燃費について考えているなら、嫌でも耳に入ってくる「クリーンディーゼル車」について気になっていませんか?
テレビなどのメディアではそこまで大きく取り上げられないので、どのような特徴をもつ車なのか、具体的な内容が気になりますよね。
ガソリン車との違いもかなり気になるところですが、実は知られざる特徴が数々存在するということをご存知でしょうか?
クリーンディーゼル車について、絶対におさえておくべきポイントをまとめてみましたので、以下をご覧ください。
項目 | 内容 |
---|---|
一言でいうと? | 有害物質(PM・NOx)の排出量が少ないディーゼル車のこと |
メリット | 走行した時のCO2排出量が少ない |
通常のディーゼル車よりPMやNOxの排出量が少ない | |
ガソリン車よりも20~30%燃費が良くなる | |
デメリット | ガソリン車より10~30%価格が高くなる |
ディーゼルエンジンが重いため、車体が重くなる | |
騒音が大きく振動が強い | |
主な参入メーカー | トヨタ自動車 |
日産自動車 | |
三菱自動車 | |
マツダ | |
ホンダ | |
BMW | |
メルセデスベンツ | |
日本初の車種 | 日産自動車「エクストレイル」 |
人気の車種 | マツダ「デミオ」 |
BMW「MINI Cooper D 3 Door」 | |
メルセデスベンツ「C 220」 | |
トヨタ「ランドクルーザー」 |
上記がクリーンディーゼル車で押さえておくべきポイントになるのですが、ざっと見ただけでもガソリン車と大幅に違うことをご存知理解していただけたと思います。
もし上記の知識を知らなければ、クリーンディーゼル車について間違った理解をしたままだったかもしれませんよ?
しかし、ご安心を。今回の記事ではクリーンディーゼル車の基礎知識はもちろんのこと、市場で出回っている人気の車種まで解説しています。
そのため、この記事を読むだけで、クリーンディーゼル車について知るべきことを全て網羅できるでしょう。
「クリーンディーゼル車について少し気になっている」という人には、必見の内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
ガソリン車との違いとは?ディーゼル車の基礎知識
「クリーンディーゼル車とは何なのか」という点を詳しく説明する前に、まずは「ディーゼル車はどんな車なのか」という点について解説していきます。
もちろん「ディーゼル車については知っている」という人は、次の「クリーンディーゼル車とはどんな車?最低限おさえておくべき6つの知識」まで飛ばしてもらって構いません。
そもそもディーゼル車とは?
ディーゼル車とは、簡単にいうと「ディーゼルエンジンを載せた自動車」
ガソリンスタンドに行くと「軽油」という項目を見たことがありませんか?
その軽油を使うのがディーゼルエンジンなのですが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、燃料を燃焼させることによって発生する力で車を動かすという点では変わりません。
いわゆる「レシプロエンジン」のことですね。しかし同じレシプロエンジンでも、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンには決定的な差があります。
実はディーゼルエンジンの方は「点火装置」を必要としないのです。
ディーゼルエンジンの仕組みとしては、高温圧縮された空気を直接燃料に噴射して、自発的に着火させるという仕組みを採用しています。
ディーゼル車が日本で普及しない理由
ディーゼル車はガソリン車に比べて、日本では圧倒的に普及していません。
保有比率は4%足らずと、国土交通省の出したデータを見ても、普及しない現状は明らかです。
※画像出典:国土交通省「クリーンディーゼル普及推進方策」より
ここまで低い保有比率になってしまったのは、環境問題が露呈されてしまったから。
実はディーゼル車はガソリン車と違って、CO2以外にも有害な物質を発生させてしまいます。
具体的には粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)と呼ばれるモノが排出されるのですが、光化学スモッグや酸性雨の原因になるため、CO2よりも危険物質と捉えられています。
事態を重く見た日本政府は新たに「自動車NOx・PM法」という法律を定めました。
内容としては「排気ガスに含まれるPMやNOxが基準値を超える車なら、車検が通らない」という、かなり重たいもの。
いい換えれば、ディーゼル車そのものを規制するといってもよい法律だったため、日本国内では一気にディーゼル車が締め出されてしまったのです。
詳しくは後述していきますが、このディーゼル車を規制するための法律を突破した車がクリーンディーゼル車となっていきます。
クリーンディーゼル車とはどんな車?最低限おさえておくべき6つの知識
ここまでディーゼル車の基礎知識を紹介してきましたが、ここからが本題ともいえるクリーンディーゼル車の詳細についてシンプルに解説していきましょう。
