車の停車中や走行中(アクセルから足を離したとき)にギアをニュートラル(N)に入れる方がいますが、実はこれは燃費の点では好ましくないって知っていますか?以下で詳しく見ていきましょう
以下の話は、AT車が前提です。
ニュートラルよりもドライブの方が燃費が良い!
停車中にギアをニュートラルに入れる人の多くは、「ブレーキを踏んでいるのが疲れる」「ニュートラルにすると燃費が良くなる」と考えているからではないでしょうか。
確かに、ブレーキは踏み続けるのは疲れるでしょうから、その意味ではニュートラルにする事にメリットは有ります。しかし、燃費が良くなるという点に関しては間違いです。
AT車の場合、ギアをドライブ(D)にしていると、アクセルを踏まなくても前に進みます(これを「クリープ現象」と言います)。そして、前に進まなくなる様に「ギアをニュートラルにすれば燃費が良くなるのでは!」と思いがちです。
確かに、一昔前までの車は停止中はニュートラルにしている方が若干燃費が良くなっていました。しかし、それはエンジンの電子制御が無かった時代の話です。最近の車は電子制御が有り、トルクコンバーターでエンジンの動力を吸収してくれるので、ドライブの方が逆に燃費が良くなります。
参考:「シフトチェンジを頻繁にすると車への負担が大きくなる」と心配する方がいますが、この点については最近の車は高性能なので、気にする必要は特に有りません。但し、BMWなどの輸入車については故障し易いので、極力シフトチェンジは控えめにした方が良い様です。
走行中のニュートラルも燃費×
走行中、アクセルを踏んでいない間にニュートラルにするのも、燃費を悪くしてしまうので注意が必要です。
走行中にニュートラルにするとエンジンの回転は落ち、惰性で走り続けます。しかし、エンジンがかかっている限り燃料は徐々に消費されていきます。
そして、アクセルを離すとエンジンブレーキがかかり(※)、コンピュータ制御によって燃料が節約されるのですが、ニュートラルにすると、エンジンブレーキがかからないので燃費が節約されないのです。
※:車種によっては「O/D(オーバードライブ)ボタンが有り、押すとギアが一段下がるので、効率的にエンジンブレーキを使う事が出来ます。
従来の車は、ニュートラルにすると燃費が良くなりましたが、最近の車は違うという事を覚えておきましょう。
また、JAFも過去にツイッターで以下の様に危険性について注意喚起しています。
ATミッションのクルマで、交差点で停車するたびニュートラルにする人を見かけますネ。万が一エンジン回転が高い状態でドライブにシフトしてしまうと大変危険。大事故にもなりかねません。エンジンが動いている状態では燃費にほとんど差がありませんヨ。
2013年10月31日 07:39 @jaf_jp
なぜ危険かというと、ニュートラルに入れている事に気付かずに青信号に変わった際にアクセルを踏むと、当然エンジンの回転数が上がります。アクセルを踏んでも車が動かない事に気付き、慌ててギアをドライブに入れると回転数が高いまま車が動き出すので、急発進となってしまうからです。
要は、AT車の場合は「必要の無い限り、ニュートラルにはしない方が良い」という事ですね。