車を購入する時には、色んな書類に署名・押印をする事になります。その中でも、ローンで車を購入する時には「公正証書」と呼ばれる書類への記入・押印を求められる事が有ります。
如何にも法律用語な感じの難しい言葉ですが、公正証書の作成を求められたら注意が必要です。以下、内容を見ていきましょう。
今回は「ディーラーにだまされない中古車選び(出版社:株式会社テラ・コーポレーション)」に書かれていた内容を紹介しています。
公正証書とは
公正証書とは、法律の専門家である公証人が民法等の法律に基づいて作成する公文書を言います。車のローン契約をはじめ、不動産の賃貸契約や養育費の支払い、交通事故の示談など様々な場面で作成されます。
これだけ見ると、別に公正証書にサインしても何の問題もなさそうです。しかし、これ結構危険なのです。なぜか?
公正証書を作成していない場合、債権者が債務者の財産の差し押さえをするためには、裁判所の判決が必要になります。たとえ債務者が支払の滞納をしたとしても、債権者は裁判所の判決後にしか債務者財産への強制執行が出来ません。
しかし、公正証書を作成している場合、債権者は裁判所の判決を待たずに債務者の財産を差し押さえる事が可能になります(*1)。公正証書には裁判所の判決と同等の効力が有るという事です。
*1 もちろん、債務の支払を滞納したらの場合だけです。普通に支払ってたら差し押さえられる事は有りません。
しかも、裁判所の判決と同等の効果が有るにも関わらず、作成費用は以外と安いんです。日本公証人連合会によると、作成費用は以下の通りです。
目的の価額 | 費用 |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
100万円超200万円以下 | 7,000円 |
200万円超500万円以下 | 11,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 17,000円 |
1,000万円超3,000万円以下 | 23,000円 |
自動車ローンでこれ以上の金額を組む事はまず無いと思うので、紹介するのはここまでに留めています。3,000万円超の費用が知りたい人は日本公証人連合会のサイトで確認して下さい。
なお、公正証書は委任状と印鑑証明書が有れば、代理人でも作成可能です。車のローンの場合では、書類が揃っていればディーラーでも作成可能です。
自動車ローンを組む際には公正証書に要注意
一般的に、自動車ローンの契約で公正証書を作成するのは高額な契約をする場合です。しかし、たまに低額なローン契約でも公正証書の作成を求められる事が有ります。
例えば、自動車ローンの審査に通らない場合です。ローンを組む際、ディーラーとローン会社が審査通過の可否についてやりとりを行う事が有ります。ディーラーの営業マンは車をなんとしてでも売りたいので、ローン審査を通すための条件交渉を行います。
その時に、ローン会社から「公正証書を作成してくれるなら、今回はローンに通すよ」と言われる事が有るのです。これを聞いた営業マンは喜び勇んでお客さんに伝えます。
しかも公正証書の説明を簡略し「1万円前後の出費でローンを組む事が出来ます」といった風にです。
公正証書がどんな書類か知らない人なら、ローンに通過する喜びで頭が一杯になってしまって、営業マンに言われるがままに公正証書(あるいは委任状)に署名・押印してしまうでしょう。その公正証書の内容も確認せずに・・・。
もし、今公正証書の作成を求められているとしたら、車の購入を諦めるか他の自動車ローンを組む事をお勧めします。それだけ公正証書は恐ろしい書類なのです。
前述したように、公正証書は裁判所の判決を要する事なく強制執行の手続きを行える書類です。ローンの支払いが遅れて強制執行が行われれば、購入した車を回収されるだけでは済まず、給与口座や家具なども差し押さえられる可能性が有ります。
ちなみに、強制執行が行われる条件は「ローンの支払いの遅れ」なのですが、何回滞納したら差し押さえられるのか?については公正証書の内容次第です。作成した公正証書に「1回でも支払いが滞れば強制執行の手続きに入る」と記載されていれば、たった1度支払いが滞っただけで財産を差し押さえられます。
「公正証書作成に関する委任状」に署名・押印した場合、実際に公正証書を作成するのは営業マンですから、どんな内容が記載されているか確認する事すら出来ない可能性が高いです。危険ですね。
仮に公正証書を作成してでもローンを組む場合には必ず滞り無く支払をするようにしましょう。じゃないと、一気に財産が没収されてしまう可能性も有りますよ!
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