インドは2014年の国別自動車販売台数が「約320万台」となり、ドイツに次いで世界第6位の大きな市場を有する国です。
新興国の中では、中国・ブラジルに次いで3位の販売台数となり、各自動車メーカーも本格的に販売に力を入れ始めています。
インド市場の自動車販売台数の動向
近年のインド市場の自動車販売台数の推移を見てみましょう(商用車も含みます)。
2011年までは順調に販売台数を伸ばしていましたが、その後は横這いといった感じです。
世界6位の新興国の自動車市場となれば、右肩上がりで成長しているのかと思えばそうでも有りません。なぜなら、インドの1人当たりの国民総所得は1,410ドル(日本の約30分の1)であり、まだ国全体が豊かになっていないからです(2013年時点)。
そのため、高額な商品である自動車の需要よりも、価格の安い二輪車の需要の方がまだまだ大きいのが現状です。2014年の二輪車の販売台数は約1,600万台にもなり、その差は「約5倍」も有ります。
こういった現状はありますが、この先インド市場はまだまだ発展していくと考えられています。
現在の人口が12億人を超えていてさらに増加していく事、また経済発展が著しい事などから、10年後にはインド市場は「600万台」になるとも言われています。
インド市場における自動車メーカーの動向
インドは、輸入車に対して高い関税を設定し、輸入手続きを煩雑化させるなど、自国の自動車産業を保護してきました。また、外国企業のインドでの自動車生産が認められたのは1982年からです。その時に、日本から参入をしたのは「スズキ」だけでした(見事に成功)。
参考:スズキはなぜインドの自動車市場でシェア1位を獲れたのか?
外国メーカーに対して厳しい規制を敷く一方、国民に対しては小型車(排気量1200cc以下)の税金優遇の措置をとっています。そのため、インド市場で一番売れているのは「小型車」です。
スズキは「スイフト」や「ワゴンR」を、ホンダは「フィット」などを主軸に販売を行っています。
また、富裕層の増加に伴い、小型車だけではなくミドルクラスの乗用車の需要も伸びつつ有ります。
【参考】タタ・モーターズの「ナノ」
インドと言えば、タタ・モーターズから販売されている「ナノ」が激安の自動車として有名ですよね。ナノの価格は20万円前後と「世界最安」の自動車です。
■ナノの特徴
- 排気量624cc(33馬力)
- 最高速度100km/h
- 4人乗り
- 全長3.1m
- ワイパー1本 等
まさに価格破壊と言っていい自動車です。かなりのシェアを獲得するかと思いましたが、実際はインド市場の10%以下に留まり、インド国民にそこまで受け入れられなかったようです。
その理由は、使い勝手が悪くバイク利用者に認められなかったからです。
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