21世紀に入り、新興国の自動車市場が急成長を見せています。特に、成長著しいのが「ブラジル・インド・中国」です。
そして、2009年には中国の自動車販売台数がアメリカを抜いて1位になりました(現在まで1位は中国のままです)。
中国の自動車販売台数の推移
以下は、中国の1990年代から2013年にかけての自動車販売台数の推移のグラフです。
2014年の自動車販売台数は2,349万台とさらなる成長を見せています。
アメリカ市場が世界的金融危機の影響で、2007年から2009年にかけて販売台数を数百万台も減少させた一方で、中国は影響を受ける事なく著しい伸びを見せて世界1位に輝きました。世界金融危機が無くても、遅かれ早かれ中国がアメリカを抜いていたでしょうね。
世界1位となった経緯
中国の自動車販売台数が「1位」になった経緯について見ていきましょう。
年代 | 出来事 |
---|---|
2001年 | WTO加盟 |
2005年 | 輸入数量制限の撤廃 |
2009年 | 汽車下郷政策 |
2001年の中国のWTO加盟により、外国メーカーの自動車・自動車部品に対する関税が引き下げられた事で、輸入車の購入価格が安くなり販売台数が少しずつ伸び始めます。
そして、2005年に輸入数量の制限が撤廃され、外国メーカーはもともと中国国内で生産・販売していた需要の多い小型車等に加え、高級車やスポーツカー等を輸入する事で、ラインナップを豊富にして販売台数を伸ばす事に成功します。
「自動車販売台数の伸び」に一番大きなインパクトを与えたのは、2009年に政府の行った「汽車下郷政策」です。これはあまり自動車が普及していなかった農村の需要を刺激する為の政策です。
政策内容は「農業用車両を自動車に乗り換える際に補助金を出す事」や「1600cc以下の自動車の取得税を引き下げる事」などです。取得税の引き下げによって、農村のみならず、都市部でも需要が伸びて新車販売台数は大きな伸びを見せる事になりました。
今後の中国市場
2014年には中国の新車販売台数はアメリカに約700万台の差を付けていますが、人口当たりの自動車保有台数ではまだまだ低い数値となっています。
国 | 人口当たり保有台数(1,000人) |
---|---|
中国 | 91台 |
アメリカ | 799台 |
日本 | 602台 |
世界平均 | 161台 |
参考:世界の自動車普及率
先進国のアメリカや日本と比べるとかなり低い値になっています。世界1位の市場であるにも関わらず、世界平均よりも低い数値である事は驚きですね。
中国市場は、まだまだ伸びしろがあると言えます。
ただ、自動車メーカーにとって良い材料ばかりではなく、「PM2.5などの環境問題」や「人件費の高騰」などの不安材料もあります。特に、日本の自動車メーカーは反日運動という固有のリスクを抱えています。
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