地球温暖化や環境汚染が進む中、先進国を始め世界各国で自動車に対する環境規制が厳しくなっています。
そのため、各自動車メーカーも環境対策車である「電気自動車」の開発に力を入れ始めています。電気自動車の開発・普及は、地球にとっては非常に喜ばしい事ですが、これを諸手を上げて喜べない人達が存在します。それが「自動車部品メーカー」です。
電気自動車が部品メーカーを倒産に追い込むかもしれない
ガソリンエンジン車の部品点数は約3万点と言われています。日本の自動車メーカーは系列の部品メーカーから3万点を超える膨大な部品を入手しています。
一方で、電気自動車の部品点数は3分の2の「約2万点」で済みます。なぜなら、電気自動車は「エンジン」を搭載する必要が無く、さらに「電池」は部品点数がかなり少ないからです。エンジンはガソリンエンジン車の部品の中で最も複雑で、およそ7、8,000の部品点数で構成されています。
つまり、電気自動車の市場シェアが大きくなると、部品メーカーの受注数が少なくなり、これによって倒産していく部品メーカーも増えていく可能性が有るのです。
また、自動車の主要部品が「エンジン」から「電池やモーター」へと変化する事で、これらの部品に強い部品メーカーにその場を明け渡さざるを得なくなります。
電気自動車の普及は、今ある自動車産業構造に大きな影響を与えるかもしれません。言い換えると、「電池やモーター」に強い企業にとっては、新規参入のチャンスと言えます。
現在の電気自動車の市場シェア
それでは、2015年6月現在の電気自動車の販売台数の推移はどうなっているか見てみましょう。
参考:次世代自動車進行センター
PHVやハイブリッド車の販売台数は含んでいません。
平成25年度の販売台数は約17,000台とまだまだ市場には浸透していない感じでしょうか。
次に、全ての車の中に占める「電気自動車の新車販売台数」のシェアについて見てみましょう。
年度 | シェア |
---|---|
21年度 | 0.04% |
22年度 | 0.15% |
23年度 | 0.25% |
24年度 | 0.29% |
25年度 | 0.32% |
次世代自動車進行センターのデータと日本自動車販売協会連合会のデータを基に、市場シェアを計算しています。
1%にも満たない市場シェアという事で、現時点では部品メーカーが危惧する事態にはなっていないと言えます。
しかし、電気自動車の価格が安くなり、充電設備などのインフラが整備されれば、これらの数字は上昇していくと考えられるので、部品メーカーは今のうちに何か対策を施しておかなければいけないでしょう。
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