ユーザー車検の第1ステップとなる検査が「同一性の確認」と「外観検査」です。車検全体の流れからすると「スタート地点」と言えます。
(出典:国土交通省)
今回は「同一性の確認」と「外観検査」の内容について紹介します。
検査ラインに入る前に
車検をスムーズに進めるために、検査ラインに入る前にやっておくべき事が有ります。
ホイールキャップを装着している車は、事前に外しておきましょう。外観検査においてタイヤのナットやボルトのチェックが行われるためです。隠れていたらチェック出来ませんからね。
外さなくても検査ラインには入れると思いますが、結局、外観検査の時に「外してください」と指示を受けます。現場であたふたするのも格好悪いので、先に外しておきましょう。
あと、平成10年8月31日以前に製造された4灯式の車は、ヘッドライトのうち「ハイビーム・ロービームが点灯するライト」を左右ともにマスキングテープなどで8割程度覆うようにして下さい。光軸などをハイビームのみで計測するためです。
運輸支局によっては、ヘッドライトの検査の場所に専用のカバーを置いてある所も有ります。
なお、平成10年9月1日以降に製造された車は、ロービームを検査するので4灯式であっても覆う必要は有りません。平成27年9月から制度が変わっているので注意して下さいね。
同一性の確認
「同一性の確認」とは、車検を受ける車(エンジン)が車検証に記載されている情報と同一で有る事を確認する検査を言います。
(出典:国土交通省)
検査内容は、車に打刻されている車台番号とエンジンに打刻されている原動機型式が車検証に記載されている車台番号と原動機型式と同一であるかをボンネットを開けてチェックします。
車種によっては打刻位置がエンジンルーム内ではない場合も有ります。
検査官から「ボンネットを開けて下さい」と言われるので指示に従って下さい。
外観検査
次に行うのが「外観検査」です。主に灯火類のチェックが行われます。
検査官によって「外観検査」と「同一性の確認」の順番は異なります。また、外観検査自体の手順も異なります。
まず、前方の灯火類のチェックを受けます。ポジション球(*)を点灯し、ロービームを点灯、そしてハイビームへと切り替えます。さらに、左右のウィンカーのチェックも受けます。
* ポジション球は、スモールランプの事です。スモールランプは車幅灯とも呼ばれ、車の位置(ポジション)を示す役割が有ります。
前方のチェックが終了したら、次は後方の灯火類のチェックです。ブレーキを数回踏んでブレーキランプを点灯させ、次いで左右のウィンカー、ポジション球を点灯させます。そして、ブレーキを踏み、ギアをバックに入れてバックランプを点灯させます。最後にギアをニュートラルに戻してハザードボタンを押します。
(出典:国土交通省)
灯火類のチェックが終了したら、検査官はタイヤのナット・ボルトを軽く叩いて締め付け具合をチェックします。そして、また前方に戻ってきてワイパーやウォッシャー液、クラクションの作動具合を確認します。
最後に、運転席にやってきてホーンマーク(クラクション)やコーションラベル、発煙筒の有効期間などをチェックします。
なお、検査官から「ウィンカーを点灯させて下さい」などの指示が有れば、そちらに従って下さい。
全て問題が無ければ検査票に合格の判子を押してもらい、次のステップである「テスターゾーン」へ進みます。
サイドスリップテストからいよいよテスターゾーンへ突入【ユーザー車検のステップ②】
以下の動画は、ユーザー車検の全体の流れを紹介している内容となっています。参考にして下さい。(動画が削除されているように見えますが、再生ボタンをクリックして頂ければ問題なく放送されます。)