新車特約(新車買替特約)は、車両保険に付帯させる特約の一種で、場合によっては非常に助かる特約です。なんと言っても車両保険価額以上に補償が効きますからね!
ただ、「車両保険だけでも高いのに新車特約なんて必要なの?」と思われた人も多いと思うので、以下新車特約の内容について詳しく見るとともに、必要性について考えてみたいと思います。
ちなみに、本文でも書いていますが新車特約を付帯させることが出来る期間はおおむね「登録日から3年程度」です。保険会社によっても変わりますので詳細はこちらをチェックして下さい。
新車特約(新車買替特約)とは?
新車特約とは、購入後間もない時期に交通事故を起こした場合に新しく車を購入する為の費用を補償してくれる、というもので車両保険に付帯させる特約の一種です。保険会社によっては、車両新価特約とか新車買替特約とも呼ばれています。
交通事故によって車が全損(全損ではないが修理が不可能、という場合も含みます)となったり、契約時に設定した新車価格相当額の50%以上の損害額となった場合(※)に補償を受ける事が出来ます。
※:走行に支障がない箇所(内外装・外板部品など)の修理費用は対象外です。
但し、新車特約はどの様な車にでも付帯出来るという訳では有りません。保険会社によって扱いは異なりますが、名称の通り基本的に「新車(※)」が対象となっています。
※:中古車でも後述する期間内であれば新車特約を付帯する事が出来ます。
新車特約がある保険会社と保険会社のいつまで付帯できるかの期間まとめ
新車特約は全ての保険会社で付帯出来る訳では有りません。また、いつまでも付帯出来るという訳でも有りません。
以下で、新車特約が有る保険会社と、いつまで契約出来るのかを見てみましょう。なお、表中にあるA〜Dは以下の付帯可能期間と対応しています。
A:満期日の属する月が契約車両の初度登録年月の翌月から計算して37ヶ月以内
B:契約期間の初月が契約車両の初度登録年月の翌月から起算して25ヶ月以内(ソニー損保は保険始期日から25ヶ月以内)
C:契約期間の初月が契約車両の初度登録年月の翌月から起算して11ヶ月以内
D:共済契約の満了日が最初の車検期限日の末日までに含まれている事
E:契約期間の初月が契約車両の初度登録年月の翌月から起算して61ヶ月以内
保険会社名 | 付帯が可能な期間 |
---|---|
あいおいニッセイ同和損保 | E |
朝日火災 | A |
イーデザイン損保 | C |
共栄火災 | A |
セゾン自動車 | B |
ソニー損保 | B |
損保ジャパン日本興亜 | E |
東京海上日動火災 | E |
日新火災 | A |
マイカー共済 | D |
三井住友海上 | E |
こうして見ると、契約出来る期間は保険会社によってマチマチな事が分かりますね。加入する前に予めどの保険会社がいつまで契約出来るか、というのは把握しておいた方が良いですね。
補足:アクサダイレクト・AIU保険・エース保険・SBI損保・JA共済・セコム損保・ゼネラリ・そんぽ24・チューリッヒ・三井ダイレクト損保は、今のところ新車特約を導入していない様です。
車両保険との違い
新車特約と通常の車両保険との違いは何でしょうか?
この点、車両保険は保険始期時点での車の時価である「車両協定保険価額」に基づいて契約額が決定されます。一方で、新車特約は、保険始期日時点で契約車両と同一の新車を購入したときに必要な金額である「車両新車保険価額」をもとに契約額が決まります。
車両保険の保険金額である車両協定保険価額は、車の時価を表すものなので時価に合わせて年々金額が下がっていきます。
例えば、新車購入後3年目で交通事故に遭ったとしましょう。新車購入時の価格が300万円で、事故時の価格が160万円だったとします。車両保険の場合は、時価までしか補償されないので保険金は160万円までしか貰う事が出来ません。
一方で、新車特約だと、時価に関わらず新車価格相当額を限度に保険金が支払われます。従って、事故時の時価が160万円だった場合、新車価格相当額の300万円と時価との差額である140万円が、新車特約を付帯する事によってカバーされるという訳です。
つまり、車両保険と新車特約の違いは、補償される金額が契約車両の時価までなのか新車価格相当額までなのか、という点ですね。
あと、新車特約は”車両盗難”には使えませんのでここも注意が必要です。
他の特約との違い
車両保険の特約には様々なものが有りますが、中には新車特約に似た様な特約が有ります。以下で、それぞれの特約の簡単な内容と新車特約との違いを解説していきます。
無過失事故特約
「無過失事故特約」は、交通事故の相手側が無保険だった場合に、役に立つ特約です。相手方が無保険で、しかも修理代を負担しようという誠意も見られない様な場合、自分の車は車両保険を使って修理をしなくてはなりません。
しかし、もらい事故(例:信号で停止中に後ろから追突された)の様に、契約者に過失が無い様な事故の場合でも、保険を使って修理をすると等級が下がってしまい、翌年の保険料が一気に上がってしまう事になります。それはさすがに酷ですよね。
そこで、役に立つのがこの無過失事故特約です。事故発生時に契約車両の運転者が無過失で、相手方のナンバーや運転者の住所・氏名等が分かる場合、車両保険を使っても等級が下がらず、事故有係数適用期間にも影響しないのです。
従って、両者の違いは、車両保険利用時に等級がさがるかどうか、という点ですね。
車両全損修理時特約
「車両全損修理時特約」は、交通事故により契約車両が全損となり車両保険を使った場合に、車両保険の保険金額に50万円等の一定の金額を上乗せした保険金を受け取る事が出来る、というものです。
上述した様に、車両保険は時価までしか補償してくれないので、必ずしも修理代の全額が補償されるとは限りません。そこで、車両保険で負担しきれずに自己負担が発生してしまった場合に、上乗せ金額で賄おうという事ですね。
両者には、車両保険金に一定の金額が上乗せされるか、車両保険金と新車価格の差額が補償されるか、という違いは有りますが、基本的には同じ性質の特約です。従って、車両全損修理時特約は、車両新価特約が契約出来る期間中は付帯する事が出来ません。
車両全損時諸費用特約
「車両全損時諸費用特約」は、契約車両が交通事故により全損になった際に、廃車費用や車の買い替えに必要な諸費用を補償してくれる、というものです。
補償金額は、車両保険金額の10%(上限は20万円)としている保険会社が多いです。
新車特約は、新しく車を買う為の費用を補償してくれるものなので、諸費用を補償する車両全損時諸費用特約とは補償の目的となるものが違いますね。
新車特約の必要性は?つけたほうが良い?
ここまでで、新車特約の特徴や車両保険その他の特約との違いを解説してきましたが、実際のところ新車特約は付帯させた方が良いのでしょうか?
新車特約は、一般的な車で有れば年間1万円前後で付帯させる事が出来ます。1万円程度の負担で、車両保険でカバー出来ない部分をカバー出来るのだから、安いものですよね。
また、交通事故に遭うと、修理をするか買い替えるかで悩む事が有りますが、上述した様に新車特約が使えるのは車に著しい損傷が有る場合のみです。著しい損傷が有る場合は、事故車(修復歴車)とみなされ、買取査定額は一気に下がるので、敢えて修理をせずに新車に買い替えた方が得だと言う事も出来ます。
従って、修理したいけど修理費用が高いし、将来車を売る時に買取額が低そうで不安、という方にはピッタリな特約でしょう。新車特約は可能な限り付帯しておく事をオススメします。
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