三菱自動車の2014年度の国内新車販売台数は約11万台と、1990年代に何十万台も販売していた頃に比べるとかなり低迷しています。
国内の自動車需要が縮小によって、その他のメーカーも国内の新車販売台数は下降気味ではありますが、三菱自動車の低迷っぷりは際立っていると言えます。
なぜ、三菱自動車はここまで低迷してしまったのでしょうか。
三菱自動車の国内新車販売台数の推移
まず、三菱自動車の国内新車販売台数の「2000年度から2014年度まで」の推移を見てみましょう。
前年よりも販売台数が増加しているのは3年のみ(増加幅はかなり狭い)で、トータルで見ると見事な右肩下がりのグラフを描いています。特に、2004年度は前年度より10万台以上も減少している事がわかります。
販売台数低迷の原因
上記のグラフで見たように、三菱自動車の販売台数がここまで低迷してしまった主な原因は、以下の3点と考えられます。
- リコール隠し
- ダイムラーとの資本提携解消
- 取引相手は三菱関係者が多数
リコール隠し
三菱自動車の大型自動車部門のグループ会社である「三菱ふそう」のリコール隠しが、2000年と2004年の2度に渡って発覚しました。三菱ふそうはリコールの届出をせずに、秘密裏に改修していた事も発覚。
さらに、2004年のリコール隠しが発覚した時には、乗用車を販売している三菱自動車もリコール隠しをしていた事が発覚します。
これにより、三菱自動車の信用は地に堕ちて販売台数の低迷の一途を辿る事になります(当然ですよね)。
2004年の販売台数の大きな下落は、リコール隠しが原因だと考えれられます。
ダイムラーが資本提携解消
ダイムラー(当時ダイムラー・クライスラー)は、2000年に結んだ資本提携を2005年に株式を売却して解消しました。
「成績不振」と「リコール隠しの発覚」によって、ダイムラーに見放された格好になります(2004年に資金援助等の支援を拒否)。
販売台数は20万台をなんとかキープしていましたが、この資本提携解消が10万台へと減少していくきっかけとなります。
取引相手は三菱関係者が多数
三菱自動車の取引相手の多数が、三菱グループの関係者である事も「販売台数低迷」を招いた原因の一つです。
確実に売れる商圏があると、他へのサービスが疎かになってしまいます(それでもちゃんとやっている企業がほとんどなのですが)。
三菱自動車に限ってはそうではなかったようです。リコール隠しが如実に物語っていますね。
【追記】三菱自動車が【燃費不正】を行っていた事が発覚
2016年4月20日、三菱自動車が燃費試験で不正行為を行っていたことが分かりました。対象車種は三菱自動車で販売している軽自動車「ekワゴン」「ekスペース」と日産向けに生産している「デイズ」と「デイズルークス」の合計4車種です。対象台数は約62.5万台にも上ります。
ちなみに「デイズ」は2015年の軽自動車売れ筋ランキングで第三位(売上台数:150,696台)に入るほどの人気車種。燃費で購入を決めた人も多いでしょうから、そこを過大に表示させていた今回の行為は許されない行為です。
リコール隠しで大きな打撃を受けた経験が有るのに、あまり学習出来ていなかったようですね。
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