普通車の車検証の見方をとても丁寧に解説しています。

車検証  
※記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

車検証ってなんだか見にくい!分かりにくい!

そう思いませんか?

なので、隅から隅まで車検証を見た人は少ないはず。ただ、自動車関連の各種手続きを行う際に車検証の情報を転記する事も多いです。そのため、車検証に記載されている事を把握しておけば、手続きを行う際にも役立ちます。

そこで今回は、普通車の車検証の見方を以下の画像のように4つに区分して紹介します(区分の仕方に意味は有りません)。

車検証(出典:http://blogs.yahoo.co.jp/t_omomukiya/GALLERY/show_image.html?id=16741551&no=1

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Ⅰ.年式や車台番号など

この部分は車に関する情報が記載されています。上記画像を拡大すると以下のようになります。画像の番号の順に説明していきますね。

車検証の見本Ⅰ

① 5桁の数字と「A」または「B」

車検証の枠外に記載されている5桁の数字は、登録手続き等を行った運輸支局又は自動車検査登録事務所にてその日の間に車検証が交付された順番を意味しています。

そして、5桁の数字の横に記載されているローマ字は、車検証のタイプを表しています。「Aタイプ」と「Bタイプ」の2つのタイプが有り、Aタイプ車検証には所有者欄が設けられ、Bタイプ車検証には所有者欄が無く所有者の情報は備考欄に記載されています。

② 自動車登録番号又は車両番号

ここには自動車のナンバープレートの情報が記載されています(参考:車のナンバープレートの意味)。

ナンバープレート

「自動車登録番号」と「車両番号」の2つの言葉が用いられている理由は、運輸支局と自動車検査登録事務所では登録車とバイクの車検証を発行しているからです。

「自動車登録番号」は登録制度を採用している普通車や小型車などのナンバーを指します。また、「車両番号」は登録制度の無いバイクのナンバーを指します。どちらの車両の手続きも運輸支局が取り扱っているので、2つの言葉が用いられているんですね。

ちなみに、軽自動車の車検証の同じ部分には「車両番号」しか記載されていません。

③ 登録年月日/交付年月日

新規登録や記載事項の変更などで車検証が交付された日付が記載されます。車検証の内容に変更が有れば、その都度「登録年月日/交付年月日」の日付は更新されます。

車検証が交付された最新の日付と考えておけば良いでしょう。

④ 初度登録年月

車が初めて登録された年月が記載されています。ここを見れば「年式」が分かります。画像の車検証を例にすると、平成3年9月となっているので「平成3年式」の車で有る事が分かります(古い車ですね)。

⑤ 車名とその横に有る3桁の数字

「車名」欄には車種ではなく、メーカー名が記載されています。その横に有る3桁の数字は、メーカー毎に割り振られた「車名コード」です。国産車の車名コードには001~500、輸入車のそれには501~980が割り振られています。例えば、車名がトヨタなら194、ベンツなら851となります。

生産地

ちなみに、同じ国産メーカーでも生産地が「国内」か「海外」かで、車名欄に記載される内容が変わります。例えば、ホンダの国産車は「ホンダ・296」ですが、ホンダがイギリスで生産し国内で販売した車は「ホンダオブザユーケー・956」となります(「ホンダ・682」も有ります)。

車名と車名コードの一覧が見たい人は「こちら(PDF)」を参考にして下さい。

⑥ 車台番号

ここには車台番号が記載されています。車台番号とは、車1台1台に割り当てられている固有の番号です。ほとんどの車の車台番号は「型式+英数字」の組み合わせとなっています。

なお、車台番号の後半の英数字部分は、各自動車メーカーが管理しやすいように割り振っているため、全ての自動車に共通する法則性は有りません。

エンジンルーム

ちなみに、車台番号は車体に打刻されています。打刻されている場所は、多少の損壊では消えにくい所です(エンジンルームのワイパーの下辺りなど)。そのため、車台番号の事を車体番号と言う人もいます。

⑦ 型式

メーカーや車種によって異なりますが、型式は生産時期やモデル、排気量などを英数字の組み合わせによって表しています。そのため、見る人が見れば、車検証の型式だけでどのような車なのかをおおまかに把握する事が出来ます。

