「自動車税の納付期限が近いけどお金がない・・・分割払い(分納)って出来るの?」
この様な悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか?
自動車税は、毎年4月1日時点の所有者(所有権留保の場合は使用者)に対して課税される地方税です。車の排気量によって課税される金額は異なりますが、6,000cc超だと毎年10万円以上にもなります。
自動車税は原則「一括払い」なので、毎年この時期になると資金繰りに苦労しているという方もきっといるでしょう。払えないからといって放っておくと、最終的には差し押さえされてしまうのでそれは避けたいですしね。
そんな方に朗報です。
実は、一括支払いが原則の自動車税を分割払いにする方法があるんです!。
そこで、今回は自動車税を分割払いにする方法を紹介したいと思います。
自動車税は一括納付が原則だが「分割払い・分納払い」も可能!
冒頭で書いた通り、自動車税は毎年4月1日に所有者(若しくは使用者)に課税され、納付期日は5月末です。
これは、地方税法第148条と第149条で定められています。
第百四十八条 自動車税の賦課期日は、四月一日とする。
第百四十九条 自動車税の納期は、五月中において、当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
納付書は一枚で送られてくるので、固定資産税や住民税等と異なり一括納付が原則となっています。
参考:固定資産税や住民税(普通徴収)は、年4回分割用と第1期のみ使える一括納付用の納付書が送られてくるので、好きな方を選ぶ事が可能(自治体により取り扱いが異なります)。
しかし、原則には例外がつきものです。実は、以下の2つの方法によって分割払いをする事が出来るのです!
- 県税事務所に「分割払い」を申し出る
- クレジットカードで「分割払い」をする
では、1つずつ内容を見ていきましょう。
県税事務所に電話等で「分割払い」を申し出る!~分割回数は3・4回程度が一般的~
まずは、課税当局である県税事務所に納付相談をする方法ですね。
自動車税の納付書に、県税事務所の相談窓口の連絡先が記載されています。
電話でも構わないので「自動車税の分割払い」について相談してみましょう。「一括では納付出来ない理由」と「分割なら納付出来る事」を伝えると対応してくれます。
分割する理由なんて「お金が無いから」に決まっているのですが、なんでお金が無いのかをちゃんと説明しなければいけません。
一般的な理由としては「病気で収入が無い」「少し前に失業し一時的にお金が無い」「休職中・求職中」といった感じですかね。
ただし、自治体によって対応は異なり、必ず分割払いに出来るわけではありません。
また、可能な限り納付期日(5月末)になる前に納付相談をする様にしましょう。納付期日を過ぎてからだと、分割払いを断られる可能性がありますよ。
分割払いの回数は2回〜12回が可能の様ですが、実際には“3回or4回”となる事が多い様ですね。
12回分割して支払うなど、1回の金額が細かくなり過ぎるような分割払いにはよほどの事がない限り対応してくれないでしょう。
分割払いの相談が無事終わると、後日、分割払いになった自動車税の納付書が届くので、期限を守って支払って下さいね。
参考:分割払いが認められた場合でも、督促状は届きます。事務手続き上送られてくるものなので破棄してしまって構いません。
【注意①】軽自動車税は基本的に一括払い
自動車税は県税事務所に納付相談をすれば、基本的に分割払いが可能です。しかし、軽自動車はダメです!
軽自動車税は2018年3月現在で「10,800円」となっています。
軽自動車税の場合、金額が小さいので分割払いに対応してくれない自治体がほとんどです。
従って、軽自動車税については分割払いは認められず一括払いになる、と考えておきましょう。
【注意②】県税事務所に連絡して分割払いにすると原則延滞金が付く
自動車税の納付期限は、上述した様に5月末です。納付期限に遅れると、延滞金が発生します(地方税法第163条)。
自治体が、特別の事情により納期限を別途定めた場合は延滞税は発生しないのですが、残念ながら分割払いは特別な事情に該当しません。
従って、分割納付することにより6月以降に支払う自動車税には、原則として延滞金が付く事になります。
但し、県税事務所の裁量によって「延滞金が付かない場合」や「正規の延滞金よりも少ない金額の延滞金でOKになる場合」なども有るみたいなので、延滞金の支払いに関しては県税事務所にキッチリと確認する様にしましょう。
延滞金の計算方法
延滞金の話が出てきたので、簡単に延滞金の計算方法(平成30年中)を見ておきましょう。
まず、延滞金の割合は以下の通りです。
- 納付期限の翌日から1ヶ月間は年2.6%
- 1ヶ月経過以降は年8.9%
次に、延滞金の計算式は以下の通り。
滞納している自動車税額(※)×延滞日数×延滞金率÷365日
※:計算上「自動車税額」は1,000円未満の端数切り捨て
なお、延滞金は計算した結果、1,000円未満の端数は切り捨てとなります。
従って、「延滞金が1,000円に満たない内に払い終われば延滞金はかからない」という事ですね。
例えば、最近人気上昇中のSUV車「マツダCX-5(排気量2,500cc)」で延滞金を計算してみましょう。
排気量2,500ccの車の自動車税は45,000円なので、延滞金は以下の通りとなります。
延滞日数 | 延滞金の計算 | 延滞金の額 (単月) | 延滞金の額 (合計) |
---|---|---|---|
30日(6月末) | 45,000円×30日×2.6%÷365日 | 96円 | 96円 |
61日(7月末) | 45,000円×31日×8.9%÷365日 | 340円 | 436円 |
92日(8月末) | 45,000円×31日×8.9%÷365日 | 340円 | 776円 |
122日(9月末) | 45,000円×30日×8.9%÷365日 | 329円 | 1,105円 |
3ヶ月目までは延滞金が切り捨てされるので発生せず、4ヶ月目から延滞金が発生するという訳ですね。
分割払いをするにしても延滞金が発生するまでに支払い終えたいところですね!
