車庫証明の申請手続きを「ディーラー」や「行政書士」などにお願いすると、代行手数料として約1万円必要になります。
時間を節約するという観点から考えれば行政書士さんなどに代行して貰うのも一つの手段ですが、車庫証明の取得手続きは意外に簡単。
もし「車庫証明の取り方」について調べているなら、以下のような疑問を持っていませんか?
- そもそも、車庫証明が何なのかまだよくわかっていない・・・
- 自分自身で車庫証明を取得する方法を知っておきたい
- 代理人や第三者が車庫証明を取得することもできるの?
今回の記事では、上記のような「車庫証明の取り方」に関する疑問が、すっきり解決できる知識を紹介していきます。
この記事を最後まで読んでもらうだけで、車庫証明の取り方を理解するために必要な知識をバッチリ網羅できますよ。
ではさっそく解説していきましょう。
取り方の前に知っておきたい車庫証明の基礎知識
この章であなたが得ることができる知識の要点をまとめると、以下の通りになります。
- 道路が無秩序になる事態を避けるために必要なのが「車庫証明」
- 車庫証明を怠ると「車庫飛ばし」という犯罪に該当する
- 車庫証明の申請先は車を停める車庫を管轄する警察署
要点をおさえてもらったところで、さっそく次項より詳しい解説を見ていきましょう。
道路が無秩序になる事態を避けるために必要なのが「車庫証明」
まずは車庫証明そのものの基礎知識について紹介していきましょう。
もちろん「車庫証明についてはもうよく知っている」という人は次章まで飛ばしてかまいません。
車庫証明とは何なのかをわかりやすくイメージしてもらうために、一つ例を出してみましょう。
自動車を新しく購入するときや他人からもらった場合、仮にその車の新しい所有者が保管スペース、いわゆる駐車場を確保していないケースを想像してみてください。
その車の所有者は、車を置くところがありませんから公道を駐車場代わりに使ってしまい、長時間にわたり路上駐車をするでしょう。
そうなると、その行動を通行するほかのクルマや歩行者の邪魔になってしまい、道路交通がスムーズにいかないばかりか、事故などといったリスクも出てきます。
路上駐車をする車でいっぱいになって、道路が無秩序になる事態を避けるために、「国の法律」で車の保管場所のキープについて規制している
車庫証明を怠ると「車庫飛ばし」という犯罪に該当する
主にその車庫証明はどのような場合に手に入れる必要があるのでしょうか。
- 新しく車を手に入れた時
- 車を譲り受けて、名義変更をしなければいけないとき
- 引っ越しをしたことによって車庫が変わるとき(※実際には車庫証明を取り直さなくても問題ない)
これらに該当することになったとき、車庫証明の入手が必要となります。
なお本当は車庫証明を手に入れる義務が発生しているのに怠ってしまうと、「車庫飛ばし」という罪を犯したことになってしまいます。
「車庫飛ばし」については、以下の記事にて詳しく解説しています。
意図していないにもかかわらず、犯罪扱いになり罰金を納めることになるのは心外でしょうから、たかが車庫証明だと甘く見ず、欠かさずに申請していくことが大切です。
車庫証明の申請先は車を停める車庫を管轄する警察署
車庫証明の申請先は、あなたのクルマを停める車庫を管轄する警察署です。
居住地を管轄する警察署が申請先になるシステムではないので、ご注意ください。
詳しくは後述しますが警察署には「車庫証明申請書」という必要書類などを添付して申請します。
以上、「取り方の前に知っておきたい車庫証明の基礎知識」について解説しました。
基礎知識を知ってもらったところで、本題ともいえる「自分自身で車庫証明を取得する方法」を次章にて見ていきましょう。
車庫証明を具体的な取り方(自分自身で取得する場合)
この章であなたが知ることが可能な知識の要点をピックアップすると、以下の通りになります。
- まずは車庫証明申請書などの必要書類を記入・準備する
- 必要書類と申請費用を提出したら交付日まで待つ
- 交付日になれば書類を出した警察署に取りに行く
要点を確認してもらったところで、次項より具体的な解説について見ていきましょう。
まずは車庫証明申請書などの必要書類を記入・準備する
まずは車庫証明申請書を駐車場のあるエリアを取り仕切る警察署にもらいに行きましょう。
車庫証明申請書の4枚複写は剥がさず、絶対に折ることなく必要事項を記入します。
見本も添付されているのでよくチェックしましょう。
注意するべき部分は「車名」の欄で、メーカー名を入れること。
