運転免許証は、パスポートや健康保険証などと同様に自分の身分を証明する公的な証明書です。
しかし、重要な物にも関わらず、免許証を財布に入れていて財布ごと盗られたり、落として紛失する事例が有りますよね。免許証自体は、紛失しても再発行をしてもらう事は出来るのですが、紛失した免許証は悪用される恐れが有ります。
そこで、ここでは免許証の悪用事例や対策について紹介していきます。
スポンサーリンク
免許書紛失から発生する悪用事例①:私設私書箱を設置?!
免許証を紛失し、普段運転をしないのでしばらくそのまま放置していたら、ある日突然警察から電話がかかって来ました。紛失した免許証の写真を貼り変えて名前も変更した偽造の免許証を使って、私設私書箱が開設されたとの事。
私設私書箱は、郵便局にある私書箱と違って、民間の業者が経営する私書箱です。利用の制約が多い郵便局と違い、料金を支払えば簡単に利用出来るので、郵便物の預りなどで多くの方に利用されています。
しかし、私設私書箱は最近は振り込め詐欺に悪用される事が多く、問題視されています。宅急便や郵便小包を使って現金を送金させるという詐欺が頻繁に発生しており、これに使用されるのが私設私書箱なのです。
従って、紛失した免許証を使って開設された私設私書箱は、振り込め詐欺などの犯罪に悪用される可能性が高いですね・・・。
悪用事例②:銀行口座が使えなくなる?!
銀行で新しく預金口座を開設する際には、多くの方は身分証明書として免許証を提出しますよね。免許証を紛失すると、預金口座を勝手に作られてしまう事が有るのです!
そして、勝手に開設された預金口座は振り込め詐欺の隠れ蓑として利用される事が多いです。その口座が犯罪に利用されている事が発覚した場合、警察は現在口座の有る銀行に対して「その方の名義でこれ以上口座を作ってはいけない」という通達を出す様です。
そうすると、銀行側は新規の口座開設を拒絶する様になります。この様な情報は他の銀行に対しても回されるので、どこの銀行に行っても口座が作れなくなってしまうのです。
何も悪い事はしていないのに、とんだとばっちりですね・・・。
悪用事例③:携帯電話を勝手に契約?!
中には以下の様な悪用事例が有る様です。
携帯電話を契約するには身分証明書が必要となります。通常は運転免許証を提出し、免許証の情報と契約者の情報(顔写真を含む)が合っている事を店側が確認します。
しかし、家電量販店内の携帯ショップなどアルバイト店員が担当している場合には、免許証と契約者の情報が合っているかどうかを確認するのを怠り、他人の免許証でも契約が出来てしまう事が有るのです。
参考:上述の様に、免許証の顔写真等を偽造して悪用されるケースも有ります。
免許証の悪用により携帯電話の契約がされた場合は、通常は携帯電話会社が契約を切ったり調査をしたりしてくれるのですが、中には「正当な契約だから利用料金を払って下さい」と冷たい対応をされる事も・・・。
しかもこの様なケースでは、免許証を無くした方が被害者と思いきや、携帯電話会社が被害者と扱われる事が有ります。その場合、免許証を無くした当人は被害届を出す事が出来ない、という奇妙な状態となってしまうのです。
参考:第三者が勝手に契約した様な場合、本人の意思に基づいていないので支払義務は発生しません。こういったトラブルに巻き込まれた場合は、国民生活センターに連絡する様にしましょう。
免許証を紛失したらまずすべき事
上で紹介した様に、免許証は悪用しようとする人の手に渡ると後々とても面倒です。
悪用されない為にも、紛失が判明したらすぐに警察に連絡しましょう。また、免許証を発行している公安委員会にも連絡をした方が良いですね。
連絡をする際には、紛失時の状況を詳細に伝える事が必要です。紛失時の状況説明の明確さいかんで、悪用を防ぐ事が出来るかもしれないですからね。
本人申告制度を利用して信用情報機関に連絡しておく事も、悪用を防ぐのに有益です。信用情報機関に届出をしておくと、銀行やクレジットカード会社に情報が伝わるので、第三者が勝手に口座開設をしたり、クレジットカードを作る事を防ぐ事が出来ます。
最近の免許証はICカードとなっているので、偽造は難しく悪用されるケースも減少する事が期待されていますが、それでも紛失時の対策は怠らない様にしましょうね。
そして、必要な機関に紛失の届出が出来たら、早いうちに免許証の再発行をしましょう。免許証を再発行すると免許証の番号は変わる(参考記事:運転免許証の見方や数字の意味の総まとめ)ので、紛失した免許証は無効である事を証明出来ます。