車は「消耗品の塊」と言っても過言では有りません。購入後一切メンテナンスや部品交換をせずに乗り続ける事は不可能です。そんなことをしていたら、いつか必ず問題が発生します。
そこで今回は主要消耗品のメンテナンス時期の目安をまとめて紹介します。
主要消耗品のメンテナンスと交換時期の目安
まず、主要消耗品の交換時期は概ね以下の通りです。
注:一覧表に記載されている交換時期はあくまで目安です。メーカーや車の使用状況などによって異なる場合が有りますので、参考程度にご利用下さい。
消耗品 | 交換時期の目安 |
---|---|
エンジンオイル | 都市部:7,500km又は6か月 郊外:15,000km又は1年 |
ブレーキパッド | パッド残量が3mm~5mmで検討 (2mm以下は即交換) |
バッテリー | 2年~4年毎 |
ウインドウォッシャー液 | タンク残量が減っていたら (1カ月毎にチェック) |
ワイパーブレード | 1年又は10,000km |
冷却水 | 通常のLLC:車検毎 スーパーLLC:初回7年又は16万km、2回目以降4年又は8万km |
タイヤ | 残り溝が2mm~3mm (1.6mm以下は必ず交換) |
サスペンション | ブッシュ:10万km ショックアブソーバー:4万km |
ATフルード | 5万km |
ブレーキフルード | 車検毎 |
ブレーキキャリパー | 10年又は10万km |
ブレーキローター | 10万km |
オルタネーター | 15万km |
タイミングベルト | 10年又は10万km |
ヘッドライト | HID:1,500時間~2,000時間 ハロゲン:400~500時間 |
エアクリーナー | 50,000km |
エンジンオイル
エンジンオイルの主な役割は、エンジン内部に発生するスラッジなどの汚れを洗浄する事です。ただ役割を果たす過程でエンジンオイルは少しずつ汚れていってしまいます。エンジンオイルを交換せずに乗り続けると、洗浄効果が発揮されず、最悪の場合エンジンが焼き付いてしまいます。
エンジンが正常に作動するために、エンジンオイルの定期的な交換が必要です。5,000kmごとに交換している人もけっこういますね。
なお、エンジンオイルの汚れをろ過するオイルフィルターも1年毎に交換しておきましょう。
エンジンオイルの交換の目安~都市部と郊外では交換時期はかなり変わります
ブレーキパッド
ブレーキパッドは制動装置の一部です。交換目安はブレーキパッドの残量の他に、ブレーキを踏んだ時に「キーキー」という音がなった事でも判断する事が出来ます。
自動車のブレーキパッドの交換時期の目安~車がブルブルしだしたら要注意。
バッテリー
「バッテリー上がり」が車のトラブルの中で最も多いトラブルです。交換時期の目安だけを頼りにするのではなく、半年に1回ぐらいはバッテリーの性能チェックをしておく方が良いでしょう。
ウインドウォッシャー液
車のガラスの汚れを取るためのウインドウォッシャー液。走行機能に直接関係ないため放置している人も多いです。安全運転には当然「視界の確保」は必要不可欠なので、1カ月に1回ぐらいは残量をチェックしておいた方が良いでしょう。
ウィンドウウォッシャー液の交換・点検サイクルとウォッシャー液の選び方
ワイパーブレード
ワイパーブレードが劣化すると、吹き残しや作動時にガラスとの摩擦音が発生したりします。放置しているとラバーの部分が切れてガラスを傷付けてしまう事も有ります。
走行機能とは直接関係有りませんが、ワイパーブレードのチェックは欠かさず行っておきましょう。
冷却水
冷却水には主にエンジンを冷やす役割が有ります。この事からも分かるように、冷却水が無くなってしまうとエンジンがオーバーヒートを起こしてしまいます。
交換時期の間隔が長い「スーパーLLC」を使用していたとしても、どこかから漏れて液量が少なくなってしまう事も有るので注意が必要です。2,3ヶ月に1回は残量のチェックをするようにしましょう。
タイヤ
