自賠責料金っていくらなの?車の種類によって変わるって聞いたけど…。
はい、確かに自賠責保険はバイクや軽自動車、普通自動車など、「種類」が変われば料金も変わる仕組みになっています。
しかし実は、自賠責保険料金(以下「自賠責料金」)は、種類だけでなく「期間」によっても、支払い金額が区分されていることをご存知でしたか?
自賠責料金は36か月分(初回の保険加入時)または24か月(2回目以上の更新時)で支払うことになるのですが、24か月と36か月以外の期間も、保険料が設定されています。具体的には以下の通り。
車種/保険期間 | 12ヶ月 | 13ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヶ月 | 36ヶ月 | 37ヶ月 | 48ヶ月 | 60ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 15,520円 | 16,380円 | 25,830円 | 26,680円 | 35,950円 | 36,780円 | ー | ー |
軽自動車(検査対象車) | 15,130円 | 15,960円 | 25,070円 | 25,880円 | 34,820円 | 35,610円 | ー | ー |
バイク(250cc超) | 8,290円 | 8,560円 | 11,520円 | 11,780円 | 14,690円 | 14,950円 | ー | ー |
バイク(125cc超~250cc以下) | 8,650円 | ー | 12,220円 | ー | 15,720円 | ー | 19,140円 | 22,510円 |
原動機付自転車・バイク(125cc以下) | 7,500円 | ー | 9,950円 | ー | 12,340円 | ー | 14,690円 | 16,990円 |
もしこの事実について知らなければ、他のネット記事に紹介されている自賠責保険料金の早見表を見て、一体自分は何か月分を支払えばいいのか、さっぱりわからなかったことでしょう。
しかし、ご安心ください。今回の記事ではファイナンシャルプランナーである筆者が、自賠責料金の早見表だけでなく、「なぜ24か月分と36か月分以外の料金設定もあるのか」という理由まで解説しています。
自賠責保険の料金について知りたい人には必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【基礎知識】自賠責保険とは?
自賠責料金について解説する前に、まずは「自賠責保険とは何なのか」という、基本的な知識について紹介していきましょう。
もちろん「自賠責料金だけわかれば良い」と言う人は、次の「【早見表】最新の自賠責料金の一覧」まで飛ばしてもらって構いません。
ただ、この章で解説する「自賠責保険に加入する期間」は、後述する自賠責料金に深く関わってくるため、なるべくならチェックしておくことをオススメします。
自賠責保険は強制的に加入する保険
自賠責保険とは、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」と言い、全ての自動車に加入義務がある保険のこと。「強制保険」とも呼ばれる
交通事故が起きると「損害賠償」が発生しますが、金額は非常に高額です。もし加害者側となってしまえば、ポケットマネーだけでは支払いきれないでしょう。
一方、被害者になった場合に相手が無保険だと、十分な損害賠償を受けられません。
このように全く保険に入っていない状態だと、加害者・被害者ともに不利益を被るため、強制的に加入する保険として「自賠責保険」が存在します。
なお、自賠責保険は法律で強制的に入らなければならないため、もし入っていないまま走行をすると、以下のような罰則が発生するので要注意。
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 違反点数6点(免許停止処分)
早い話が、自賠責保険に入らないまま、運転した場合は「罪を犯した」ことになりますよ。
自賠責保険の加入期間は「24か月」または「36か月」
自賠責保険の加入期間は、「車の種類」で、変わる仕組みになっています。
あなたが乗ることになる「自家用乗用車」の場合は、1ヶ月〜37ヶ月の範囲内が対象で、1ヶ月単位での加入が本来なら可能です。
しかし自賠責保険期間の加入期間は、「車検期間を満たさなければならない」というルールも存在します。
つまり車検期間(初回36か月・2回目以降24か月)は守る必要があるため、36か月もしくは24か月で自賠責保険を加入することになるのです。
なお、自賠責保険は、初回(36か月分)は新車購入時の際の「諸費用の1つ」として、そして2回目以降(24か月分)は車検時に「車検費用とともに支払う」仕組みになっています。
【補足知識】なぜ36か月と24か月以外の料金設定があるのか
補足ですが、36か月や24か月以外の料金設定が必要になるのは、車検切れの車を一時的に走らせるためと思ってください。
つまり、車検切れの車を日頃から取り扱う「中古車販売店」だけが使う要素と言えるでしょう。
中古車販売店は、買取した車検切れの車を「試乗車」などで一時的に運転する必要性がありますからね。
自賠責料金の決まり方(改定基準)
自賠責保険の料金は、毎年1月に自動車損害賠償責任保険審議会によって決定され、保険料は以下の計算式によって算出されています(参照元:自賠責保険・共済制度ミニガイド)。
基準保険料-国からの保険料等充当交付金(※)=契約車が支払う保険料
※:平成14年度の制度改正により、過去の累積運用益をもとに平成14年度〜20年度までの6年間にわたって補助金として還付されるもの。平成20年度で終了しており、現在のところ累積運用益が貯まっていないので、自賠責保険料は実質的には基準保険料=契約車が支払う保険料となっています。
自賠責保険の対となる存在は「任意保険」
損害賠償を確実に補償するために存在するのが「自賠責保険」ですが、最低限度の損害賠償しか補償できず、大きな事故が発生したら、自賠責保険だけでは賄えないことも。
そこで、補償しきれない大事故にも対応するために加入するのが「任意保険」になります。
「任意保険」とは、強制加入では無い自動車保険のこと。自賠責保険より手厚い補償が受けられる
