交通違反で捕まった時に支払うことになる【お金】の種類には以下の3パターンがあります。
- 反則金
- 罰金
- 放置違反金
これら3つの違いをきちんと理解していますか?違いを理解していないと、交通違反をした時に混乱しかねないので、ここでそれぞれの違いを色々な側面から見ていきましょう。
発生する原因
まず、「そもそもどういうものなのか、何をすると支払う必要が出てくるか」という点から違いを見ると以下の様になります。
反則金
自動車の運転者が比較的軽微な交通違反をした場合、一定期間内に定められた反則金を銀行等で支払うことで、裁判や刑罰を免除する交通反則通告制度という制度が有ります。この制度に従い、刑事手続きに進まずに終わらせたい方は、定められた反則金を納付をすることになります。
要は、面倒な手続きを全部省略してお金で事を納めよう、というときに支払うものが反則金ということですね。
罰金
軽微な交通違反をし、交通反則通告制度に基づき一定期間内に反則金を納付しなかった場合、または重大な交通違反をした場合は運転者は刑事手続きを経る必要があります。そして裁判の結果、罰金刑が相当と判断された場合に、罰金を納付する様に言い渡されます。
放置違反金
自動車の放置違反取締まりを受けた場合、運転者に対して出頭及び反則金の納付が命じられます。そして、運転者が出頭及び反則金の納付をしなかった場合、違反地の公安委員会から車の所有者に対して放置違反金の納付命令が下されます。つまり、運転者が本来負うべき責任を車の所有者に転嫁したものが放置違反金ということです。
ちなみに、放置違反金は2006年6月に新しく導入されたペナルティです。駐車違反の取締りが民間に委託されたのと同時に導入されています。放置違反金の金額については「放置違反金の金額はいくら?納付書が送られてくるまでの期間も解説」で解説していますので、参考にしてください。
納付の義務はある?
「納付の義務があるかどうか」という点から見ると、以下の様な違いがあります。
反則金
反則金については、納付は任意となります。納付をしたくなければ、そのまま放置しても構いませんが、その場合は「刑事手続き」のステップへと進む事になります。
罰金
罰金は、裁判所からの判決や略式命令として言い渡されるため、納付は義務になります。
放置違反金
放置違反金は、都道府県の公安委員会から「納付命令」が出されるので、これについても納付は義務になります。
納付されたお金はどこへいく?
「納付されたお金がどこへ行き、何に使われるのか」という点からは、以下の様な違いがあります。
反則金
1度国庫に入った後で、「交通安全対策特別交付金」として地方に交付されます。総務省から地方自治体に交付されることになるのですが、この金額は警察庁と相談して予算を立てていく事になります。
罰金
国庫に入り、一般財源となります。一般財源なので、復興特別所得税などの様に使い道が決められている訳ではなく、何に使われる事になるかは分かりません。
放置違反金
違反命令を出した公安委員会が置かれている都道府県の収入となります。
つまり、放置違反金のみ「直接」都道府県の収入となるという違いがあります。
そもそもこの放置違反金は、小泉元首相が地方への補助金の削減をするために、駐車違反の反則金を国から地方に移管する様に決めたことから始まったものです。従って、都道府県は従来の補助金が減少したので、頑張って放置違反金を取らないと財政が回りません。
なお、罰金刑は2012年には338,905件約570億円が執行されており、そのうち件数ベースで約8割が交通違反による罰金と言われています。また、反則金は年間700〜800億円程度が納付されています。
放置違反金については、都道府県毎になるのでその金額の大小に差が出てくる事になるので、一概にいくらということは出来ませんが、毎年数億〜数十億円が各都道府県に納付されています。
納付しなかったらどうなる?
反則金の納付は任意ですが、罰金と放置違反金の納付は義務です。これらのお金を納付しなかった場合にどうなるかについては、それぞれ別途記事で紹介しているので参考にしてください。
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