「取消処分者講習」とは免許を再度取得するために必須の講習ですが、一般的に深く理解されていないのが実情で、あなたもその一人かもしれません。
もし「取消処分者講習」について調べているなら、以下のような疑問を持っていませんか?
- そもそも取消処分者講習って、誰が対象なの?
- 取消処分者講習の受講すべき期間っていつまで?
- 取消処分者講習の必要な持ち物・服装・費用・料金を知りたい
- 取消処分者講習で行われることってどんな内容?
今回の記事では、上記のような「取消処分者講習」に関する疑問が、すっきり解決できる知識を紹介していきます。
この記事を最後まで読んでもらうだけで、取消処分者講習を理解するために必要な知識をバッチリ網羅できますよ。
ではさっそく解説していきましょう。
対象者や日時は?取消処分者講習の基礎知識
この章であなたが得ることができる知識の要点をまとめると、以下の通りになります。
- 取消処分者講習はもう一度運転免許を取得するための必須講習
- 免許の「取消処分」「拒否処分」「運転禁止処分」を受けた人が対象
- 2日連続で実施され片方だけ出席するのは認められていない
要点をおさえてもらったところで、さっそく次項より詳しい解説を見ていきましょう。
取消処分者講習はもう一度運転免許を取得するための必須講習
取消処分者講習とは「運転免許の取り消し」および「拒否処分」等を受けた方が、もう一度運転免許を取得したいのであれば、絶対に受講することになる講習のことです。
飲酒運転で運転免許取消になった場合は、受講内容が変わってくるのが特徴です。
一般的な取消処分者講習と、飲酒運転者用講習の内容の違いについては、後々の章で詳しく解説しておりますので参照してみてください。
キッチリと受講を完了されると「取消処分者講習終了証書」(1年間有効)が渡されることになり、これで再度自動車教習所に通い、試験に受かれば免許を獲得できます。
免許の「取消処分」「拒否処分」「運転禁止処分」を受けた人が対象
取消処分者講習を受けるべき人たちは、基本的には「取消処分を受けた人」ですが、具体的には以下の様な方々が対象です。
- 免許の「取消処分」を受けた人(一般的に累積15点以上の違反点数で「免許取消」)
- 免許の「拒否処分」を受けた人(一般的に薬物中毒や認知症が認められると「拒否処分」)
- 免許の「運転禁止処分」を受けた人(一般的に飲酒運転や時速50キロ以上のスピード違反で「運転禁止処分」)
- 処分対象にも関わらず、免許の取消を受ける前に免許が失効した方
免許の更新手続きを忘れたり、免許の有効期限切れによって失効している人は、免許の再取得時に受講する必要はありません。また、初心運転者期間制度によって取消された方や、障害等を理由に免許の取消処分を受けた人なども、この講習を受ける必要はないです。
免許を取消されたことをきっかけに「免許の再取得はしません」という方は、受講する必要はありません。
また、何年か経ってから再取得しようと思った方も、その時点で講習を受講する必要があります。
2日連続で実施され片方だけ出席するのは認められていない
原則として2日連続で実施され、どちらか片方だけ出席するということは認められていません。
取消処分者講習で行われる内容は、後ほど詳しく説明しますので、ここでは割愛します。
また当日は指定された時間に遅刻すると受講出来ないので要注意です。
例外は絶対に認められないので、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
以上、「対象者や日時は?取消処分者講習の基礎知識」について解説しました。
では取消処分者講習が受講できる期間は、具体的にどうなっているのでしょうか。
次章より詳しく解説していきます。
取消処分者講習の受講期間と注意点
この章であなたが知ることが可能な知識の要点をピックアップすると、以下の通りになります。
- いつまでに受講しないといけないという「期間規定」はない
- 取消処分者講習を受けるためには警察署などへ「予約」が必要
- 取消処分者講習を受ける前に仮免許を取得しておく
要点を確認してもらったところで、次項より具体的な解説について見ていきましょう。
いつまでに受講しないといけないという「期間規定」はない
取消処分者講習の有効期間は1年間となっており、指定された有効期間内に「技能試験」および「学科試験」に合格すれば運転免許をもう一度手にすることができます。
