救護をしないとアウト?ひき逃げにならない対処方法と課せられる刑罰と責任

ひき逃げ  
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たびたびニュースなどで世間をざわつかせる「ひき逃げ」について、気になっていませんか?

大きな事件を引き起こしてしまったわけですから、「怖くてその場から逃げたくなる」という気持ちも、わからないことはないですよね。

しかし実は、事故を起こした後にその場から逃げなかったとしても「救護」を行わなければ、ひき逃げとして扱われるという事実をご存知でしょうか?

もしひき逃げを起こしてしまえば、以下のような罰則が発生します。

種類刑罰内容
負傷者の救護と危険防止の措置違反10年以下の懲役および100万円以下の罰金
事故報告の義務違反3ヶ月以下の懲役および5万円以下の罰金
現場にとどまる義務違反5万円以下の罰金
過失運転致死傷罪7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪【負傷】15年以下の懲役【死亡】20年以下の懲役
殺人罪死刑・無期懲役・懲役5年以上

上記は「刑事罰」ですが、以下のように免許に関わる責任追及もさらに追加されます。(行政責任)

種類違反点数免許が取れない期間
ひき逃げ事故(救護義務違反)35点3年
ひき逃げでの死亡事故55点7年
ひき逃げでの傷害事故48点5年
酒酔いでのひき逃げ死亡事故90点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ死亡事故80点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ死亡事故68点9年
酒酔いでのひき逃げ傷害事故83点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ傷害事故73点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ傷害事故61点8年

まだまだ問われる責任はありますよ。損害賠償として以下のような金額を被害者から請求されてしまいます。(民事責任)

種類金額
傷害数百万円から数千万円単位
死亡数千万円から億単位
後遺障害数千万円から億単位

上記のようにもしひき逃げを起こせば「刑事罰」「行政責任」「民事責任」という3つの要素が、あなたに降りかかってくるのです。

もし、これらの知識を理解していなければ、その場から逃げなかったとしても、最悪の場合ひき逃げとして扱われ、多大な責任を追及されることでしょう。

しかし今回の記事では、どうすれば「ひき逃げ」と判断されるのかというところから、問われる責任と刑罰、そして起こしてしまった時の対処法まで解決しています。

しっかりと最後まで読み込めば、あなたが最悪の事態を起こすことはなくなるでしょうから、ご安心ください。

テレビで目にすることの多い「ひき逃げ」について気になっている人には、必見の内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