⑧ 原動機の型式

原動機の型式は、搭載しているエンジンの型式を表しています。違う車種でも同じエンジンを搭載していれば、「原動機の型式」の欄に記載される内容は同一の物となります。

Ⅱ.重量や燃料の種類など

この部分も車に関する情報が記載されています。

車検証の見本Ⅱ

① ○○運輸支局長

この部分には「住所地の都道府県+運輸支局長」が記載されます。東京都に住んでいるなら「東京運輸支局長」、大阪府に住んでいるなら「大阪運輸支局長」となります。

例外として、兵庫県は「神戸運輸監理部長」、沖縄県は「陸運事務所長」と記載されます。

都道府県

注意して欲しいのは、この部分が管轄の運輸支局を表示しているわけではない点です。自動車検査登録事務所が管轄の場合で有っても、この部分には「○○運輸支局長」と記載されます。

登録手続き等を行う場合は住所地を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所がどこかを事前に確認するようにして下さいね。

運輸支局・自動車検査登録事務所の都道府県別住所一覧

② 自動車の種別

「自動車の種別」の欄には、普通・小型・大型特殊のうちいずれかが記載されます(軽自動車は「軽自動車」と記載されます。)。

③ 用途

「用途」の欄に記載される項目は、主に以下の通りです。

  • 乗用自動車・・・「乗用」
  • 貨物自動車・・・「貨物」
  • 乗合自動車・・・「乗合」
  • 特殊用途自動車・・・「特殊」
  • 大型特殊自動車・・・「-」 など

④ 自家用・事業用の別

「自家用」なのか、それとも「事業用」なのかはここを見れば分かります。また、さきほどの「自動車の種別」と併せて見る事でナンバープレートの色も分かります。

青や黒・緑・赤斜線などナンバープレートの色分けの意味まとめ

⑤ 車体の形状とその横に有る数字

「車体の形状」欄には、箱型や幌型、ステーションワゴンなど、その他数十種類の中から自動車メーカーが任意に選んだ車の形が記載されます。そして、その横には車体の形状毎に規定されている「車体の形状コード(PDF)」が記載されます。

なお、車を改造し「改造等変更検査」を受ける事で車検証に記載されている「車体の形状」を変更する事は可能です。

改造車を車検に通すポイントと構造変更申請

⑥ 乗車定員

ここを見れば、車に乗車出来る最大の人数が分かります。

なお、貨物用として登録しているハイエースなどでは、後席を貨客共用する事が出来るので、乗車定員の箇所が「2[5]人」などと[]書きで表示されています。この乗車定員が「2[5]人」の場合では、後席に貨物を積載する時の乗車定員が2人、後席にも人が乗車する時の乗車定員が5人となります。

■⑦ 最大積載量

「最大積載量」の欄には、その車に積める貨物の最大の重量が記載されています。

最大積載量

「乗車定員」と同様に[]で2つの最大積載量が記載されている場合が有ります。考え方は同じで、[]内の重量が後席に人が乗車した場合の最大積載量となります。

なお、乗用車の場合は最大積載量の欄は空欄になっています。

⑧ 車両重量

車両重量に記載されている数値は、人・貨物の重さは含まず、ガソリンやオイル等が満タンに入った状態の重さを表しています。車の体重のような物ですね。

なお、乗用車の自動車重量税は、この車両重量を基準に課税されます。

自動車重量税の金額・早見表

⑨ 車両総重量

車両総重量に記載されている数値は、車両重量と最大積載量と乗車定員の重量(一人当たり55㎏)の合計です。

なお、乗用車以外の自動車重量税は、この車両総重量を基準に課税されます。

自動車重量税の金額・早見表

⑩ 長さ・幅・高さ

車の3サイズが記載されています。車庫証明を取得する際の自動車保管場所証明申請書などにそのまま記載します。

車庫証明の申請書類の書き方

⑪ 軸重

「軸重」の欄には、それぞれの軸にかかる重さが記載されています(軸重の合計は車両重量)。

ここで言う「軸」というのは、並列しているタイヤ1組の事を指します。普通車の場合は前後に2組タイヤが装備されているので、前の1組のタイヤが「前前軸」となり、そこにかかる重さが「前前軸重」です。また、後ろの1組のタイヤが「後後軸」となり、そこにかかる重さが「後後軸重」です。

