駐車禁止エリアに停めてしまい、取り締まりを受けてしまった「放置違反車」をそのまま無視してしまうと、どうなるか気になっていませんか?
放置駐車違反とは、運転手が車から離れていて、警察等が車の移動命令を出来ない状態のこと
もちろんれっきとした交通違反なので反則金が発生しますが、放置しても大した事はないと思いがちですよね。
しかし実は放置をしていると、最終的に厳しい取り立てを受けることをご存知でしょうか?
具体的には車検を通すことができなくなるので、二度と公道で車を走らせることができなくなるのです。
もしこの事実を理解していなければ、最悪の場合「たかが放置違反だろう」とタカをくくってしまい、二度と車を走らせられない事態に発展したかもしれませんよ?
しかし、ご安心を。今回の記事では放置違反車を無視するとどうなるのかをわかりやすく解説しています。
日ごろから駐車禁止エリアに駐車をしている人、または既に放置違反として取り締まりを受けた人には必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
放置違反車を無視すると納付命令が来る
では早速、放置違反車を無視するとどうなるのか解説していきましょう。
放置駐車違反とは、運転手が車から離れていて、警察等が車の移動命令を出来ない状態のこと
簡単に言うと、運転手がその場にいない場合に放置駐車違反となります。
なお、対になる違反である「駐停車違反」とは、運転手が車のそばにいる状態の違反で、2つの違反の違いは「車のそばに運転手がいるか、いないか」となりますね。
駐車(放置)違反を駐車監視員(緑の服を着た駐車違反を取り締まる人のことです)に発見され、違反の手続きをされると放置違反金の納付命令が「行政罰」として下されます。
では、この放置違反金を支払わずに放っておくとどうなるでしょうか?
放置違反をした車には運転者は乗っていませんよね?従って、放置されていた自動車を誰が運転していたのかは警察には分かりません。
そこでまずは違反車両に「放置車両確認標章」というステッカーを貼り「運転者」に対して出頭を促します。
https://twitter.com/born_to_be_blue/status/363862309032050690?s=21
そして「運転者」が出頭命令に従って自ら出頭した場合は、青切符の手続きに進みます。
一方で運転者が出頭しない場合は、違反車両の「所有者」に納付書が送られてくるので、所有者が放置違反金の納付をすることになります。
ちなみに、放置違反金は刑罰ではないので違反をしても検察や裁判官と会うことはありません。
なお、納付命令に対して不服がある所有者は、命令が出てから60日以内であれば異議申し立て(弁明)をすることができます。
また、6ヶ月以内であれば裁判を起こすことも可能となっています。
納付書はいつ送られてくる?
放置違反のステッカーが貼られると、1週間〜10日くらい後に「放置駐車対策センター」や「駐車管理センター」から封筒が送られてきます。
封筒を開けると、以下の様な「納付書」と「弁明通知書」が入っていますよ。
弁明通知書には、違反した内容や違反の金額について記載がされています。
弁明通知書は「自分の違反した事柄に関して弁明することがあるのであれば、証拠等を添えて公安委員会に提出してください。もしなければ、期限内に納付書で違反金を支払って下さい」と記されています。
ただ通常は違反をしたことについて正当な弁明がある方はあまりいません。従って、弁明書を使う機会がある人はなかなかいないでしょうね。
結果的には納付書を持って銀行や郵便局(コンビニでもOK)で違反金を支払うこととなるでしょう。そして、手続き終了となります。
参考に弁明が認められるのは以下の様な場合です。
- 事実誤認があり違反が成立していない場合
- 違反日時点で放置車両の使用者ではなかった場合
- 天災等の不可抗力によって違反駐車状態になったなど、使用者に責任を問うことに相当性がない場合
放置違反金の金額
放置違反をすると、放置違反金を納付しなくてはなりません。では違反金は一体いくら納付する必要があるのでしょうか?
これについては、車種や状況によって異なるために一概にいくらということはできませんが「6,000円〜27,000円の間」となります。
一般的に事例が多いと考えられる「駐停車禁止場所(時間制限駐車区間以外)での放置」の場合、違反金は以下の様になります。
車種 | 金額 |
---|---|
大型車 | 25,000円 |
普通車 | 18,000円 |
二輪又は原付車 | 10,000円 |
状況や車種毎の違反金の詳細については警視庁のHPに掲載されていますので参考にしてください。
放置違反金を支払わないとどうなる?
