同じメーカーのディーラー同士を競合させるってありなの?
他メーカーのディーラー同士でライバル車を引き合いにして新車購入価格の値引き額を増やしている人でも、こういう疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
この点、結論から書きますが、同じメーカーのディーラー同士を競合させるのはアリです!そして、実際に値引きも受けられます。
ただし、注意点があります。
それは「同じ系列(同会社)のディーラー同士は競合させてはならない!」という事です。
以下、本文では主要なメーカー(ホンダ・日産・トヨタ・スズキ・スバル)別に競合させても良いディーラーとダメなディーラーを紹介しているので、既に購入する車が決まっている人は目次から該当のメーカーの部分だけでもチェックしてみて下さい。
別系列(別法人)のディーラー同士を競合させる。同系列(同法人)はNG!
同じメーカーのディーラー同士を競合させる場合、同じメーカーでも異なる系列のディーラー同士を競合させなければなりません。法人格が別のディーラー同士を競合させるという事です。
例えば、トヨタなら「トヨペット」と「ネッツ」を競合させる、マツダなら「マツダ」と「マツダアンフィニ」を競合させる、といった感じですね。
メーカー毎のディーラーの種類については、「日本特有!?日産やトヨタの販売チャネル制度(系列ディーラー制度)」を参考にして下さい。
ただし、間違っても同系列のディーラー同士を競合させてはいけません!
なぜなら、同系列(同法人)のディーラー間で「販売方針(値引き等)」や「情報」が共有されているからです。同じ系列のディーラーでは同じシステムを使用しているので、顧客データは見れてしまいます。
ディーラーに行ったら、名前や住所などの個人情報をお客様シートなどに書きますよね。それで交渉記録などをデータベースに登録しているのです。
仮に同系列の別ディーラーで見積もりを取ったとして、その際にあっちのお店では「△△円値引きしてくれたのにな~」とほのめかしても、後で確認されると簡単に嘘だとばれてしまいますよ。
また、値引き額が本当だったとしても、販売方針を守っていないディーラーに別のディーラーから苦情が入って、ディーラーとの関係を悪化させてしまいます。(ディーラーにお世話になるのは購入時だけではありません。)
とはいえ、我々ユーザー側個々人の交渉能力いかんで値引き額は大幅に異なるのも事実なんですけどね。
以下で、主なメーカー毎の競合時の注意点を見てみましょう。
ホンダのディーラーで見積りを競合させる際の注意点
(出典:一宮店 | Honda Cars 津名)
ホンダのディーラーといえばHonda Cars(ホンダカーズ)ですね。
ホンダカーズは全国にショールームがあるのですが、都道府県をまたぐと別法人(経営母体が別)になっている可能性が高いです。例えば、ホンダカーズ東京中央とホンダカーズ横浜とでは法人が別ですね。
同じ名前のディーラーでも法人が異なる場合は情報共有をしてないので、競合させてもOKです。
なお、同系列かどうかは販売店のホームページなどでわかりますよ。
日産のディーラーは要注意!
日産のディーラーといえば、「ブルーステージ」と「レッドステージ」の2系列です。平たく言えば、青い看板の日産と赤い看板の日産ですね。
ただ、そもそも2007年以降はレッドとブルーの区分けが廃止されていますので看板の色で会社を区別するのは難しいです。また、「青と赤で経営母体が違うから簡単!」と思いきや、1つの会社が青と赤の両店舗を運営しているケースも普通に有りました。
2018年時点では「日産プリンス○○株式会社」「○○日産自動車株式会社」「○○日産自動車販売株式会社」「株式会社日産サティオ○○」など会社名で区別するようにして下さい。
ただし、日産の場合は会社名が異なっても代表者が同じケースも有り得るので注意が必要です。
トヨタのディーラー同士(ネッツ等)で競合させるのは結構簡単!?
(出典:トヨペットディーラーの一例 埼玉トヨペット所沢支店 – Wikipedia)
トヨタのディーラーは以下の4つです。
- トヨタ店
- カローラ店
- ネッツ店
- カローラ店
これらは全て別法人なので、店舗毎に競合させるのは問題ありません。
一方で、カローラA店とカローラB店の両方から見積りを取るのは基本的にNGです。同じ法人の場合は同じシステムで情報共有してますからね。
但し、同じカローラ店でも市や県をまたげば別法人になる事も有ります(例えばトヨタカローラ千葉とトヨタ東京カローラは別法人)。別法人なのであれば競合させてもOKですよ。
スズキは系列の区別がやや困難!
(出典:スズキ自販兵庫 スズキアリーナ神戸西インター» | 兵庫県のスズキ正規ディーラー)
スズキ(SUZUKI)のディーラーは以下の2種類です。
- スズキ店・・・メーカ系列のディーラー
- アリーナ店・・・スズキとフランチャイズ契約を結んだ個人店舗
スズキ店とアリーナ店は経営母体が別なので、競合させても特に問題有りません。
しかし、最近多いのが、スズキ店なのにアリーナの看板を出しているケースです。こうなるともう見分けがつかないですよね。
従って、スズキはディーラー同士で競合させるのが他のメーカーと比べると少し難しいでしょう。自分が行こうとしている店舗についてHP等で検索するしかないですね。
スバルのディーラーは同系列が各都道府県に1個だから競合は簡単!?
