バイオエタノールとガソリンを混ぜた「エタノール混合ガソリン」というガソリンも有ります。自動車の燃料は「ガソリン」や「電気」だけじゃないんですね。
エタノール混合ガソリンは、二酸化炭素の排出量を抑える為の環境対策燃料として期待されています。みなさんも名前くらいは聞いた事が有るのではないでしょうか?
エタノール混合ガソリンは「環境対策燃料」として期待されている
エタノール混合ガソリンとは、「ガソリン」と「バイオエタノール」を配合(混ぜ合わせた)した燃料の事を言います。バイオエタノールは、主にとうもろこしやサトウキビなどから製造されます。
環境対策燃料として期待される「エタノール混合ガソリン」ですが、ガソリンと同様に、燃焼すれば二酸化炭素を排出します。電気自動車のように二酸化炭素の排出量が「0」なわけでは有りません。
では、なぜ環境対策燃料として期待されるのか?それはバイオエタノールを精製する為に栽培したとうもろこしなどの植物が、排出された分の二酸化炭素を光合成によって吸収するため、結果として大気中に排出される二酸化炭素は「プラスマイナスゼロ」になるという理論が有るからです。
つまり、ただ燃焼して二酸化炭素を排出するガソリンとは違い、二酸化炭素を吸収する植物を栽培・利用するため、エタノール混合ガソリンは環境に優しいとされているわけですね。
ちなみに、エタノール混合ガソリンは色んな国で既に導入されており、特にブラジルでは「20%」の混合比率が義務化されています。日本でも1%~3%レベルのエタノール混合ガソリンが、2015年6月現在全国3,290箇所のガソリンスタンドで販売されています。
3%混合されたガソリンの事を「E3」と呼び、大阪の一部のガソリンスタンドでは試験的に10%混合された「E10」が導入されているようです。
エタノール混合ガソリンのメリット
エタノール混合ガソリンのメリットは以下の通りです。
- 価格がガソリン車より1、2円ほど安い(日本の場合)
- 一定の混合比までなら、ガソリン車でそのまま利用可能
- ガソリンと比較して、ノッキングが発生しにくい 等
日本で販売されているエタノール混合ガソリンは3%以下なので、ガソリン車にそのまま利用する事が出来ます。しかし、海外のような混合率が高いエタノール混合ガソリンは、混合燃料に対応したフレックス車でないと使えません。
エタノール混合ガソリンのデメリット
エタノール混合ガソリンのデメリットは以下の通りです。
- ガソリンと比較して、熱量が小さい
- ゴムやプラスチックなどの部品を腐食する可能性がある
- ガソリンと比較して、NOxをより多く排出する
日本ではガソリンよりも1、2円安く販売されていますが、純粋なガソリンと比較して熱量が小さいので、同距離を走るのに必要な燃料の量は多くなり、ガソリン代が安くなる事は期待出来ないでしょう。
また、バイオエタノールの生成のためにサトウキビやとうもろこしが利用されるので、食品としての砂糖やとうもろこしの流通量が減り、値段が高くなる恐れが有ります。
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