ここまでは「放置違反車として取り締まりを受けたらどうなるのか」という点について解説してきました。
では放置違反金を支払わないでいると、どうなるのでしょうか。結論から言いますと、納付命令に従わずに放置していると公安委員会から督促が来ます。
そして、この督促を受けると国土交通省にその督促情報が自動的に流れます。そうすると最終的にはどうなるでしょうか?道路交通法第51条の7にその答えがあります。
(放置違反金等の納付等を証する書面の提示)
第51条の7 自動車検査証の返付を受けようとする者は、その自動車が最後に同法第60条第1項若しくは第71条第4項の規定による自動車検査証の交付又は自動車検査証の返付を受けた後に第51条の4第13項の規定による督促を受けたことがあるときは、国土交通大臣等に対して、当該督促に係る放置違反金等を納付したこと又はこれを徴収されたことを証する書面を提示しなければならない。2 国土交通大臣等は、前項の規定により同項の書面を提示しなければならないこととされる者による当該書面の提示がないときは、自動車検査証の返付をしないものとする
条文なので書いていることがややこしく思われるかもしれませんが、要は「放置違反金の納付督促を受けた場合は、違反金を納付したことを証明する書面を提示しないと、検査に合格しても車検証を交付されませんよ」ということです。
これは「車検拒否制度」と呼ばれています。なお、違反金を納付したことを証明する書面とは、「領収証書」もしくは「納付・領収済確認書」のことを指しています。
そして、督促をしても違反金の納付がされないときは、公安委員会は違反者の預金の差し押さえをする権限も持っている(道路交通法第51条の7)ので、容赦なく口座から引き落としをしてくることがあります。
警察が、違反者の預金口座を差し押さえる事ができるようになったのは「2006年9月」からですが、差し押さえ件数は年々増加傾向にあります。参考に、2009年に警視庁が発表した差押え件数は以下の通りです。
年次 | 差押え件数 |
---|---|
2006年(9〜12月) | 118 |
2007年 | 4,990 |
2008年 | 9,611 |
2009年(1月〜5月) | 4,666 |
ちなみに、税金も一緒に滞納している方は、差押さえは「国税(所得税や消費税など)→地方税(住民税や固定資産税など)→放置違反金」の順番で充当されます。差押えがされると、納付したことになるので車検は当然通ります。
なお、自分自身がきちんと放置違反金の納付をしているかを確かめようと思った場合、放置違反金滞納情報照会書を警察に提出をすると教えてくれます。(警視庁)
【総評】放置違反をするのはもったいなさ過ぎ
ここまで放置違反車となってしまうとどうなるのかそして取り締まりを無視すると、どんな末路が待っているのかを紹介してきました。
いずれにせよ、たかが駐車違反で数万円の違反金を払うのは「もったいない」の一言です。
都心部だとコインパーキングの価格が非常に高いので、路上駐車したくなる気持ちも分かります。
しかし放置違反になってしまうと「車検を通らない」「厳しい取り立てにあう」という最終的な末路を思い出してください。
そうすれば、路上駐車をしたいという気持ちをぐっとこらえて、コインパーキングに入れるという選択ができるでしょう。
「パーキングメーター」という選択肢もある
都心部ほど路上駐車がしたくなるものですよね。ただ、路上駐車をしそうになりそうな場所ほど「パーキングメーター」もあります。
パーキングメーターとは通常ならば路上駐車場所ながら、お金を支払うことによって合法的に駐車できる制度のこと
パーキングメーターはコインパーキング駐車しやすい上に路上駐車と同じように使えるので緊急時の駐車に最適です。
放置違反車として取り締まれるくらいなら、コインパーキングやパーキングメーターの出費をする方がまだマシでしょう。
「自分は取り締まられるはずはない」と考えずに、違反にはならない「合法的な方法」できちんと駐車するようにしてください。
まとめ
以上、今回は放置違反車を無視するとどのようになるのかという点について、深掘りしてきました。
最悪の場合、車検も通らず厳しい取り立てにあうということをご理解いただけたと思います。
日ごろから、駐車違反区域に駐車してしまう人、すでに放置違反車として取り締まりを受けた人は、ぜひ今回の記事内容を参考にしてみてください。
コメント一覧
この記事へのコメントはありません。