車の後ろのナンバープレートに、ペットボトルのキャップのような金属が装着されています。これは「封印」と呼ばれる物で、普通車のナンバープレートには絶対付けていないとダメな物です(軽自動車は封印義務無し)
仮に、イタズラ等で封印が破損してしまった場合は、再封印手続きを行う必要が有ります。以下、その手続についてまとめていきます。
なお、事故などで封印と共にナンバープレートも破損している場合は、ナンバープレートの再発行の手続きが必要です。この場合は、今回紹介する再封印手続きは必要有りません。
ナンバープレートの封印の意味
ナンバープレートの封印は、車が運輸支局で正式な登録・検査等を受けた上でナンバープレートを取得した事を意味しています(*)。その証拠として、封印には各都道府県の運輸支局を表す文字が印字されています。下の画像は兵庫県の場合です。
* 封印が無いと何らかの違法な手段で仕入れた車なのか!?と判断する事が出来ますね。
また、封印には「ナンバープレートの取り外し」や「車の盗難」を防止する役割も有ります。
ナンバープレートへの封印は義務なので、封印が破損した状態で走行すると取り締まりの対象となります。封印の意味や役割を考慮すると、割れているだけで警察からはかなり怪しまれるので、盗難者も神経を使う必要が出てきますので。
ちなみに、封印が施されるのは登録車のみです。軽自動車のナンバープレートに封印は施されません。
再封印の手続き詳細
再封印手続きは、車を使用する本拠地に関係なく、どこの運輸支局・自動車検査登録事務所でも行う事が出来ます。
ただし、封印自体は住所地を管轄する運輸支局の物なので、例えば、大阪で再封印手続きを行っても住所地が東京なら「東」の封印が施されます。各運輸支局は他の都道府県の封印をストックしているようですが、手続きが可能かどうかは事前に確認した方が良いでしょう。
封印処理は必ず運輸支局の専門係員が行わなければならない事になっているので、車を持ち込むようにして下さいね。
しかし、封印が完全に破損した状態で公道を走行すると交通違反になるので(【参考】封印を取り外すと違反になります)、運輸支局へ車を持ち込む際には仮ナンバーを利用した方が良いでしょう。
手続きの流れ
封印の再発行手続きの流れは以下の通りです。
- ①再封印申請書を入手(申請書は運輸支局内の販売所で購入するか国土交通省のHPからダウンロードして下さい)
- ②運輸支局内の記載例等を参考に申請書を作成
- ③書類を受付に提出。経由印が押された申請書を受け取ってください。
- ④ナンバープレート交付窓口にて「申請書」「車検証」を提出し封印の台座を購入
- ⑤封印所に車を持って行き係員に封印してもらう
運輸支局・自動車検査登録事務所によって、若干異なる場合が有ります。
必要書類
封印の再発行手続きに必要な書類は以下の通りです。
- ① 再封印申請書
- ② 車検証
- ③ 判子(認印で可)
代理人申請の場合でも基本的に委任状は必要有りませんが、運輸支局によっては委任状の提出を求められる事も有るので、事前に確認して下さい。
再封印申請書の記載例
再封印申請書の記載例は以下の通りです。
申請書の様式は、各運輸支局で異なります。
■記載するにあたっての注意事項
- ① 申請先の運輸支局名を記載(自動車検査登録所名では有りません)。なお、書類の様式によっては既に印字されている場合も有ります。
- ② 申請日を記載。
- ③ 申請者の住所・氏名を記載。上の画像の記載例の様式では「所有者」と記載されていますが、申請者で構いません。
- ④ 車検証に記載されている通りに「登録番号」と「車台番号」を記載。
- ⑤ 「キ損」と「判別困難」の場合は該当部分に「○」をするだけで構いません。「滅失」と「その他」の場合は、理由を簡潔に記載します。例えば、「その他」にマル印をし、理由の欄に「盗難に遭ったため」と記載します。
費用
封印の再発行手続きに必要な費用は、封印の台座の購入代金のみです。およそ50円~200円です。
【参考】封印を取り外すと違反になります
ここまでは、事故やいたずらなどで封印が破損した事を前提に話を進めてきました。自分の意志で封印を壊したわけではないので、それだけで違反になる事は有りません(走行したら違反です)。
では、自ら封印を取り外した場合はどうなるのでしょうか?
道路運送車両法には、以下のように規定されています。
第11条5項
何人も、国土交通大臣若しくは封印取付受託者が取付けをした封印又はこれらの者が封印の取付けをした自動車登録番号標は、これを取り外してはならない。
封印を取り外してはいけない事が分かります。さらに、取り外した場合の罰則も規定されています。その内容は「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」です(同法第108条一号)。
普段の生活の中で封印を取り外す場面はなかなか無いと思いますが、このような規定が有るわけですから、勝手に封印を取り外さないようにして下さいね。