新車は高い買い物です。そのため、購入後に後悔しないように、車種・グレード・色・オプションなどを色々悩み抜いて決めますよね。
それでも、新車契約後に「色やオプションを変更したい」「契約自体をキャンセルしたい」と思う事も有ります。
この時、実際に契約内容の変更やキャンセルは可能なのでしょうか?
車はクーリングオフの対象外
契約を解除する方法として「クーリングオフ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?しかし、残念ながら車はクーリングオフの対象外です。
クーリングオフとは、契約から一定期間内で有れば、無条件で契約を解除する事が出来る制度を指します。訪問販売や電話勧誘販売などでは、商品内容について冷静に判断出来ないまま契約してしまう場合が有るので、クーリングオフ制度が設けられています。
車の購入契約は、消費者自らが店舗に足を運び契約内容を吟味し納得した上で契約を結ぶ、と考えられているので、クーリングオフの対象外となっています。
では、新車契約後にキャンセルする事は出来るのでしょうか?
新車契約後に車そのものをキャンセル出来るか
一般社団法人「自動車公正取引協議会」によると、契約成立前後でキャンセルが可能かどうかが変わってきます。
ここで言う「契約の成立時期」は、契約書に判子を押した時点を指すのではなく、以下のうちのいずれか早い日となります(自販連標準約款第4条)。
- 自動車を登録した日
- 架装(特別な部品を装着する事など)に着手した日(架装車の例)
- 自動車の引渡が行われた日
自動車ローンを組む場合は、ローン契約の内容次第となります。
ただし、契約成立時期については様々な解釈が有るので、契約書に判子を押す前にキャンセルについて確認しておいた方が良いでしょう。
契約の成立前は可能
契約の成立前であれば、車の購入そのものをキャンセルする事は可能です。
ただし、販売店が車庫証明手続きなどを既に行っている場合は、それらに要した費用を負担しなければなりません。
契約の成立後は基本的に不可能
契約成立後のキャンセルは、基本的に不可能です。
しかし、販売店によってはキャンセルに同意してくれる場合も有ります。この場合、各種手続きに要した費用とキャンセル料を負担しなければなりません。
一度登録をしてしまうと、その車は新車ではなく「中古車(未使用車)」となるので、それだけで価値はかなり下がってしまいます。この価値下落分がキャンセル料として反映される場合が多いです。
キャンセル料は、車種や販売店によって異なります。
車そのものをキャンセルして別の車に変更できるか
別の車に変更したい場合でも、キャンセルの取扱いは前述した通りです。
車のグレードや色を変更できるか
車のグレードは原則変更出来ません。
基本的に、新車は受注生産で製造されています。ディーラーが消費者と売買契約を結び、メーカーに発注します。発注を受けたメーカーは、下請工場など多数の工場で生産を開始します。
そのため、グレードを変更するとなると、関係各所に変更の指示を出さなければなりません。また、製造段階によっては物理的に変更が不可能な場合も有るので、グレードの変更は原則受け付けてくれません。
なお、色(ボディカラー)については変更可能な場合も有るようです。ただ、既に塗装してしまっている場合には、変更は難しくなるでしょう。
契約内容を変更したくなった場合は、なるべく早くディーラーに相談してみましょう。
車のオプションを変更する事は出来るか
オプションには「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」が有ります。メーカーオプションは原則変更が不可能で、ディーラーオプションは変更が可能な場合が多いです。
メーカーオプションは原則不可能
メーカーオプションは、メーカーが車を製造していく段階で取り付けられます。そのため、グレードの変更の場合と同様に、メーカーに発注が行われてしまうと、変更をする事は難しくなるでしょう。
ディーラーオプションは可能な場合が多い
ディーラーオプションは、基本的にメーカーが製造した車がディーラーに届けられてから取り付けられる物です。そのため、柔軟に対応してくれる場合が多いです。