街中を走っていると、普通車っぽいのに付けているナンバーが「1」や「4」の車を見かける事が無いですか?
ナンバーが1や4の車は「貨物車」を意味しているのですが、普通車と貨物車は何が違のでしょうか?また、普通車から貨物車に構造変更するにはどうすればいいのでしょうか?以下で見ていきましょう。
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貨物車の要件(普通車と貨物車との違い)
一般的に皆さんが乗っている車は、3ナンバー(普通車)か5ナンバー(小型乗用車&軽自動車)で、これらは排気量やボディサイズによって分類されています。
3ナンバーと5ナンバーの税金・車検費用・サイズの違いまとめ
1ナンバーや3ナンバーなど分類番号による車の種類の違い
では、街中を走っている1ナンバーや4ナンバーの車はどういった車を指すのでしょうか?
この点、1ナンバーや4ナンバーの車は、主に以下の要件を満たした車のことを言います(参考:国土交通省「自動車の用途等の区分について」)。
- 貨物の床面積が1㎡以上あること
- 貨物の積卸口の寸法が縦80cm×横80cm以上あること
- 乗車部分と貨物部分の間に適当な隔壁又は保護仕切等があること
(最大積載量500kg以下の自動車で乗車人員が座席の背あてで十分保護されている場合は不要)
条件に「貨物」とある事から分かる様に、1ナンバーと4ナンバー車は「貨物車」のことを指します。
これこそが、3ナンバーや5ナンバーとの最も大きな違いですね。3ナンバーや5ナンバーなどの乗用車は「人を運ぶ事が目的」ですが、1ナンバーや4ナンバーは「物を運ぶ事が目的」なのです。
荷物を運ぶ事がメインの「貨物車」には、「普通貨物車」「小型貨物車」「軽貨物車」の3種類が有ります。そして、それぞれの種類毎のナンバーは以下の通りとなります。
種類 | ナンバー |
---|---|
普通貨物車 | 1 |
小型貨物車 | 4 |
軽貨物車 | 4 |
なお、4ナンバーには以下の排気量とボディサイズの条件が有り、どれか1つでも上回ると1ナンバーとなります。また、軽貨物車は軽自動車のサイズ(※)に収まる貨物車です。
※:排気量660cc以下・全長3,400mm以下・幅1,480mm以下、高さ2,000mm以下
- 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下
- ガソリン車の場合は、排気量2L以下(ディーゼル車は制限無し)
ちなみにこの条件は、5ナンバー車の排気量とボディサイズの条件と同じです。
普通車から貨物車への構造変更
普通車も、上記の要件を満たせば貨物車へ構造変更(※)をする事が出来るのですが、なぜわざわざ構造変更をする人がいるのでしょうか?
※:登録自動車に、車の全高、全幅、全高、乗車定員、最大積載量、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、用途、などに変更を生ずるような改造をした場合、運輸支局等に車を持ち込み「構造等変更検査」を受けなければなりません。(参考:国土交通省)
これは「税金等の維持費を節約する為」だと言われています。自動車の維持費は税金や車検費用、高速料金など様々なものがかかります。そして、普通車から貨物車に構造変更すると、これらの維持費が節約出来るのです。
1ナンバーと4ナンバーの税金・車検費用・高速代など料金まとめ
構造変更に必要な改造
元々貨物車両用として作られた車であれば特に問題無いのですが、通常の乗用車が上記の条件を満たす為には、少し手間がかかります。
(画像参照元:Favcars)
まず、どの様な車でも貨物車に変更出来るという訳ではなく、例えばランドクルーザー100等の大排気量のSUV車が、1ナンバーである普通貨物車に適していると言われています。
そして、3列目シートを外し、荷室を大きくする事で「貨物自動車です!」と主張して登録する事になります。3列目シートを外すので、元々は定員7〜8名の車が定員5名となり、また、2列目シートはリクライニングが出来ない様にする必要があります。
1ナンバーや4ナンバーにする事で、後部座席の乗り心地は悪くなりそうですね・・・。
構造変更には車検が必要
「乗用車を貨物車に登録し直すことは違法では?」と思うかもしれませんが、この点については条件を満たしていれば法律上の問題は有りません。
但し、メーカーが当初製造したときの構造を変えてしまう事になるので、上述した様に道路運送車両法第67条に基づき、構造等変更検査を受けてナンバーを再取得する必要が有ります。
第六十七条 自動車の使用者は、自動車検査証の記載事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、当該事項の変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の記入を受けなければならない。ただし、その効力を失つている自動車検査証については、これに記入を受けるべき時期は、当該自動車を使用しようとする時とすることができる。
注:貨物車から乗用車に登録を戻す場合も同様に検査を受ける必要が有ります。
なお、1ナンバーや4ナンバーへの変更は、車検を通す手続きと同じなので、「車検証・自賠責保険証明書・納税証明書・認印」が有ればOKです。但し、「構造等変更検査」となるので検査費用として2,100円(小型自動車は2,000円)が必要となります。
ちなみに、貨物車登録をする際のデメリットとしてよく取り上げられるのですが、貨物車は1年に1度車検を受ける必要が有ります。普通車だと2年に1回で良かった事を考えると、面倒ですね。
中には、税金等を安くする為に構造変更して、登録した直後に元の仕様に戻す方がいます。この様な行為は脱税行為となりますし、登録上の乗車定員と実際の乗車定員が異なる場合は「定員外乗車」により違反の対象となるので、絶対にやめましょう。
まとめ
いかがでしたか?1・4ナンバーと5・3ナンバーの違いが、乗用車か貨物車かの違いだという事、条件を満たせばナンバーを変更する事も可能だという事が分かりましたね。
なお、自分で構造変更の為の改造をするのは大変なので、専門の業者に依頼する様にしましょうね。