車名といってもモデル名を書き入れてはいけません。
またクルマの「型式」と「番号」を記入する欄があるので、買い入れた販売店に事前に聞いて、間違えずに記入してください。
時と場合によって必要な書類も用意しておく
自宅内に駐車場がある場合は「自認書」という書類を別途用意して住所を記入し、印鑑を押します。
※出典:愛知県警察の保管場所使用権原疎明書面(自認書)の記載例
また賃貸契約をしている場合は、駐車場のオーナーか管理者に自分が契約していることを立証する必要があるので、「保管場所使用承諾証明書」を記入します。
駐車場のオーナーもしくは管理責任者には、「保管場所使用承諾証明書」に駐車場の場所と現在契約中の駐車場所の該当番号を記入してもらい、名書きと捺印をお願いしましょう。
なおこれらの時と場合によって必要な書類は警察でもらえますので、車庫証明申請書をもらいに行った時に一緒にもらっておきましょう。
保管場所の所在図および配置図は地図のコピーでも良い
最後に保管場所の所在図および配置図を用意します。
自宅と駐車場までの距離を誰が見ても実感できるように描き、「どのような」「どこの」を意識して図式化しつつ記入します。
自宅から駐車場までの道が複雑で、書き表わすのが難しい場合などは地図のコピーを付帯させてもかまいません。
必要書類と申請費用を提出したら交付日まで待つ
書き上がった書類をまとめ、申請費用と併せて書類を提出します。
以前足を運んだ警察署の窓口に対して、先ほど解説した必要書類を提出し、申請手数料として2,000円程度を支払うだけです。
この際、申請する人を証明するため、住民票のコピーか、公共料金の領収書など、住所と自分自身が「本人」だと確認できるものを準備して、管轄警察に申請に行きましょう。
受け付けが済むと交付日をレクチャーしてくれるので、交付日に警察に取りに行きます。
なお、交付までは1週間程度と考えておきましょう。
交付してくれる日までの間、警察は申し込みをした駐車できる場所が実際に存在するのかをチェックしてくれます。
交付日になれば書類を出した警察署に取りに行く
交付日になったら出来上がった書類を差し出しに行ったときと同じ警察署に取りに行きましょう。
交付日は印鑑(三文判で可)と、「標章代」として500円程度を持参します。
印鑑は車庫証明を手に入れる時に押すこととなり、その後に標章代を支払います。
これで無事に車庫証明の取得が終了です。
車庫証明をなくしてしまうと、原則として同じ工程をもう一回繰り返すことになるので大切に保管してください。
以上、「車庫証明を具体的な取り方(自分自身で取得する場合)」を紹介しました。
では自分自身で取得するのではなく、代理人・第三者が車庫証明の取る方法はどうなるのでしょうか。
次章より詳しく紹介していきます。
車庫証明の具体的な取り方(代理人・第三者が取得する場合)
この章であなたにおさえておいてもらいたい知識に関する要点を先に伝えると、以下の通りになります。
- 委任状が無くても第三者が車庫証明を申請するのは可能
- 代行者がその場で提出書類の訂正することはできない
- 本人不在で訂正が必要になった場合は「本人の訂正印」で対応
ではそれぞれの内容を、次項より詳しく解説していきましょう。
委任状が無くても第三者が車庫証明を申請するのは可能
車庫証明の受付は、クルマの保管場所を管轄する警察署の交通課になります。
警察署は24時間年中無休ですが、車庫証明の受け付け窓口は市役所と同じです。
つまり平日の9時~17時の間がほとんど。
したがって「仕事があって警察署に足を運べない」という方も多く、誰かに代わりに出向いてほしいという場合も実際にあるでしょう。
そんな時、「委任状は必要なのだろうか?」と思い悩んでしまうのは当然のことです。
結果から言いますと、委任状が無くても可能です。
申請人が書類を完成させ、第三者に渡して代理として提出・受領することができますが、これらのプロセスを実行するうえで委任状は必要ありません。
代行者がその場で提出書類の訂正することはできない
委任状がなくても第三者が警察署の窓口まで出向いて提出・受領はすることができることは認識していただいたと思います。
ただ注意すべき点は、もし書類に不備があったケースだと、依頼を受けた第三者が本人の代行者としてその場で訂正することは不可能ということです。
たとえ捨印が押してあっても、車庫証明を取得するうえでは捨印は認められていないのであしからず。
本人不在で訂正が必要になった場合は「本人の訂正印」で対応
では訂正するためには、どうしたらベストなのでしょうか?
