽力した方が良いかもしれませんね。
車の注文書に係る印紙【新車・中古車共通】
まず、知っておいて欲しいこととして、車を売買する時は「契約書」ではなく商習慣として「注文書」が利用される事が多いという事です。
しかし、印紙税法上は契約書類の名称が「注文書」で有ったとしても、相手方(ユーザー側)の申込みを承諾しました!という事実を証明するために作成された書類は「契約書」に該当する事となります。
では、車の注文書には絶対印紙代がかかるのか?と言うと、そういう訳では有りません。以下、日本税務研究センターの記事を一部引用します。
契約は、申込みとその申込みに対する承諾によって成立しますので、申込書、注文請書、依頼書等と表示された文書であっても、相手方の申込みに対する承諾事実を証明する目的で作成されるものは、印紙税法上の契約書に該当します。
ただし、物品売買に関する注文請書は、平成元年3月31日まで、課税文書(旧19号文書)とされていましたが、平成元年4月1日以降作成されるものから課税が廃止されています。
自動車の注文請書の内容が加工修理など請負契約等を含まない単なる物品売買に関する注文請書であれば、ご質問の契約書は課税文書に該当しません。
簡単に言うと、単純に自動車を購入する為だけに注文書を作成した場合には印紙代はかからないが、オプションでナビ等の取付やボディーコーティングもお願いした場合には「請負契約」が成立することから印紙代がかかる、という事です。
請負契約に該当した場合の印紙代については「国税庁作成-契約書や領収書と印紙税の番号2【請負に関する契約書】」を御覧ください。
リサイクル預託金にかかる印紙税【新車と中古車の取扱いは別】
リサイクル預託金に関しては「新車」と「中古車」で取り扱いが異なります。リサイクル預託金はリサイクルセンターにそのお金を預けた時点で「金銭債権(有価証券)*2」に該当する事になります。
*2 リサイクル券が金銭債権になるという事です。
この点、まだリサイクルセンターに預託金が預けられていない新車の場合は、注文時点では「預かり金」という性質となるため、金銭債権の売買には該当せず、リサイクル預託金に係る印紙代はかかりません。
一方で、中古車の場合は、既に預託されたリサイクル券(金銭債権)を売買することになるため、原則として印紙代はかかります。但し印紙税法15号文章「債権譲渡に関する契約書」で印紙代がかかるのは、リサイクル預託金相当が1万円以上の超えた場合だけです。この時に200円の印紙を貼る必要が有ります。
預託金相当額が1万円未満なら印紙を添付する必要は有りません。(参考:自動車リサイクルシステム – 中古車注文書の預託金相当額)
注:車関連書類への印紙貼付の必要の有無は、契約の内容や注文書(契約書)の書き方等々によっても変わってきます。従って、基本的には個別具体的に判断する必要が有ると思われますので、詳細には税務署や税理士等へご確認下さい。
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