車の個人売買成立後の手続きや必要書類などについて紹介します。
当記事は「車検あり」かつ「車の所有車が売り手」の場合を想定した構成となっています。もし、所有権が信販会社などに有る場合は、売り手の人はまず所有権解除を行うようにして下さい。
また、車検の無い車を売買する場合についても、注釈等で紹介しているので読み進めていって下さいね。
個人売買を成立させるための手続き
個人売買は以下の通りに行っていきます。
- ① 車庫証明の取得 *1
- ② 名義変更手続き *2
- ③ 自賠責保険の手続き *3
*1 普通車の場合、名義変更手続きに車庫証明が必要になるので、まず車庫証明を取得します(軽自動車は名義変更後でも可能)。車庫証明の取得から発行までに3日~8日ほどかかります。
*2 名義変更手続きは、車の譲渡があってから原則15日以内に行わなければなりません。なお、車検が無い車は先に車検を取ってから、名義変更手続きをする事になります。
また、新旧所有者の住所地を管轄する運輸支局が異なる場合は、ナンバープレートの変更が必要になります。この場合、名義変更手続き時にナンバープレートを返納し、新たなナンバープレートを購入します。普通車は後部のナンバープレートに封印を施すので、車の持ち込みが必要です(軽自動車は持込不要)。
*3 自賠責保険の名義は売り手となっているので、自賠責保険も名義変更手続きを行います。なお、車検が無い場合は自賠責保険も切れていると思うので、新たに契約する事になります。
各手続きの必要書類
では、各手続きの必要書類について見ていきましょう。
車庫証明の必要書類
車庫証明の手続きは買い手が行う手続きです。必要な書類は以下の通りです。
- 自動車保管場所証明書・保管場所標章交付申請書(軽自動車は自動車保管場所届出書)
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用権原書面
- 収入証紙
- 住民票又は印鑑証明
- 認印
詳細は下記記事をご確認下さい。
名義変更手続きの必要書類
一般的に、名義変更手続きを行うのは買い手です。ただ、売り手の人が用意しなければならない書類も有ります。手続きがスムーズにいくように、両者の必要書類を確認しておきましょう。
■普通車の場合
買い手が用意する必要書類 | 売り手が用意する必要書類 |
---|---|
印鑑証明書 | 譲渡証明書(売り手の実印を押印) |
車庫証明 | 印鑑証明書 |
申請書(OCRシート第1号様式) | 自動車検査証 |
手数料納付書 | 委任状(売り手の実印を押印) |
自動車税・自動車取得税申告書 | |
実印 |
名義変更手続きには不要ですが、「自動車納税証明書」と「自動車リサイクル券」も売り手から入手して下さいね。
詳細は下記記事をご確認下さい。
普通車の名義変更に必要な書類・費用のまとめ
軽自動車の名義変更に必要な書類・費用のまとめ
自賠責保険の名義変更に必要な書類
自賠責保険の名義変更に必要な書類は以下の通りです。
- 自賠責保険承認請求書(売り手・買い手双方の押印(認印)が必要)
- 自賠責保険証明書
- 譲渡の意思が確認出来る書類(売り手の免許証や健康保険証、印鑑証明書(*)又は名義変更後の車検証)
* 譲渡の意思が確認出来る書類として印鑑証明書を用意する場合は、承認請求書には実印の押印が必要です。
自動車を売買する場合は、自賠責保険を解約して新規契約をする事は出来ません。自賠責保険の解約が出来るのは、車を廃車(一時抹消又は永久抹消)した場合などです。そのため、必ず名義変更手続きを行って下さい。
トラブルの回避方法
車の個人売買にはトラブルが付き物です。例えば、以下のようなトラブルが良く起こります。
- 入金したけど車が届かない
- 車を輸送したのに入金されない
- 手続きに必要な書類が届かない 等
トラブルは起こるものだと想定しておいて、そのための対策を事前に抑えておきましょう。主なトラブルと対策方法については以下の記事を参考にして下さい。
個人間売買で車を売却する時(買う時)によく起こるトラブルと対応策
なお、友人間での個人売買でもトラブルは発生します。むしろトラブルが発生しない事の方が少ないです。「お金」と「車の不具合」が絡むと友人関係にまで亀裂が入ってしまいます。
そうならない為にも、例えば、売却価格を少し下げる代わりに、車に不具合が発生しても何も文句を言わない約束をするなど、事前に取り決めをしておいた方が良いでしょう。
個人売買の時にかかる税金
個人売買の時にかかる税金は以下の通りです。
*1 初度登録からの経過年数が加味されるので、基準額や年式によっては自動車取得税が課税されない場合も有ります。
*2 車検が残っている場合には課税されません。
*3 ナンバーが付いている車の場合は課税されません。
なお、自動車重量税と自動車税(軽自動車税)の未経過期間に相当する金額については、売り手と買い手の取り決めによって、月割計算で売り手に支払う場合が有ります。
基本的に、車両本体価格に含まれているケースが多いですが、商談前に確認しておいた方が良いでしょう。