なお、取消処分者講習の詳細は各都道府県警のホームページで確認できます。
例えば、東京都の場合はこちらのページにて確認することができますよ。
都道府県によって受講場所や時間帯等が異なるので、必ず事前に確認する様にしてください。
そのため、特にいつまでに受講しないといけないといった規定はありません。
シンプルにいえば、自分にとってもう一度免許が必要だと思うタイミングで受講すればOKなのです。
取消処分者講習を受けるためには警察署などへ「予約」が必要
実は取消処分者講習には「予約」が必要です。
受講する場合は事前に「運転免許センター」または「警察署」等への予約が必要になります。
「予約の有無」は非常に勘違いされやすいポイントなので、特に注意しましょう。
ただ場合によっては、受講するためには1~2ヵ月待ちの場合もありますので早めの予約をしておくべきでしょう。
なお東京・大阪など都心になればかなり混んでいるため、3~4ヶ月ほど待たされることも実際にあります。
自分の都合上、そんなに待てないという人も多いでしょう。
そんな時におすすめなのが他県の取消処分者講習に行くことです。
仕組み上、取消処分者講習は自分の都道府県で受ける必要はなく、他県で受けても大丈夫になっています。
待ち時間が長くてどうしても待てない場合は、お隣りの都道府県に行ってみることをおすすめします。
取消処分者講習を受ける前に仮免許を取得しておく
あまり知られていませんが、運転免許を取消されたときであっても「仮運転免許」の取得は可能です。
普通自動車の取消処分者講習は路上教習が実施されるので、仮免許を取得しておかなければ受講できません。
忘れずに取得するように注意しましょう。
以上、「取消処分者講習の受講期間と注意点」を紹介しました。
では実際に取消処分者講習を受けるとなった時、用意すべき持ち物・服装・費用・料金はどうなるのでしょうか。
次章より詳しく紹介していきます。
取消処分者講習の必要な持ち物・服装・費用・料金
この章であなたにおさえておいてもらいたい知識に関する要点を先に伝えると、以下の通りになります。
- 取消処分者講習の必要な持ち物は全部で8種類
- 運転に適した履き物と服装で受講に挑むようにする
- 取消処分者講習を受けた後も免許取得までにお金がかかる
ではそれぞれの内容を、次項より詳しく解説していきましょう。
取消処分者講習の必要な持ち物は全部で8種類
受講当日には以下の物を持参する必要があります。忘れない様にしましょう。
- 本籍(外国籍の方は国籍)の記載がある住民票の写し(コピー不可)
- 身分証明書(パスポートや保険証等)
- 仮免許
- 証明写真2枚(3.0cm×2.4cm・申請前6ヶ月以内に撮影した無帽、正面、無背景のもの)
- (必要な方は)眼鏡またはコンタクトレンズ
- (持っている方は)取消処分書
- 受講料として30,550円(受講日当日に現金で支払います)
- 印鑑(シャチハタ不可)
運転に適した履き物と服装で受講に挑むようにする
講習の一環で実車での運転がありますので、運転に適した履き物と服装で受講に挑むようにしましょう。
サンダル、ハイヒール、下駄を履いている方は受講出来ません。
また、2輪車の受講をされる方は、ヘルメット、手袋、長袖、長ズボン、雨衣(雨天の場合)が必要です。
めでたく講習が終わると「取消処分者講習終了証書」が貰えます。
有効期間は1年間ですので、1年以内に指定自動車教習所に通うか、一発試験を受けて免許を再取得するようにしましょう。
有効期間が切れてしまうと、再度講習を受ける必要があります。
なお、取消処分者講習の詳細は各都道府県警のホームページで確認できます。
例えば、東京都の場合はこちらのページにて確認することができますよ。
都道府県によって受講場所や時間帯等が異なるので、必ず事前にホームページを確認する様にしてください。
取消処分者講習を受けた後も免許取得までにお金がかかる
先ほど紹介したように取消処分者講習の料金30,550円になっています。
しかしこれは取消処分者講習の受講料でしかないので、免許をもう一度取得することを考慮すると「学科試験」と「技能試験」をもう一度受けなくてはなりません。
そのため必要に応じてもう一度自動車教習所に通う必要が出てきます。
自動車教習所に通わずに試験を受けるのだとしても、試験料はもちろんのこと勉強する時間が必要になります。
