交通違反をすると、違反点数や反則金、免停といったペナルティが科されますが、その中でも最も重い処分が免許取り消しです。免許取り消し処分では、その名の通り免許が強制的に取り消されるので、それ以降は車の運転をする事が出来なくなります。
ここでは、免許取り消しとなる条件や、取消となった後で再取得するまでの流れや費用について紹介していきます。
免許取り消しとなる方
免許取り消しは、交通違反の累積違反点数が一定基準に到達する事で行われます。
免許取り消しとなる違反点数は、過去3年以内に免停になった回数によって以下の様に異なります。
前歴 | 累積違反点数 |
---|---|
無し | 15点以上 |
1回 | 10点以上 |
2回 | 5点以上 |
3回以上 | 4点以上 |
参考:免停が解除されてから1年以上無事故無違反であれば、この前歴はリセットされます。
なお、免停や免許取り消しの場合は、処分が確定する前に「意見の聴聞」が行われます。取消の中でも比較的違反が軽い場合や、自分に有利となる意見や証拠がある場合には処分が緩和される事が有るので、是非積極的に参加したいですね。
免許停止や免許取り消しの場合に行われる「意見の聴聞」で処分は軽減されるのか?
また、取消処分に納得がいかない場合は、受けいられるかどうかは別として不服申し立てをする事が出来ます。
再取得までの流れ
ここからは、免許取り消しとなった方が免許を再取得するまでの流れや費用などについて紹介していきます。
欠格期間
免許取り消しとなった方は、取消後一定期間は免許が取得出来なくなります。そして、この期間の事を欠格期間と言います。
欠格期間は、取消となった理由(一般違反行為・特定違反行為)及び過去3年間の免停等の処分回数によって異なります。
一般違反行為の場合の欠格期間は、以下の通り。
注:表中の括弧書きの年数は、過去に免許の取り消しや拒否、6ヶ月超の運転禁止処分を受けた方に適用されるものです。
欠格期間 | 前歴なし | 前歴1回 | 前歴2回 | 前歴3回〜 |
---|---|---|---|---|
5年 | 45点~ | 40点~ | 35点~ | 30点~ |
4年(5年) | 40~44点 | 35~39点 | 30~34点 | 25~29点 |
3年(5年) | 35~39点 | 30~34点 | 25~29点 | 20~24点 |
2年(4年) | 25~34点 | 20~29点 | 15~24点 | 10~19点 |
1年(3年) | 15~24点 | 10~19点 | 5~14点 | 4~9点 |
参考:一般違反行為は、信号無視やスピード違反などの一般的な違反行為を指します。
特定違反行為の場合の欠格期間は、以下の通り。
欠格期間 | 前歴なし | 前歴1回 | 前歴2回 | 前歴3回〜 |
---|---|---|---|---|
10年 | 70点~ | 65点~ | 60点~ | 55点~ |
9年(10年) | 65~69点 | 60~64点 | 55~59点 | 50~54点 |
8年(10年) | 60~64点 | 55~59点 | 50~54点 | 45~49点 |
7年(9年) | 55~59点 | 50~54点 | 45~49点 | 40~44点 |
6年(8年) | 50~54点 | 45~49点 | 40~44点 | 35~39点 |
5年(7年) | 45~49点 | 40~44点 | 35~39点 | ー |
4年(6年) | 40~44点 | 35~39点 | ー | ー |
3年(5年) | 35~39点 | ー | ー | ー |
(出典:道路交通法施行令別表第三の一及び二)
参考:特定違反行為は、酒酔い運転やひき逃げ(救護義務違反)、危険運転致死傷などの危険な行為を伴った違反を指します。
なお、欠格期間がいつまでなのかは、運転免許取消処分書に記載されています。
取消処分者講習
免許取り消しとなり、欠格期間が満了すると次は取消処分者講習です。この講習を受講する事によって、免許試験の受験資格を貰う事が出来ます。
運転免許センターでの試験には、取消処分者講習終了証書が必要となるので、必ず受講する必要が有ります!
なお、一部の地域では取消処分者講習を受ける際に仮免許が必要となる場合が有ります。欠格期間が満了していない方でも、入校する事が可能な自動車教習所が有るので、各教習所に問い合わせる様にして下さい。
ちなみに、受講料は30,550円です。
免許取得
取消処分者講習が終わると、免許試験の受験資格が得られます。自動車教習所に通って免許試験に臨んでも良いですし、一発試験を受けても構いません。
自動車学校に通わずに一発試験で運転免許を取得する方法・流れ・費用のまとめ
なお、技能試験は路上での実地試験が有るので、仮免許が必要となります。仮免許の有効期間は6ヶ月しかないので、一発試験を受ける方は欠格期間の満了時期を考慮して取得する様にしましょうね。
ネットで書かれている裏技?!
ネットで、免許取り消し処分から逃れる方法としてよく紹介されているものとして、処分される前に自主的に免許の返納をするといった方法が有ります。
免許の返納をした後はしばらく放置して、また1から免許を取得するという方法ですね。しかし、この方法は理屈上は成り立つかもしれませんが、実際上は免許再取得後に遡って取り消されるなどしてうまくはいかない様です。
違反をしたのだから、潔く処分を受けた方が利口という事ですね。