第三者が車庫証明を申請する際に、訂正が入り用になった場合、本人の訂正印(または署名)がないと訂正できません。
したがって、持ち帰って訂正印を押すことが不可欠です。
なお、あまりお勧めはできませんが、車庫証明を獲得したい本人の印鑑を預かっておくというテクニックあります。
しかし、大切な印鑑を預かることを了解してくれるかどうかは本人次第ですし、預かることそのものにリスクがあるので注意しなければいけません。
以上、「車庫証明の具体的な取り方(代理人・第三者が取得する場合)」を詳しく見ていきました。
では今回の記事の締めとして、確実に車庫証明を取得するために押さえておくべき必須ポイントについて詳しく見ていきます。
車庫証明の取り方で押さえておくべき3つのポイント
この章で絶対に理解していただきたい要点をまとめておくと、以下の通りになります。
- 土日祝日は一切手続きしてもらえない
- 車庫証明は「郵送」による申請は不可能
- オンラインでの申請も可能だが結局は足を運んで取りにいく必要あり
ではさっそくそれぞれの要点について、次項より詳しい解説をしていきましょう。
土日祝日は一切手続きしてもらえない
車庫証明は「申請」と「交付(受け取り)」の合計2回、警察署に足を運ぶ必要があります。
受付時間は平日9時から17時に設定されているところがほとんど。
当然ながら土日祝日は一切手続きしてもらえません。
そのため、平日に手続きする方法を考えなければならないのです。(なお年末年始である12月29日から1月3日の間も実施していません。)
また都道府県が変われば、受付に対する扱いが違うのも問題で、昼休みは受け付けていない場合もあります。
もし会社の昼休み中に警察署へ駆け込んで一連のプロセスを終わらせたい場合は、昼休み中(12~14時)でも受付してくれるかチェックしてから行った方が良いでしょう。
車庫証明は「郵送」による申請は不可能
車庫証明の郵送による申請は、許可されていません。
一方、申請後の受け取りについては、都道府県それぞれによっては郵送可能なところも存在します。
ただ、これは警察署のサービスではなく、警察署にある「地区交通安全協会」が提供しているサービスになります。
申請者の代理として「地区交通安全協会」が受け取り、その後に協会が申請者宛に送付してもらう形になるのです。
協会が受け取りと郵送を代行してくれる形になるため、郵送事務手数料がかかる仕組みになっています。
平成29年よりオンラインでの申請も可能!
警察署に行かないで済む申請方法として「オンライン申請」というテクニックがあります。
昔は一定の都道府県だけで採用されていた方法でしたが、平成29年より全国どこでもオンラインで申請できるようにパワーアップしています。
しかしオンライン申請はICカードリーダーやスキャナーなどの機材を、1万円以上かけて別途で用意する必要があるうえ、マイナンバーカードまで用意しなければなりません。
マイナンバーは「カード」まで発行している人は少ないでしょうから、面倒に感じる人は多いでしょう。
もっとも問題なのは、実際の引き取りに関しては警察署の窓口まで足を運ぶ必要があることです。
つまり、オンラインによる車庫証明の「申請」はまだしも、「受理」についてはいまひとつ便利ではないといえるのです。
だからこそ、平日にどうしても自分で行けないケースでは、前章で紹介した方法を参考にして第三者に頼む方が良いでしょう。
以上、「車庫証明の取り方で押さえておくべき3つのポイント」について解説してきました。
この章で解説した知識は「車庫証明の取り方」を理解する上で重要な知識なので、必ずおさえておくようにしてください。
まとめ
以上、「車庫証明の取り方」をテーマとして、多種多様な知識をレクチャーしてきましたが、いかがだったでしょうか?
車庫証明を具体的な取り方について、自分自身で取得する場合と、代理人・第三者が取得する場合の2つのパターンを理解いただけたと思います。
車庫証明は土日祝日になると一切手続きしてもらえないうえ、「郵送」による申請は不可能なので自分で行くことは難しい場合も多いです。
もし自分で行くのが難しいのであれば、今回紹介した方法を第三者に教えて代理で申請してもらうことをオススメします。
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