タイヤは非常に重要な消耗品です。溝が少なくなると、グリップ力が低下して、スリップや制動距離が伸びてしまい非常に危険です。溝の深さのチェックは忘れずに行いましょう。
また、チェック時には溝の深さだけでなく、溝に挟まった石や亀裂の有無のチェック、空気圧のチェックも行って下さいね。
なお、タイヤ交換後にはホイールバランスやアライメント調整も忘れずに行いましょう。
サスペンション
サスペンションはブッシュやショックアブソーバーなどで構成されています。路面からの衝撃を吸収するのが役割です。
交換時期の目安だけでなく、乗り心地が悪くなったり、車酔いしなかった子供が車酔いするようになったなどの事象から交換を検討しても良いでしょう。
ATフルード
ATフルードはトランスミッションを正常に作動させるために必要なオイルです。ATフルードが劣化してしまうと、シフトチェンジの際に衝撃が強くなったり、反応が悪くなったりします。
ブレーキフルード
ブレーキフルードは、ブレーキオイルとも呼ばれ、ブレーキの効きを左右する重要な液体です。
劣化すると沸点が下がり、ブレーキの熱でブレーキフルードが沸騰する「べーパーロック現象」が起こります。そうなると、ブレーキの効きが悪化してしまうので、かなり危険な状態に陥ります。
車のブレーキの日常点検の手順とブレーキフルードを交換するタイミング
ブレーキキャリパー
ブレーキキャリパーとは、ブレーキパッドを内側に装着し、パッドをブレーキローターに挟み込む役割を果たしている制動装置の要です。劣化すると、ブレーキパッドの挟み込みが弱くなり制動力の低下に繋がります。
ブレーキローター
ブレーキパッドがブレーキローターを挟み込む事で制動力が生まれます。ブレーキローターが劣化すると表面が凸凹になり、ブレーキパッドと上手く噛み合わなくなります。そうなると、当然ブレーキの効きが悪くなります。
スパークプラグ
スパークプラグには、エンジンに送り込まれたガソリンと空気を最大限のパワーが発生するタイミングで点火させる役割が有ります。スパークプラグが劣化すると、点火に失敗したりするので、燃費の悪化に繋がります。
交換時期が到来していないのに燃費が悪くなった場合は、スパークプラグの交換を検討した方が良いでしょう。
オルタネーター
オルタネーターは、エンジンの回転を利用して、電気を発生される装置です。発生した電気はオーディオやエアコンなどに使用されたり、バッテリーに充電されます。
車を普段から有る程度の距離を走行させているのにバッテリーが上がり気味の場合は、オルタネーターがヘタっている可能性が高いです。
タイミングベルト
タイミングベルトは、エンジンの吸気や排気などを適切なタイミングで行うようにする装置です。タイミングベルトが切れてしまうと、エンジンが掛からなくなります。また、走行中に切れるとエンジンのピストンやバルブが損傷する可能性が高く、エンジンまで壊れてしまいます。
交換時期の目安は、ディーラーでも10万kmと設定されていますが、8万kmを超えた辺りで交換を検討した方が良いかもしれません。
ヘッドライトなど
車には様々な灯火類が装着されています。ヘッドライトやブレーキランプなどなど。視界の確保や他車からの視認性の向上、右左折などの意思表示など、安全に走行する上で重要な役割をそれぞれのライトが担っています。
ランプ切れを起こすと、事故に巻き込まれる可能性が高まるのは言うまでも有りません。運転前に必ずチェックするようにして下さいね。
ヘッドライト交換時期の目安とランプ切れで事故を起こした場合の罰則など
エアクリーナー
エアクリーナーはエンジンに送り込む空気をろ過する役割を担っています。そのため、走行距離が伸びるにつれて、空気中のゴミやホコリによって、どんどん汚れていきます。汚れたまま放置していると、エンジン性能が低下し燃費の悪化に繋がります。
その他のメンテナンス
消耗品の交換以外のメンテナンスについて気になる人は以下の記事を参考にして下さい。
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