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当て逃げとの違いは?ひき逃げの基礎知識

ひき逃げ

まずは「ひき逃げ」とはどのような行為なのか、基礎的な知識をシンプルに解説していきます。

ひき逃げについて簡潔にいえば「交通事故で相手を死傷させてしまったのに、現場から逃走すること」です。

法律的には「道路交通法第72条」に反した行為を指します。

(交通事故の場合の措置)
第七十二条  交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

この場合において、当該車両等の運転者は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

※出典:政府の総合窓口「道路交通法」より

このように道路交通法第72条には、事故を起こした後の「警察への報告義務」と「負傷者の救護義務」が定められています。

つまりは、その場から逃げなかったとしても、ケガをさせてしまった人の救護をしないとひき逃げになるというわけ。

なお、ひき逃げと一緒くたにされやすいのは「当て逃げ」です。両者の違いは、「負傷者がいるかどうか」という点。

負傷者がいるのに逃げたら「ひき逃げ」、負傷書がいない接触事故で逃げたら「当て逃げ」となります。

ひき逃げをしても逃げ切ることはできない

ひき逃げは「自分が事故を起こしたことを隠す」ことを主な動機として起こすのですが、はっきり言って逃げてもほぼ100%に近い確率で捕まります。

警察が発表した最新版(平成29年度)の「犯罪白書」によると、死亡事故を起こして逃げたとしても100%近くの確率で検挙されています。

ひき逃げ事件の発生件数と検挙率

※画像出典:平成29年版 犯罪白書 第4編/第1章/第2節/3「ひき逃げ」より

ひき逃げ全体(死亡事件以外を含む)の全検挙数はそこまで高くはありませんが、死亡事件ともなると、検挙率は大幅に跳ね上がっています。

早い話が死亡事故になると、警察の捜査もかなり強化されるというわけ。

罪から逃れるために、その場から逃げてしまうのが「ひき逃げ」ですが、結局的に警察の捜査によって捕まってしまう可能性が高い事実は、頭に入れておいた方がいいでしょう。

ひき逃げの種類と課せられる刑罰と責任問題

ひき逃げを起こせば「刑事罰」「行政責任」「民事責任」という3つの要素が、あなたに降りかかってきます。それぞれの要素をシンプルに解説していきましょう。

ひき逃げで課せられる「刑事罰」

ひき逃げの「刑事罰」は自分が起こしてしまった被害の重さや、運転時の状況によって、課せられる罪が変わるのが特徴です。具体的には以下の通り。

種類刑罰内容
負傷者の救護と危険防止の措置違反10年以下の懲役および100万円以下の罰金
事故報告の義務違反3ヶ月以下の懲役および5万円以下の罰金
現場にとどまる義務違反5万円以下の罰金
過失運転致死傷罪7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪【負傷】15年以下の懲役【死亡】20年以下の懲役
殺人罪死刑・無期懲役・懲役5年以上

それぞれの内容について、詳しく紹介していきましょう 。

ひき逃げの種類1.負傷者の救護と危険防止の措置違反

交通事故を起こしたあと、逃げなかったとしても救護を怠った場合に課せられる違反です。

10年以下の懲役および100万円以下の罰金なので、罪としては相当に重いですね。

ひき逃げの種類2.事故報告の義務違反

交通事故を起こしたことを警察に報告しなかった罪です。

3ヶ月以下の懲役および、5万円以下の罰金が課せられます。

ひき逃げの種類3.現場にとどまる義務違反

交通事故を起こした現場に残らずに、逃走してしまった罪のことです。

5万円以下の罰金が課せられます。

ひき逃げの種類4.過失運転致死傷罪

交通事故をおこして、万が一にでも被害者を死傷させてしまうと課せられる罪です。

7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金が発生します。

ひき逃げの種類5.危険運転致死傷罪

飲酒運転またはスピードの出し過ぎなどを代表とする「危険運転」を行ったうえで、交通事故を起こして被害者を負傷・死亡させてしまうと、危険運転致死傷罪に問われます。

「負傷」で15年以下の懲役、「死亡」になると20年以下の懲役が課せられます。

ちなみに「危険運転」とは、主に以下のように定義されていますよ。

  • アルコールまたは薬物によって酩酊状態で運転していた
  • 法定速度を50km以上オーバーして運転していた
  • 無免許なのに運転していた
  • 信号無視をしていた
  • 走行禁止区域(歩道など)を運転していた

ひき逃げの種類6.殺人罪

ひき逃げによって、殺人罪が適用される場合もあります。

具体的には繰り返し轢いた、何mも引きずったなど、殺意が感じられる場合に殺人罪に問われるのです。

殺人罪になると、懲役5年以上はもちろんのこと、無期懲役や死刑も十分にありえます。

ひき逃げで課せられる「行政責任」

ひき逃げをして問われる責任は、「刑事罰」だけではありません。

「行政責任」として、免許停止が発生します。具体的には以下の通り。

種類違反点数免許が取れない期間
ひき逃げ事故(救護義務違反)35点3年
ひき逃げでの死亡事故55点7年
ひき逃げでの傷害事故48点5年
酒酔いでのひき逃げ死亡事故90点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ死亡事故80点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ死亡事故68点9年
酒酔いでのひき逃げ傷害事故83点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ傷害事故73点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ傷害事故61点8年

