交通違反で警察に取締りを受けた時に渡される書類の事を、「青切符」や「赤切符」と言います。書類の色が、青いなら「青切符」、赤いなら「赤切符」、単純ですね。
ちなみに、正式には、青切符は「交通反則告知書」、赤切符は「告知票」と言います。
この2つの切符の違いは、「色」や「呼び名」だけでは有りません。
今回は「青切符」と「赤切符」の違いについて紹介します。
「青切符」と「赤切符」の違い
「青切符」と「赤切符」には、以下のような違いが有ります。
- 犯した交通違反の軽重
- 裁判の有無
- 納付するお金の重み
- 前科の有無
単純に「色のイメージ」から考えても、「赤色」の方が罪が重そうな感じはしますよね。事実その通りで、重い罪の場合に赤切符は交付される事になります。
犯した交通違反の軽重
青切符と赤切符は、犯した交通違反の軽重に違いが有ります。
青切符は比較的軽い違反(一時不停止や信号無視など)に対して交付されます。交通違反点数が、1点~3点の違反の場合です。
一方、赤切符は重い違反に対して交付されます。交通違反点数は6点以上の違反の場合です。
赤切符が交付される違反には、以下のような交通違反が挙げられます。
- 時速30km(高速道路は時速40km)以上のスピード違反
- 無保険運行
- 酒気帯び運転違反 等
前歴が無くても、その違反だけで免許停止となる交通違反の場合には、赤切符が交付される事になります。
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裁判の有無
青切符と赤切符には、「裁判の有無」に違いが有ります。
青切符の制度である「交通反則通告制度」は、大量に発生する交通違反を円滑に処理する事を目的としています。そのため、青切符を交付された違反者は、反則金を納めるだけで、交通違反に関する処理は完了します。
しかし、赤切符の場合は、違反の軽重の違いからそうはいきません。赤切符を交付された違反者は、裁判所で刑事手続きにより罰金刑の処分を受ける事になります(懲役刑の場合も有ります)。
なお、青切符を交付された場合でも、反則金を納付を無視し続ければ、赤切符と同じように刑事手続きへと移行します。
納付するお金の重み
さきほども出てきたように、青切符は反則金を納付する事になります。一方、赤切符はそのほとんどが罰金を支払う事になります。
金額は異なりますが、お金を払うという行為は同じなので、意味が同じように思うかもしれません。しかし、罰金は刑事罰です。懲役刑と同じ意味合いが有り、重い処分である事を忘れてはいけません。
前科の有無
罰金刑は刑事罰である事は、さきほど紹介しました。つまり、窃盗罪や詐欺罪と同じで、速度超過でも前科が付く事になります。青切符では、前科は付きません。
前科が付くとどういった面倒が起こるのでしょうか?
1つ考えられるのは、以後の裁判で不利に働く可能性が出てきます。前科は警察が管理している個人情報へ記載され、裁判で前科に関する情報も考慮されて判決が下される事になります。当然、前科の無い場合よりも、重い判決となるでしょう。
もう1つ挙げるとするなら、各資格の欠格事由に該当してしまう事です。世の中には様々な資格が有り、資格の中には「罰金刑」や「懲役刑」などの前科となる処罰を受けた日から5年を経過していない者は、その資格を有する事が出来ない場合が有ります。
仕事にも影響を及ぼしかねないのが、前科です。
色の違いだけでは済まされない違いが、「青切符」と「赤切符」には有るわけです。
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