「排気ガス検査」が終了したら、次は「下廻り検査」です。ユーザーが普段あまりチェックしない部分なので、検査を厳しく行う検査官が多いです。
とはいえ、ユーザー車検全体の流れの中では「下廻り検査」は最後の検査行程となります。ここまでの所要時間はおよそ10~20分です。検査ラインが混んでおらず、検査自体がスムーズに進めば10分も掛からないかもしれませんね。
(出典:国土交通省)
では、下廻り検査について見ていきましょう。
下廻り検査
車の下廻りには、ステアリングやドライブシャフトなど車の重要な構造が集中しています。下廻り検査では、検査官によって主要構造に問題が無いかのチェックを受けます。
ユーザー自身は電光掲示板や検査官の指示に従って車を操作する事になります。
合格基準は?
下廻り点検でチェックされる主な項目は、以下の通りです。
- 足廻りのガタ
- エンジンオイル等の漏れの有無
- ステアリング・ギアボックスの取り付け具合
- ブレーキホースの損傷具合
- ダストブーツの損傷具合
- マフラーの損傷・腐食具合 等他多数
「ガタ」とは、検査機や手で車を揺らした時の異常なガタ(グラ)つきの事です。下廻り検査の不合格原因になる事が多いです。検査機で揺らしてある程度のガタを発見し、手で揺らしてもなおガタつきが有る場合は不合格になる可能性が高いです。
その他、ダストブーツなどの部品が損傷していれば、不合格になる可能性が高いです。
下廻り検査に関しては、ユーザー車検前に24ヶ月点検整備をしっかりしておけば、おそらく不合格になる事は無いと思います。後で整備をする人は気を付けた方が良いかもしれませんね。
検査の流れ
下廻り検査は、真ん中に1m程の穴が空いた所で行われます。検査官が下から車をチェックするためです。下の1枚目の画像が下廻り検査の様子を下から見たものです。2枚目の画像が上から見たものです。
(出典:国土交通省)
(出典:国土交通省)
下廻り検査では、車両振動装置で車両を縦横に揺らしてガタなどをチェックするので、車の前輪をその位置に合わせるように停止する必要が有ります。上の画像の赤丸の位置ですね。
運輸支局によっては、車のタイヤの位置を映し出すモニターが設置されているので、それを見ながら車を前進させましょう。ただし、真ん中に穴が空いているので、落輪しないようにモニターだけでなく前方にも注意を払って下さい。
(出典:国土交通省)
車を停止位置に移動させたら、ギアを「N(ニュートラル)又はP(パーキング)」に入れ、エンジンを止めます。なお、パーキングブレーキはかけません。これらの指示は電光掲示板にも表示されます。
下でチェックしている検査官からも直接指示を受ける事が有るので、左右の窓は開けておきましょう。
そして、「ハンドルから手を放す」という指示の後に、車が横に揺れ始めます。その後、「ブレーキ(フット)を踏む」という指示が出るので、強めにブレーキを踏んで下さい。すると、今度は車が縦に揺れ始めます。揺れがおさまってきたら「パーキングブレーキを引く」と指示が出るので、パーキングブレーキを掛けます。
これで下廻り検査は終了です。特に問題が無ければ、電光掲示板に下廻り検査が合格した事を意味する「○」が表示されます。車の検査はこれで終了です。
最後に「前進して印字」と電光掲示板に表示されるので、車を検査ラインから出して、検査結果を自動車検査票に印字します。不適合な箇所が有ったとしても、印字する事は忘れないで下さいね。
総合判定と新しい車検証・検査表ステッカーをゲット【ユーザー車検のステップ⑥】
以下の動画は、ユーザー車検の全体の流れを紹介している内容となっています。参考にして下さい。(7分43秒頃から下廻り検査の部分です。)