このように基本的にはひき逃げをすると、違反点数が非常に多いため「免許取消」になります。

そして、その後数年間は免許取得ができなくなることでしょう。

とくに飲酒をしていたり、死亡事故になったりすると、10年も免許が取得できなくなるという重い行政責任が課せられてきます。

ひき逃げで課せられる「民事責任」

ひき逃げをすると、被害者側から「損害賠償」を求められます。いわゆる「民事責任」というものですね。具体的には以下の通り。

種類金額
傷害数百万円から数千万円単位
死亡数千万円から億単位
後遺障害数千万円から億単位

キチンと任意保険に加入していたのであれば、保険で補うことでしょうが、未加入の場合は大変なことになります。

自賠責保険の補償金額(最大でも4,000万円)を超えた金額は、あなたのポケットマネーで一生を払うことになるでしょう。

事故を起こしたら何をすべき?ひき逃げにならないための対処方法

ここまで解説した通り、ひき逃げは絶対に起こしてはならないものです。

「逃げたらなんとかなる」なんて思わずに、きちんと交通事故を起こしてしまったことを受け入れ、対処していくことが必要になります。

では実際に事故を起こしたら、何をすればいいのでしょうか。具体的には以下のポイントを実施するようにしてみてください。

  • 現場から立ち去らずに警察に通報
  • 警察が到着するまで現場にとどまる
  • 被害者を救護する

上記のポイントをきちんと理解しておけば、ひき逃げとして処理されることはないでしょう。

それでは、具体的な内容について詳しく紹介していきます。

ポイント1.現場から立ち去らずに警察に通報

交通事故を起こして「現場にとどまらない」「警察に通報しない」行為は違法です。

交通事故を起こしてしまったら、即座に警察に通報しましょう。電話番号は「110」です。

なお、被害者と軽く接触した場合も、通報は必須です。

さらに、話し合いで和解したとしても通報してください。通報なしで、のちのちに怪我が発覚したりすると、ひき逃げになる可能性があります。

ポイント2.警察が到着するまで現場にとどまる

警察に通報したら立ち去るなんてことをしてはダメです。必ず警察が車で待ってください。

「大したことなさそう」だからと、警察到達前に立ち去ると、ひき逃げになる可能性があります。

ポイント3.被害者を救護する

事故を起こした後、通報して現場で待っているだけでもダメです。

もし被害者がケガをしているなら、「救護」をしなければいけません。そのまま放置していたら、ひき逃げになってしまいますよ。

救護といっても、特に難しいことはありません。被害者をそのままにせずに安全な場所に移動させて、救急車を手配すればいいのです。

つまり、知識のない人が、付け焼き刃で応急処置をする必要はありません。

救急車を手配した時に、電話口で応急処置の指示を受けるでしょうから、それに従って行動しましょう。

まとめ

以上、今回は「ひき逃げ」について、深掘りしてきました。

もしひき逃げを起こしてしまえば、以下のような罰則が発生します。

もしひき逃げを起こしてしまえば、以下のような罰則が発生します。

種類刑罰内容
負傷者の救護と危険防止の措置違反10年以下の懲役および100万円以下の罰金
事故報告の義務違反3ヶ月以下の懲役および5万円以下の罰金
現場にとどまる義務違反5万円以下の罰金
過失運転致死傷罪7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪【負傷】15年以下の懲役【死亡】20年以下の懲役
殺人罪死刑・無期懲役・懲役5年以上

上記は「刑事罰」ですが、以下のように免許に関わる責任追及もさらに追加されます。(行政責任)

種類違反点数免許が取れない期間
ひき逃げ事故(救護義務違反)35点3年
ひき逃げでの死亡事故55点7年
ひき逃げでの傷害事故48点5年
酒酔いでのひき逃げ死亡事故90点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ死亡事故80点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ死亡事故68点9年
酒酔いでのひき逃げ傷害事故83点10年
酒気帯び(0.25mg以上)でのひき逃げ傷害事故73点10年
酒気帯び(0.15~0.25mg)でのひき逃げ傷害事故61点8年

まだまだ問われる責任はありますよ。損害賠償として以下のような金額を被害者から請求されてしまいます。(民事責任)

種類金額
傷害数百万円から数千万円単位
死亡数千万円から億単位
後遺障害数千万円から億単位

上記のようにもしひき逃げを起こせば「刑事罰」「行政責任」「民事責任」という3つの要素が、あなたに降りかかってくるのです。

事故を起こさないのが1番ですが、もし事故を起こしてしまったのであれば、きちんと救護をするなど、あなたがすべきことをキチンと実行していくことが大切です。

もし「ひき逃げ」について気になっている人であれば、大事故を起こさないための予備知識として、今回の紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。

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