ガソリン車なら必ず装備されている「燃料タンク」。
とは、言っても燃料タンク自体を見た事が有る人は少ないはずです。車を下から覗かないと見れませんからね(覗いたとしても底の部分しか見れませんが)。そのため、多くの人が給油口しか見た事がないでしょう。
そこで今回はあまり目にする事の無い「燃料タンク」の構造などについて紹介したいと思います。
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燃料タンクの構造
冒頭でもチラッと書いたように、燃料タンクは車の下の部分に装着されています。ほとんどの車がリアシートの下辺りです。しかも、剥き出しです。引火性の有るガソリンを入れるタンクなので、何かに保護された構造になっていると思っている人が多かったのではないでしょうか。
で、燃料タンクの構造ですが、以下の画像のような感じです(車種・メーカーによって異なります)。
(出典:MINILOG)
簡単に説明すると、ガソリンタンクは給油する為の給油口やパイプ、ガソリンを貯蔵するタンク、そしてエンジンへガソリンを送り込むポンプによって構成されています。その他の主な部位の役割は以下の通りです。
- フィラーパイプ・・・給油口と燃料タンクを繋ぐパイプ
- ブリーザーパイプ(チューブ)・・・給油時のタンク内の空気抜きと満タン給油の規制 *
- センターゲージ・・・ガソリン残量の測定装置
- ポンプユニット・・・ガソリンをエンジンへ送り込む装置
- セパレーター・・・燃料タンク内のガソリンの流動を抑制して、流動音などを防ぐプレート
- カットオフバルブ・・・車が横転した時などにガソリン漏れを防ぐ装置
* ガソリンを給油すると、タンク内に有る空気がブリーザ―パイプを通って抜けていきます。給油量がブリーザーパイプの高さに達すると、空気ではなくガソリンがブリーザ―パイプを逆流し吹き返しが起こります。それを給油ノズルが感知して給油を停止させる仕組みになっています。
【豆知識】車内から給油口の位置を知る方法
ガソリンスタンドに行った時に「給油口って左右どっちに有ったかな」と迷った経験をした事は有りますか?買ったばかりの車やレンタカーなど、慣れていない車を運転している場合に多いかと思います。車を降りて給油口の位置を確認するのは少し恥ずかしいですよね。
実は、給油口の位置を車内から確認する方法が有るんです。メーターに設置されてある「燃料計」を見れば一目瞭然なんですね。
下の画像を見てもらうと、ガソリンのマークの左に「◁」が付いていますよね。これは給油口の位置を表しているんです。つまり、画像の場合は左に給油口が有るわけです(給油口が右ならマークの右側に「▷」)。
給油口がどっちに有るか分からない場合は、燃料計のマークを見るようにして下さいね(車種によっては三角のマークが無い場合も有ります。)。
燃料タンクのメンテナンス「水抜き」
燃料タンクは「水抜き」のメンテナンスが必要とよく言われます。その理由は、燃料タンクに有る空気が結露によって水分を発生させサビの原因となるからです。
しかし、最近の燃料タンクはサビに強い樹脂系のタンクが採用されていたり、防錆加工が施されていたりするので、基本的に水抜きをする必要は有りません。
【段差には注意】燃料タンクの損傷の恐れ
前述したように、燃料タンクは剥き出しに設置されている場合が多いです。車種によっては、バンパーよりも燃料タンクの方が低く設置されている場合が有ります。
そのため、段差の有る所を走行した時に、燃料タンクが損傷してしまう事が有ります。穴が開くような弱い構造では有りませんが、凹んだり、センターゲージが機能しなくなってしまうんですね。
センターゲージ自体はそんなに高い部品では有りませんが、交換するのに燃料タンクを一回取り外す場合が多く、工賃が嵩んで修理代が高くなってしまいます。
段差を通らなけらばならない場合はより慎重に走行するようにして下さいね。