(出典:大阪スバル – Wikipedia)
スバルのディーラーは「○○スバル自動車株式会社△△店」となっています。
店舗はたくさん有りますが、正規ディーラーは各都道府県に1社だけです。よって、同じ都道府県の店舗で競合させることはできません。
逆に言えば、隣の県までいけば必ず系列が別ということです。これはわかりやすいですね。従って、「間違えて同系列の店に競合させてしまった!」、というミスが起きず簡単に競合させる事ができます。
ただ、隣の県といってもかなり遠い事もあるので、わざわざ県をまたいでまで値引き交渉しにいく必要があるのかについては、要検討ですね。
【参考】都道府県をまたげば違うディーラーになる可能性大!競合させてもOK。
スバルのところでも書きましたが、ディーラーが存在する都道府県が違うと別系列(別法人)のディーラーである可能性が高いです。
たとえば、”兵庫県を対象エリアとする神戸トヨペット株式会社”と”大阪府を対象エリアとする大阪トヨペット株式会社”は、同じトヨペット系列(扱う車種も同じ)ですが、法人格は別物です。
従って、他に値引きさせる余地がない車などが欲しい時には、都道府県をまたいで値引き交渉するのもありかも知れませんね。
ただ、交通費や時間・労力の事も考えれば、新車の値引きに注力するよりも買取価格UPを狙ったほうがコスパが良かったりすることもあるので、その辺りは臨機応変に対応して下さい。
他ディーラーを引き合いに出すタイミングはなるべく「終盤」にする
同メーカーの他ディーラーを引き合いに出すタイミングは「終盤」にしましょう。
順序的には他メーカーのディーラー同士で競合させてから、同メーカーのディーラー同士を競合させるという感じ。やはり、他メーカーのディーラー同士で競合させた方が、値引き幅は簡単に大きくなりますから先にそちらを完了させて下さい。
その上で、同じメーカーの別系列にディーラーに「今これくらい値引きしてくれるって話があるけど、そちらではもっと値引きしてもらえますか?」と聞く感じ。
「ハリアー」が欲しい車だとして、上述の流れを解説すると以下のようになります。
- ①神戸トヨペットでハリアーの見積もりをとる
- ②日産ディーラーでハリアーのライバル車である「エクストレイル」の見積もりを取る
- ③神戸トヨペットと日産ディーラーで値引き競合させる
- ④、③が終わったら大阪トヨペットで「神戸トヨペットはこれくらいだったけど・・・」と質問する
そして、あくまでも同じメーカーのディーラー同士の交渉は「サラッと」終わらせるようにしましょう。ここを強引にやると営業マンに嫌われてしまいます。
営業マンからすると、「他メーカーと競合させた上に、更に同じメーカーのディーラーとも競合させるのかよ・・・」という感想を持つのは当たり前です。
新車は買ったら終わりではなく、購入後に定期点検・メンテナンスでディーラーと付き合いが続きます。気持ちよい関係を維持するためにも営業マンの過度な負担にならない範囲で行いましょう。
新車値引きのやり方に関する正しい手順は以下でまとめていますので、こちらもチェック。
また、車の値段は季節によっても変わってきます。以下の記事で新車が安くなりやすい時期をデータを元に解説しているので、気になる人はチェック!
【補足】ディーラーの統合が進めばこの方法は使えなくなるかも?
この記事で書いている方法は、同じメーカーで別系列のディーラーが存在している事が前提です。こちらの記事でも書いているように、最近は多くのメーカーでディーラーの統合化が進められています。
つまり、メーカーは「ディーラー毎に取り扱っている車種を共通化して消費者の利便性を上げていこう」としている訳です。
そうなると、そもそも「同メーカーの別系列のディーラー」という存在が無くなってしまうので、今回紹介した値引き方法が使えなくなってしまう可能性が有ります。新車購入を考えている人は、使えるうちに使っちゃいましょう!
法人格が別でも同系列のディーラーで値引き情報を共有するようになる可能性は無きにしもあらずです。
【そもそも論】なぜ同じメーカーのディーラー同士を競合させると値引き額がアップするの?
そもそも、なぜ同じメーカーのディーラー同士を競合させると、新車購入時に値引きが受けられるのでしょうか?
これは簡単な話ですね。新車ディーラーは新車を売るのが仕事です。
他のディーラーに客を取られるくらいなら、少し余分に値下げをしてでも自分達の店で売りたいからですね。まして、法人格が別であれば同じメーカーのディーラ-であってもライバル会社です。ライバル会社に負けるわけにはいきませんね。
担当者としても自分の成績にするために、やはり値引きを頑張ってくれます。
なお、ディーラーとしては、値引き幅が大きくなって1台あたりの利益幅が小さくなったり赤字になったとしても、販売後のお付き合い(車検や修理、保険など)で利益を得ることが出来るので、長期的に見れば値引きはそれほど痛手ではない様です。
なお、違うメーカー(ブランド)のディーラー同士で競合させるのであれば、そもそも車が別物なので特に気にする必要は有りません。
最後に!値引きよりも買取価格を上げるほうが簡単!
新車購入時の値引き交渉のテクニックとして”同じメーカーの別ディーラーと競合させる方法”を紹介しました。これは確かに有効です。
ただし、他メーカーのディーラーとも交渉して、更に同じメーカーの別ディーラーとも交渉するのって結構大変です。時間もかかりますし精神的にも疲弊します。値引き幅も他メーカーのライバル車と競合させる場合と比べると少ないですしね。
そう考えると「愛車の買取価格を上げる事に注力したほうがコスパ的に良い可能性が高い」です。
編集部としては
- ①ディーラー同士の競合は他メーカーのディーラー同士での競合にとどめる
- ②愛車の無料一括査定を使って買取価格を大幅にアップさせる
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