【注意③】車検には自動車税納税証明書が必要~分割支払い(延滞金も)は車検までに支払いを完了させておく!~
車検を通すには自動車税を完納した証である「自動車納税証明書」が必要です。
もし自動車税を滞納していれば、車検には通りません。
県税事務所に「分割払い」を申し出た場合は、延滞金も含めて全ての支払いが完了するまでは「滞納」している状態になります。つまり、分割払い期間中は車検には通せない、という事です。
そのため、分割払いの期間が車検の時期と被らないように注意する必要が有ります。
だいたい5月~8月に車検を受ける人は要注意って事ですね。
なお、分割払いが完了した後で県税事務所に電話をすれば、すぐに自動車税納税証明書を郵送してくれますよ。
クレジットカードで分割払いをする~延滞金はかからないけど手数料がかかる!~
自動車税は、現金一括払いが原則ですが、クレジットカードで支払う事も出来ます。
という事は、通常の買い物時と同じ様にクレジットカードの支払い回数を複数回払いにすることで、間接的に自動車税を分割払いにすることが可能ですね。
クレジットカードによる分割払いを利用する場合、自治体への支払はカード会社が一括で立替払いしてくれるため、延滞金は発生しません。
しかし、クレジットの分割払い手数料が発生しますので、その辺りは注意が必要ですね。
分割回数が2回までなら分割手数料は発生しません。手数料が発生するのは分割回数が3回以上の場合です。
分割手数料はご利用のカード会社によって変わりますので、カード会社の規約等をご確認ください。
なお、自動車税のクレジット払いには、大きく分けると2つあります。
- 自動車税をクレジットカードを使って自治体に直接支払う方法
- クレジットカードでnanacoにチャージして自動車税を支払う方法
以下で、それぞれの方法について見てみましょう。
自動車税をクレジットカードを使って自治体に直接支払う方法
自治体によっては自動車税を直接クレジットカードで払える自治体も有ります。
しかし、この方法を利用すると、クレジットの分割払い手数料とは別に自治体の定める決済手数料が必要になります。
例えば、東京都の場合は、税額10,000円ごとに73円(税抜)の決済手数料が必要になります。
参考:東京都以外では、1件当たり300円(税抜き)という自治体が多いです。
全ての自治体がクレジットカード支払いを導入しているわけでは有りませんので、ご自分がお住まいの地域ではどうなのか?を確認してから行うようにしましょう。
なお、クレジット決済は「Yahoo!公金支払い」を利用している都道府県が多いので、そちらも参考にしてみてください。
あと、自治体WEBサイトから直接クレジットカードで支払った場合、自動車税納税証明書が発行されるまでに1週間~2週間程度かかる事が有ります。
車検期限が近い方はその辺りも注意してください。
下記、nanacoで支払う方法を利用すれば、nanacoで支払った時点で納税証明書をゲット出来るので便利ですよ。
クレジットカードでnanacoにチャージして自動車税を支払う方法
nanacoを利用する方法は、自治体がクレジットカード払いを導入しているかどうかに関係なく利用する事が出来るのでとても便利です。
しかも、自治体の決済手数料も発生しないので、クレジットカードで自動車税を分割払いしようと考えている人はnanacoを利用した方が良いでしょう。
方法はとても簡単です。
- ①セブンイレブンでクレジットカードを使ってnanacoにチャージする
- ②nancoで自動車税を支払う
以上!
厳密には、クレジットカードで支払っているのではなくnanacoで支払っているのですが、クレジットカードを使ってるので実質的には同じですね。お得なのでオススメします!
参考:イオン系列のミニストップでWAONを使って納付する事も可能。
【参考】車をリース契約すると自動車税は月割りになる
車のリース契約では、基本的に毎月リース料を支払いますよね。
このリース料には、様々な料金が含まれていて、一般的に自動車税相当額も含まれています。つまり、自動車税を12回の分割払いにする事が出来ます。
1年に1度のまとまった出費が嫌な人や自動車税の支払いの為に貯金出来ない人などは、自動車税の支払いを月割りに出来るリース契約を検討してみるのも良いでしょう。
最近はカルモがメディアでも取り上げられて人気です。
最後に~分割払い時の手数料一覧表有り~
自動車税を分割払いする方法について書いてきました。自動車税は5月中旬頃に納付書が届いて5月末までには納付しないといけないという、納付期間がとても短い税金です。
一括払い出来るのがベストですが、資金繰り的に難しい場合は県税事務所に相談するといいでしょう。また、nanaco等を使ってクレジットカードで払うのもいいですよ。
最後に、詳細は本文に書いていますが、分割払いすることによって発生する手数料を支払い方法毎にまとめておきました。参考にしてください。
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