普通車は4本のタイヤ、つまり2つの軸しか無いので、前後軸重と後前軸重には「-」が記載されます。

大型バス

タイヤが6本以上装着されている大型トラックや大型バスなどは、前後軸重と後前軸重も記載されます。前から数えて2列目のタイヤが「前後軸重」、後ろから数えて2列目のタイヤが「後前軸重」となります。

なお、10本以上タイヤが装着されている場合は、第5軸重と第6軸重が存在しますが、これらの情報は備考欄に記載される事になります。

⑫ 総排気量又は定格出力

この欄には総排気量又は定格出力が記載されています。ガソリンエンジン車は総排気量が記載され、単位は「L」を使用します。一方、電気自動車は定格出力が記載され、単位は「kw」を使用します。

なお、自動車税はこの総排気量を基準に課税されます。電気自動車は「1L以下」の区分に該当します。

自動車税の金額一覧とグリーン化税制・特例による減税額

⑬ 燃料の種類

「燃料の種類」の欄には、車に使用する燃料が記載されています。例えば、電気やガソリン、軽油、LPガスなどです。プラグインハイブリッド車は「ガソリン・電気」のように併記されます。

給油口

なお、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンのどちらを使用するのかは、車検証を見ても分かりません。車の取り扱い説明書を見るか、給油口の蓋などをチェックして下さい。

⑭ 型式指定番号と類別区分番号

型式指定番号は国土交通省に型式申請の承認を受けた時に付与される数字です。そして、類別区分番号はメーカーオプションの装備内容により細かく設定された数字です。

型式不明の並行輸入車や改造を施した車などは、この二つの欄が空欄になっています。

並行輸入車とは~正規輸入車との違いやデメリットを解説

なお、改造を施した車両の元々の型式指定番号と類別区部番号は、改造内容と共に備考欄に記載されます(用途変更や軽微な改造の場合は改造内容は記載されません)。

Ⅲ.所有者や使用者の情報

この部分には主に所有者と使用者の情報が記載されています(参考:車検証の「所有者名」と「使用者名」の違いって何?)。

車検証の見本Ⅲ

① 所有者の氏名又は名称

ここには所有者の氏名又は名称が記載されています。信販会社のローンを組んで返済中の場合には、信販会社の名称が記載されています。ローン返済後に所有権解除手続きを行うと、使用者の氏名に切り替わります。

自動車の所有権解除手続きに必要な書類や費用のまとめ

なお、Bタイプの車検証の場合は、「所有者の氏名又は名称」と「所有者の住所」の欄は有りません。これらの情報は備考欄に記載されています。

② 所有者の住所

ここには上の欄に記載されている所有者の住所が記載されています。所有者が販売店等の場合は、住所の横に5桁の所有者コードが記載されています。所有者コード自体を手続きに使用する事はほとんど有りません。

③ 使用者の氏名又は名称

ここには使用者の氏名又は名称が記載されています。所有者と使用者が同一の場合は、所有者と同一である事を意味する「***」が記載されます。

④ 使用者の住所

ここには使用者の住所が記載されます。所有者と使用者が同一の場合は、所有者の住所と同一である事を意味する「***」が記載されます。

住所

使用者の住所の横(所有者と同一の場合は所有者の住所の横)に記載されている9桁の数字は「住所コード」です。各種手続きで提出するOCRシートの住所欄に、このコードを記載します。

ちなみに、最初の2桁が「都道府県コード」、次の3桁が「市区郡コード」、残りの4桁が「町村コード」です。

運輸支局等にコードの一覧表は備え付けられています。インターネットで検索する事も可能です(検索はこちら)。

⑤ 使用の本拠の位置

ここには使用の本拠の位置が記載されます。使用の本拠の位置とは、簡単に言うと「使用者の住所地」を指します。そのため、基本的にこの欄には使用者の住所地と同一で有る事を意味する「***」が記載されます。