以上、「取消処分者講習の必要な持ち物・服装・費用・料金」を詳しく見ていきました。
では事前に準備すべきことを理解してもらったところで、次は「取消処分者講習の内容」を詳しく見ていきます。
取消処分者講習で行われる内容
この章で絶対に理解していただきたい要点をまとめておくと、以下の通りになります。
- 一般講習は1日目7時間・2日目6時間の講習となる
- 飲酒運転者の講習は専門の検査や日記のチェックが行われる
ではさっそくそれぞれの要点について、次項より詳しい解説をしていきましょう。
一般講習は1日目7時間・2日目6時間の講習となる
一般講習は飲酒運転以外の違反が原因で、免許が取消されてしまった人たちが受講します。
講義は2日間連続で実施され、第1日目の講義には7時間、第2日目が6時間の講習です。
内容は運転適性検査の実施と指導したあとに、実車での指導にはいります。
その後、危険を予測した運転の指導に入っていき、最後に感想文を書いて全て終了となります。
飲酒運転者の講習は専門の検査や日記のチェックが行われる
免許取り消しの理由が酒酔い運転など、飲酒運転として処理されると専用の講習を受講することになります。
なお、この講習は平成25年度を基点として全都道府県で実施されています。
第1日目の講習は7時間です。
内容は上記で説明した一般的な「取消処分者講習」で実施されることに加えて、様々な追加検査が行われます。
まずは呼気検査機を使用して呼気検査が実施されて、飲酒に関する簡単な質問への回答をすることになるでしょう。
回答結果により、飲酒状態を判別して、改善のためレクチャーがあります。
その後「ブリーフインターベンション」と呼称されている指導が実施されます。
ブリーフ・インターベンションとは、生活習慣の行動変容を目指す短時間の行動カウンセリングであるカウンセリ を目指す短時間の行動カウンセリングである。
カウンセリングでは、「健康」を主なテーマとして、飲酒量低減の具体的目標を自ら設定してもらう。飲酒問題の直面化は避け、「否認」などは介入時に扱うテーマとしない。
実際、「健康」をテーマとして早期介入を行うことにより、クライアントが示す否認や抵抗も比較的少ない。動機付け面接や 示す否認や抵抗も比較的少ない。動機付け面接やコーチングといった面接(介入)技法を用いるが、介入の3つのキーワードは 「共感する(empathy)」 「励ます 元気づけ
Hizen Psychiatric Center)」「誉める、労う(compliment)」である。
カンタンにいえば、個人それぞれに合わせた「飲酒行動の改善指導」で、目標を設定して行うのが特徴です。
ここまで終わると第1日目は終了です。
2日目の講習を受けるまでの約30日間は何をするのかというと、飲酒状況を日記形式で毎日記録する義務が課されます。
2日目の講習日は1日目の受講から、約30日を過ぎた日以降に指定される仕組みです。
講習時間は6時間で、内容は通常の取消処分者講習で実行されることに加えて、もう一回ブリーフインターベンションを行います。
その後、30日間毎日記録していた「飲酒日記」を振り返りながら、さらに深い指導を行って講習は完了となります。
以上、「取消処分者講習で行われる内容」について解説してきました。
この章で解説した知識は「取消処分者講習」を理解する上で重要な知識なので、必ずおさえておくようにしてください。
まとめ
以上、「取消処分者講習」をテーマとして、多種多様な知識をレクチャーしてきましたが、いかがだったでしょうか?
取消処分者講習の基礎知識は、もう一度運転免許を取得するための必須講習で、免許の「取消処分」「拒否処分」「運転禁止処分」を受けた人が対象です。
2日連続で実施され片方だけ出席するのは認められていないので、すべて参加するようにしましょう。
そんな取消処分者講習ですが、いつまでに受講しないといけないという「期間規定」はありません。
実際に参加するのであれば、取消処分者講習を受けるためには警察署などへ「予約」が必要なので注意しましょう。
また取消処分者講習を受ける前に、仮免許を取得しておくことを忘れてはいけません。
なお取消処分者講習の必要な持ち物は8種類あり、運転に適した履き物と服装で受講に挑むようにしましょう。
取消処分者講習で行われる内容は、飲酒運転者用と一般用で内容が違うのが特徴となっています。
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