つまり任意保険は自賠責保険を補完するために存在するわけです。両者の主な違いは以下の通りになりますよ。
比較項目 | 自賠責保険 | 任意保険 |
---|---|---|
加入義務 | 運転するなら強制的に加入 | 加入は自由で保険会社の選択も自由 |
年間保険料 | 普通自動車:15,520円 軽自動車:15,130円 | 60,000~120,000円 |
補償範囲 | 人のケガ・死亡(対人)に対してのみ補償 | 人のケガ・死亡(対人)モノに対する損害(対物)自分のケガ・死亡(自損)に対して補償 |
補償金額 | 傷害120万円・後遺症4,000万円・死亡3,000万円が上限 | 対人・対物ともに無制限まで可能 |
補償目的 | 被害者を救済するための最低限の補償をもつ保険 | 自賠責保険で足りない補償を補完する保険 |
追加補償 | なし | 相手が無保険だった場合の対処など、様々な補償が追加可能 |
【早見表】2020年最新の自賠責料金の一覧
ここまでは自賠責保険の基本的な知識について紹介してきましたが、ここからは自賠責保険の具体的な料金について見ていきましょう。
先述したように一般的には36ヶ月か24ヶ月の料金を支払うことになるので、この2つの料金だけ確認しておけばOKです。
前置きが長くなってしまいましたが、あなたが知るべき具体的な金額を、車の種類別にまとめてみましょう。
車種/保険期間 | 12ヶ月 | 13ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヶ月 | 36ヶ月 | 37ヶ月 | 48ヶ月 | 60ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 15,520円 | 16,380円 | 25,830円 | 26,680円 | 35,950円 | 36,780円 | ー | ー |
軽自動車(検査対象車) | 15,130円 | 15,960円 | 25,070円 | 25,880円 | 34,820円 | 35,610円 | ー | ー |
バイク(250cc超) | 8,290円 | 8,560円 | 11,520円 | 11,780円 | 14,690円 | 14,950円 | ー | ー |
バイク(125cc超~250cc以下) | 8,650円 | ー | 12,220円 | ー | 15,720円 | ー | 19,140円 | 22,510円 |
原動機付自転車・バイク(125cc以下) | 7,500円 | ー | 9,950円 | ー | 12,340円 | ー | 14,690円 | 16,990円 |
なお、沖縄などの離島は、上記の料金とは若干変わってくるので注意してください(参考:国土交通省「自賠責保険 料率表」)
【補足知識】自賠責料金は下落傾向
平成29年1月、「第137回自動車損害賠償責任保険審議会」にて、平成29年(2017年)の自賠責料金が全車種平均で6.9%の引き下げが実施されました。
そして、令和2年(2020年)も据え置きされています。
なぜ自賠責料金が引き下げられたのかは、以下のように発表されていますよ。
審議の結果、今後の料率のあり方については、次の2点を踏まえて、平成29年度より、自賠責保険の収入と支出が見合う料率水準とすることが適当であるとの方向性が示されました。
2年度連続で、損害率が現行料率の予定損害率を下回る水準の料率検証結果となり、保険収支が黒字傾向であるほか、予定損害率と損害率との乖離幅が昨年度の料率検証結果よりも拡大していること
このことから、運用益積立金を考慮した累計収支残の更なる拡大が今後見込まれること※出典:第137回自動車損害賠償責任保険審議会「結果」より
色々難しいことが書かれていますが、簡単に言いますと「思った以上に自賠責保険を使う人がいなかったから」です。事故が減っていると言ってもいいでしょう。
なお、最後に自賠責料金の引き上げがされたのは、平成25年度です(平成24年度から13.5%の保険料引き上げ)。
それ以来、26年度から28年度まで3年連続で保険料は据え置きになっていましたが、この度大幅な引き下げが行われ、それが据え置きとなっています。
26年度から28年度のように、いちど決まった自賠責料金はある程度継続されるので、来年以降も現在の自賠責料金のままなのではないでしょうか。
まとめ
今回は自賠責料金について紹介してきました。改めて自賠責料金を振り返っておくと、以下の通りになります。
車種/保険期間 | 12ヶ月 | 13ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヶ月 | 36ヶ月 | 37ヶ月 | 48ヶ月 | 60ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 15,520円 | 16,380円 | 25,830円 | 26,680円 | 35,950円 | 36,780円 | ー | ー |
軽自動車(検査対象車) | 15,130円 | 15,960円 | 25,070円 | 25,880円 | 34,820円 | 35,610円 | ー | ー |
バイク(250cc超) | 8,290円 | 8,560円 | 11,520円 | 11,780円 | 14,690円 | 14,950円 | ー | ー |
バイク(125cc超~250cc以下) | 8,650円 | ー | 12,220円 | ー | 15,720円 | ー | 19,140円 | 22,510円 |
原動機付自転車・バイク(125cc以下) | 7,500円 | ー | 9,950円 | ー | 12,340円 | ー | 14,690円 | 16,990円 |
1ヵ月単位で自賠責保険を設定することも仕組み上可能ですが、基本的には24か月または36か月分を支払うことになることを理解していただけたと思います。
以上「【FP執筆】自賠責料金の早見表!自賠責保険料の仕組みも解説」でした。最後までお読みいただきありがとうございます。
「保険スクエアbang!」なら、一度の申し込みで最大19社から見積もりハガキが届く。
自動車保険は同じ保険プランなのに、保険会社によって値段がマチマチ・・・
同じ保証なのに、5万以上安くなった人もたくさんいます。
実際に私も「12万円→5万円」になりました!