第1ステップの「同一性の確認と外観検査」が終了したら、いよいよ精密機器でチェックを受けるテスターゾーンへと突入します。精密機械が合否を判定するため、車検に慣れている整備士でも多少は緊張するようです。
ユーザー車検の山場に感じますが、全体から見ても中盤に差し掛かったあたりです。
(出典:国土交通省)
今回はテスターゾーンで受ける検査のうち「サイドスリップテスト」について紹介します。
テスターゾーン
テスターゾーンとは、サイドスリップテストから下廻り検査までの検査ラインの事を言います。1棟にバイクの検査ラインも含めて数本の検査ラインが設置されているのが通常です。下の画像はテスターゾーンを出口から見た画像です。
全てのテストが専用の機械によって行われ、指示も電光掲示板によって行われます。操作ミスや規定された動きをしなかった場合には不合格になる可能性が有るので、注意が必要です。
ユーザー車検に不慣れな場合は、ライン入口にあるインターホンで「初めてユーザー車検を受けます」と伝えれば、検査官が丁寧に支持をしてくれます。
一般のユーザー車検を受ける人の為に、テスターゾーンの見学も可能です。ユーザー車検に一抹の不安を抱えている人は、待ち時間の間にどのような検査が行われるのかを雰囲気も含めて見学しておいた方が良いでしょう。
また、それぞれのテスターの場所には、検査内容や車の操作手順などの説明が掲示されています。これも一読しておいた方が良いですね。
それでは、サイドスリップテストの内容について見ていきましょう。
サイドスリップテスト
サイドスリップテストとは、簡単に説明すると車がまっすぐ走行出来るかどうかの検査の事です。
そもそも、車の前輪は上から見た場合、車に対して平行に設置されておらず、多くの場合少し前輪の前が内側を向くように設置されています。そのため、サイドスリップテストでは「完全に直進出来るか」ではなく「一定の基準値内でまっすぐ走行出来るのか」を測定します。
その基準値は1m前進するのに対して左右のズレが±5mmの範囲内に設定されています。タイヤのアライメントの調整がずれていると、不合格になる可能性が有ります(参考:アライメント調整)。
(出典:http://minkara.carview.co.jp/userid/519479/blog/26443149/)
サイドスリップテストでは、電光掲示板に「白線で停止」と表示されるので、白線(停止線)まで車を進ませ停止させます。検査ラインに対して縦に白線が2本引かれているので、車が2本の白線に平行になるように操作して停止させて下さい。
そして、右手の別の電光掲示板が「待機」から「進入」に変わったら、車をゆっくり(時速1~2km)とサイドスリップテスターに進入させます。
この時、サイドスリップテスター上では「車を止めたり(ブレーキを踏む)」「ハンドルを操作したり」しないようにして下さい。これらの行為をしてしまうとサイドスリップ検査は不合格になってしまいます。
サイドスリップテスターを通過したら、電光掲示板に合格なら「○」、不合格なら「×」が表示されます。たとえ不合格であっても次のスピードメーター検査などに進めるので、集中して次の検査に挑みましょう。
ブレーキ検査・スピードメーター検査・ヘッドライト検査【ユーザー車検のステップ③】
以下の動画は、ユーザー車検の全体の流れを紹介している内容となっています。参考にして下さい。(動画が削除されているように見えますが、再生ボタンをクリックして頂ければ問題なく放送されます。)