クリーンディーゼル車を理解するための6つの要素を一覧表にまとめましたので、以下に目を通してみて下さい。
項目 | 内容 |
---|---|
一言でいうと? | 有害物質(PM・NOx)の排出量が少ないディーゼル車のこと |
メリット | 走行した時のCO2排出量が少ない |
通常のディーゼル車よりPMやNOxの排出量が少ない | |
ガソリン車よりも20~30%燃費が良くなる | |
デメリット | ガソリン車より10~30%価格が高くなる |
ディーゼルエンジンが重いため、車体が重くなる | |
騒音が大きく振動が強い | |
主な参入メーカー | トヨタ自動車 |
日産自動車 | |
三菱自動車 | |
マツダ | |
ホンダ | |
BMW | |
メルセデスベンツ | |
日本初の車種 | 日産自動車「エクストレイル」 |
人気の車種 | マツダ「デミオ」 |
BMW「MINI Cooper D 3 Door」 | |
メルセデスベンツ「C 220」 | |
トヨタ「ランドクルーザー」 |
それでは上記の表の内容について、もう少し深く突っ込んだ内容を解説していきましょう。
クリーンディーゼル車とは
ディーゼル車はその仕組み上、粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質を多く排出してしまいます。
それが理由で、日本では実際に法律で規制され敬遠されてきたディーゼル車ですが、世界的な環境問題であるCO2の排出量が少ないという大きな魅力を見逃す事はできませんでした。
そこで各自動車メーカーはディーゼル車の新たな魅力を生み出そうと、厳重に規制された基準を突破すべく、あらたなエンジンの開発を試みます。
自動車メーカーのたゆまぬ努力の結果、PMやNOxの排出量が少ないディーゼルエンジンが見事生み出されます。
このかなり厳しい基準に適合した、新しいタイプのディーゼルエンジンを載せた車を「クリーンディーゼル車」と呼ぶのです。
ハイブリッド車との違い
クリーンディーゼル車もハイブリッド車もどちらも環境性能に優れたエコカーです。
そのため、基本的にエコカー減税の対象となっていて、税制面で優遇を受けられる点は共通しています。
ただし、プラグインハイブリッド車は補助金の対象です。
燃費は各車種で比較しないと分かりませんが、さきほど1例を挙げたように、ほぼ同等の燃費性能と言って良いでしょう。
そのため、エコカーを購入するならクリーンディーゼル車も1つの選択肢となるでしょう。
ただし、販売されている車種は少ないのが現状です。ハイブリッド車の方が色んな車種が販売されているので購入しやすいかもしれませんね。
クリーンディーゼル車のキモは新型の「排出ガス浄化システム」
なぜクリーンディーゼル車が新しい基準を突破できたのかというと、理由は新しく開発された「排出ガス浄化システム」にあります。
排出ガス浄化システムはいくつかありますが、主流となっているのが「SCRシステム」です。
尿素を使ってNOxを浄化してくれるシステムで、アドブルーと呼ばれる尿素水を排ガス中に噴射してNOxを浄化します。
ただ尿素水を貯蔵するタンクがどうしても必要になるので、大型車へ使われていることが多いですね。
なお小型車の場合は「HC・NOxトラップ触媒システム」を、排出ガス浄化システムとして採用しています。
HCと呼ばれる有害ガスと酸素を活用して、NOxを無害な物質として排出する仕組みです。
これらの排出ガス浄化システムの台頭によって、ディーゼル車の進化バージョンといえるクリーンディーゼル車が誕生することになったのです。
クリーンディーゼル車のメリット・デメリット
クリーンディーゼル車を知る上で、はずせないのがメリット・デメリットです。
もともとのディーゼル車と被る部分がありますが、きちんと把握しておきましょう。具体的には以下の通りになります。
- クリーンディーゼル車のメリット
- 走行した時のCO2排出量が少ない
- 通常のディーゼル車よりPMやNOxの排出量が少ない
- ガソリン車よりも20~30%燃費が良くなる
- クリーンディーゼル車のデメリット
- ガソリン車より10~30%価格が高くなる
- ディーゼルエンジンが重いため、車体が重くなる
- 騒音が大きく振動が強い
はっきりってガソリン車と対比すると、見逃せないデメリットが存在します。
しかしそれにも増して「CO2排出量が少ない」「燃費が良い」という点はやはり大きな魅力といえるでしょう。
クリーンディーゼル車への参入状況
革新的な技術を採用しているクリーンディーゼル車ですが、日本国内ではまだまだ普及していません。
日本国内で最初に発売されたクリーンディーゼル車は、日産自動車の「エクストレイル」のクリーンディーゼル仕様車(20GT)です。
※出典:日産「カタログバックナンバー」より
日産を代表する人気車種「エクストレイル」が、クリーンディーゼル仕様になったということで話題にはなりました。
しかし、それ以降のラインナップが数多く登場するという流れにはなっていません。
一方、日本国内よりもディーゼル車への理解が進んでいる欧州産の車は、次々にクリーンディーゼル車を発売しています。