⑥ 有効期間の満了する日

この欄に記載されている日付は、車検証の有効期間を表しています。

この日付が経過した後に公道を走行すると、無車検運行(違反点数6点、赤切符で6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)で取り締まりを受けるので、有効期限が切れる前に継続車検を受けましょう。

廃車手続きは車検切れの車でも出来るか

Ⅳ.備考欄

車検証の備考欄には様々な事が記載されています(下記画像の車検証は少し古い物です)。Bタイプ車検証の場合は、所有者情報も記載されています。

車検証の見本Ⅳ

備考欄に記載されている内容は、主に以下の通りです。

  • 車検証を発行した運輸支局名(自動車検査登録事務所名)
  • 車検証を交付した手続きの種類(新規登録・継続検査・移転登録など)
  • 環境性能(燃費達成基準や騒音規制車など)や自動車重量税額(税額は車検証を発行した手続きに伴い納付した場合のみ記載されます)
  • 前回と前々回の車検を受けた時の走行距離とその時期
  • 受検種別(指定整備車又は持込検査車)*1
  • 検査時の点検整備実施状況 *2
  • 受検形態(指定整備工場・認定整備工場・使用者・その他) *3

*1 指定整備工場で車検を受けた場合「指定整備車」と記載、検査場に持ち込んで車検を受けた場合「持込検査車」と記載されます。
*2 定期点検を実施した事を確認出来た場合「点検整備記録簿記載あり」と記載、確認出来なかった場合は「点検整備記録簿記載なし」と記載されます。
*3 誰が車検を通したのかが記載されます。ユーザー車検の場合は「使用者」、車検を代行業者に任せた場合は「その他」と記載されます。

その他にも、職権打刻車は車体番号を打刻した位置、改造車は改造内容や元の型式指定番号と類別区分番号、などのように自動車によって様々な内容が備考欄には記載されます。

QRコード

備考欄の下の欄外の部分に「QRコード」が記載されています。普通車の場合は8個、軽自動車の場合は3個です。

QRコードを車検証に記載する主な目的は「事務処理の簡略化」です。車検証の偽造を防止する目的も有ると言われています。

QRコード

QRコードに格納されている情報は、おおよそ以下の通りです(格納されている順番で表示)。

  • 一番左のQRコード・・・不明
  • 2~4番目・・・コードのバージョン情報・車台番号の打刻位置・型式指定番号・類別区分番号・有効期間・初度登録年月・型式・軸重・騒音規制及び規制値・駆動方式・粒子物質(PMやNOx)の測定情報・保安基準適用年月日・燃料の種別
  • 5~6番目・・・コードのバージョン情報・ナンバープレートの情報(ナンバーや標板の枚数、大きさ、種類)・車台番号・原動機型式・書類の種類(車検証や抹消登録証明書など)
  • 7~8番目・・・氏名・住所などの個人情報(暗号化されています)

左から2~6番目のQRコードは、スマホなどに搭載されているバーコードリーダーで読み取る事が出来ますが、表示される内容は「/」で区切られた英数字の羅列です。車検証の記載内容がそのまま表示される情報も有れば、コード化(英数字)されている情報も有ります。

なお、車検証のQRコードを読み取れるスマホアプリがいくつか有ります。あるアプリをお試しで利用してみたのですが、QRコードは読み取れるものの、内容を確認しようとするとアプリが停止してしまいました。スマホが悪いのかもしれませんので、気になる人はダウンロードしてみて下さいね(「車検証 QRコード」で検索すればヒットします)。

車検証の裏面

車検証の裏面

車検証の裏面には、様々な注意事項が記載されています。記載事項に関する注意事項や運転時に車検証を携帯する事を促す内容などです。

最も重要な内容は「日常点検と定期点検の重要性」に関する部分ですね。車検は、車検を受けた時だけ基準に適合している事を確認する作業であり、次の車検まで安全に運転出来る事を保証する作業では有りません。

ましてや車の隅から隅まで点検するわけでも有りません。

整備点検

事故・故障を防ぐには、車検だけではなく日々の点検と定期点検を実施する事がとても大事になります。

という事が車検証の裏面に記載されています。なかなか車検証の裏面を見る機会は無いと思うので、この際一読してみてはいかがでしょうか。

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