車のカタログを見ていて、「この車燃費が良いなぁ!」と思って実際に購入して走ってみると、実際にはそこまで距離が伸びなかったという経験は有りませんか?
車のカタログに乗っている燃費(カタログ燃費)と、実際の燃費(実燃費)は同じでは有りません!これはどういうことなのでしょうか?以下でそれぞれの計算方法や違いについて見ていきましょう。
実燃費の計算方法
念のために、まず燃費の意味を書いておくと、燃費とは「燃料1リッターで走る事の出来る走行距離の事」を言います。そして、実燃費は「実際に車に乗って測った、燃料1リッターで走る事の出来る走行距離」の事を言います。
実燃費は、以下の計算式で算出する事が出来ます。
満タン後の走行距離÷今回の給油量=実燃費
例えば、ガソリンを満タンにしてから450km(※)走行した後で、再度満タンまで給油したら約40L入ったという場合、実燃費は「450km÷40L=11.25km/L」という事になります。
※:給油をした後で「トリップメーター」をリセットして、次に給油をする時点でのメーターの数値を見ると走行距離が分かります。
つまり、1リッターあたりおおよそ11キロ走ったという事ですね。
何度か測定を繰り返してみて、実燃費がカタログ燃費よりも大幅に悪い場合は、運転方法を少し見直した方が良いかもしれないです。
エコドライブのコツ~燃費を良くする運転方法でガソリン代も節約
カタログ燃費の計算方法
カタログ燃費は、「メーカーが車のカタログに記載している燃費」の事です。
よく、カタログ燃費は実燃費よりも大分高めに書かれていると言われたりしますが、もちろんメーカーが嘘をついているという訳でありません。
国土交通省令の「自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令」や、国土交通省告示「自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令に規定する国土交通大臣が告示で定める方法」で定められた方法である「JC08モード燃費値(ジェイシーゼロハチモード)」で実際に燃費を測定し、その結果がカタログ燃費として記載されています。
参考:以前は「10・15モード」による燃費が記載されていましたが、2013年3月以降は全てのカタログにJC08モード燃費値が記載される様になっています。
JC08モードの燃費測定は、実際に車を道路で走らせる訳では無く、試験場に測定器のローラー(シャシダイナモ)に車を載せて、その場でタイヤを回転させる事で行われます。
実際の道路走行と同じ様に細かい速度変化で運転し、エンジンが暖かい状態のみでなく、冷えた状態からスタートする測定も有り、より実際の走行に近い状態で測定が出来る様になっています。
なお、参考までに測定は以下の速度や時間で実施されます。(参照元:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示)
JC08モード | |
---|---|
平均速度 | 24.4km/h |
最高速度 | 81.6km/h |
所要時間 | 1204秒 |
走行距離 | 8.172km |
以前の10・15モードと比べると、実燃費とカタログ燃費の差は縮まりつつある様ですが、それでも実際の燃費は気象条件や運転方法によって大きく異なります。実燃費とカタログ燃費に差が出るのは、ある程度は仕方の無い事なのですね。
参考:三菱の燃費不正問題によって、今後業界としてカタログ燃費の表示に関して見直しがされていくかもしれません。
輸入車のカタログ燃費
ところで、「輸入車は国産車と比べて、カタログ燃費と実燃費の差(乖離率)が小さい」という話を耳にした事は無いですか?
確かに、国産車の実燃費はカタログ燃費の70%程度といわれている一方で、輸入車の実燃費はカタログ燃費とほとんど差がありません。同じ測定方法(JC08モード)を採用しているのになぜ差の大小が生じるのでしょう?
これは、日本車のメーカーは実燃費がどうかという点を棚に上げて、カタログ燃費が良くなる様に技術面で手間をかけているから、と言われています。海外ではあまり表面上を取り繕おうとしないため、カタログ燃費と実燃費の差が小さくなる、という訳ですね。
但し、最近は輸入車も乖離率が高くなって来ていると言われています。
周りの実燃費を調べる方法
カタログ燃費があまり参考にならないのであれば、購入時には何を参考に燃費を判断すれば良いのでしょうか?買うまではその車の大体の実燃費は分からないのでしょうか?いえいえ、そういう訳でありません。
カービューの運営している車のSNSサイト「みんから」(リンク先はトヨタヴィッツの実燃費)で、車のユーザーが実際の実燃費を投稿してくれています。ここでの投稿を車購入の際の参考にするのも1つの手ですね。
注:上述した様に、実燃費は天候や運転方法によって左右されます。ここで紹介されている実燃費もあくまでも参考の1つ程度に考えておきましょう。
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