メルセデスベンツは、2010年2月にクリーンディーゼル車を初めて発売し、続々とラインナップを拡充しています。
カジュアルなデザインが魅力なBMWの「ミニクーパー」シリーズも、クリーンディーゼルを採用するほど。
日本国内でもどちらかというと、欧州産の車の方がクリーンディーゼル車の市場を折檻するといった流れになっています。
国内メーカーだと日産・トヨタ・三菱・マツダなど、名だたるメーカーが参入をしていますが、大きな話題になるほど爆発的な人気を誇る車種はまだ現れていないのが現状です。
クリーンディーゼル車で人気の車種とは
そんな国内でのクリーンディーゼル車市場ですが、人気車種といえる車もわずかながら登場しています。
- マツダ「デミオ」
- BMW「MINI Cooper D 3 Door」
- メルセデスベンツ「C 220」
- トヨタ「ランドクルーザー」
上記の車はすべてクリーンディーゼル車ですが、日本国内でも大きな人気を博していますよ。
人気のクリーンディーゼル車1.マツダ「デミオ」
マツダのコンパクトカーとして人気のデミオですが、実はこのサイズながらクリーンディーゼルエンジンを搭載している車です。
車体も小さい上にクリーンディーゼルエンジンを搭載しているので、非常に燃費が良い車となっていますよ。
またクリーンディーゼルエンジン特有のパワーのある走りもできるため、コンパクトカーと思えないパワフルな走りも期待できます。
人気のクリーンディーゼル車2.BMW「MINI Cooper D 3 Door」
カジュアルカーとして若い方々にも人気のミニクーパーにも、なんとクリーディーゼルエンジンが搭載されています。
デザイン性とパワフルさを兼ね備えたい人は、こちらの車を選んでもいいかもしれませんね。
人気のクリーンディーゼル車3.メルセデスベンツ「C 220」
メルセデスベンツの中で最も人気のあるのがCタイプですが、その中でクリーンディーゼルエンジンを搭載しているのが「C 220」です。
クリーンディーゼルエンジンのメリットをベンツの車で享受したいという人は、このタイプにすると良いでしょう。
人気のクリーンディーゼル車4.トヨタ「ランドクルーザー」
トヨタのオフロードタイプとして根強い人気の誇る「ランドクルーザー」もクリーンディーゼルエンジンを搭載したタイプがあります。
特徴的なデザインに見合ったパワフルな走りが期待できるため、大きくて力強い車を求めているなら、非常に満足いく車となってくれるでしょう。
【総評】クリーンディーゼル車にのるべき人とは
ここまで解説してきた通り、ディーゼルエンジンは特有の魅力がありましたが、有害物質を多く発生してしまうという難点から、日本国内では規制されていました。
しかし各自動車メーカーのたゆまぬ努力により、これらの厳しい基準をクリアした「クリーンディーゼル車」が登場しています。
正直いって、そこまで普及していないのが実情なので、周りの人で乗っている人も少ないでしょう。
ただ、もしクリーンディーゼル車について少しでも気になるのであれば、やはり「燃費が良い」というポイントを一番に評価すべきでしょう。
確かに「CO2排出が少ない」という環境配慮した点も魅力ですが、いち個人としては燃費の方が実益がありますよね。
車体金額はガソリン車よりも高くなってしまいますが、「長く乗る」という観点で考えるのであれば、毎月の燃料費は圧倒的に安くなります。
そのため「当分買い替えない」「車を乗る回数が多い」「長距離を乗る」という人は、クリーンディーゼル車が合っているといえるでしょう。
実際に長距離運転の多い欧州では、クリーンディーゼル車は人気を博しています。
日本国内ではまだまだ普及していないクリーンディーゼル車ですが、「買い替え予定は当分ない」「燃費を重視する」という人は、選択肢の1つとして考えてみてはどうでしょうか。
まとめ
今回は「クリーンディーゼル車とは何なのか」という点について、深掘りしてきました。
クリーンディーゼル車について、最低限押さえておくべきポイントをまとめると、以下のようになります。
項目 | 内容 |
---|---|
一言でいうと? | 有害物質(PM・NOx)の排出量が少ないディーゼル車のこと |
メリット | 走行した時のCO2排出量が少ない |
通常のディーゼル車よりPMやNOxの排出量が少ない | |
ガソリン車よりも20~30%燃費が良くなる | |
デメリット | ガソリン車より10~30%価格が高くなる |
ディーゼルエンジンが重いため、車体が重くなる | |
騒音が大きく振動が強い | |
主な参入メーカー | トヨタ自動車 |
日産自動車 | |
三菱自動車 | |
マツダ | |
ホンダ | |
BMW | |
メルセデスベンツ | |
日本初の車種 | 日産自動車「エクストレイル」 |
人気の車種 | マツダ「デミオ」 |
BMW「MINI Cooper D 3 Door」 | |
メルセデスベンツ「C 220」 | |
トヨタ「ランドクルーザー」 |
このようにガソリン車とは全く違う車になっていることを、理解していただけたことでしょう。
クリーンディーゼル車について気になっている人は、今回の記事内容をぜひ参考にしてみてください。