車の手続きにおいて提出する「親権者の同意書」とは、親権者が未成年者の車の売買行為などに同意した事を証明する書類の事を言います。未成年者が名義変更手続きをする際に必須となる書類です。
今回は同意書の書き方などについて紹介します。
なお、同意書を提出する際は、親権者である事を証明する「戸籍謄本又は戸籍の全部事項証明書」と「親権者のうちの1人の印鑑証明書」を添付しなければなりません。
親権者の同意書の書き方
同意書の記載例は以下の通りです。黒のボールペンで記入して下さい。
書き間違えてしまった場合は、修正液で訂正してはいけません。再度用紙を印刷して、一から書き直して下さい。
① 自動車登録番号などを記載
自動車登録番号・車名・型式・車台番号を車検証に記載されている通りに記載します。新車を購入する場合など、自動車登録番号が決まっていない時は空白で構いません。
② 手続きに関わる未成年者の住所・氏名を記載
未成年者の住所・氏名を記載します。
③ 同意書の作成日を記載
年月日の欄には、同意書を作成した日付を記載します。
④ 親権者の住所と氏名を記載し実印を押印
親権者の氏名と住所を記載し、実印を押印します。念の為。押印する前に使用する判子が印鑑証明書と同一の印影かどうかを確認して下さい。(参考:認印と実印の違い)
親権者が両親の場合は、父と母双方の住所・氏名を記載します。一方、片親の場合は、1人分の住所・氏名で構いません。
なお、親がいない場合は「後見人」などの住所・氏名を記載します。
同意書のダウンロード
同意書のテンプレートは、国土交通省のHPでダウンロード(無料)する事が出来ます。そのまま印刷して利用して下さい。
ダウンロード先⇒国土交通省(PDF)
なお、印刷用紙は感熱紙ではなく、普通紙を使用して下さい。
【参考】未成年者とは
未成年者とは、20歳未満の人を指します。民法では以下のように規定されています。
(成年)
第四条 年齢二十歳をもって、成年とする。
つまり、20歳になる誕生日を迎えるまでは「未成年者」となります。さらに、同法次条では、未成年者の法律行為に関して、以下のような規定が設けられています。
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
車の売買も立派な法律行為なので、未成年者が行う際には「親権者の同意書」が必要になるわけです。上記の条文が名義変更手続き等に同意書を添付する根拠条文と言えますね。
ただし、20歳未満であっても結婚すれば「成年」とみなされ、親権者の同意書は不要です。これを「成年擬制」と言い、民法で以下のように規定されています。
(婚姻による成年擬制)
第七百五十三条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
なお、未成年のうちに離婚をしても「成年擬制」の効果は消滅しないと考えるのが通説のようです。つまり、同意書の必要性を考えるにあたっては、「婚姻中かどうか」ではなく「婚姻した事が有るか無いか」で判断する事になります。
ちなみに、未成年の人が結婚するにあたっては、親の同意書が必要です。
(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第七百三十七条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。