自賠責保険の契約期間がまだ残っている状態で車を売った場合、残りの契約期間に対する自賠責保険料は戻ってくるのでしょうか?
結論から言うと、車を売却した場合でも未利用期間に対する自賠責保険料は戻ってきます。但し、中古車買取店に車を売却する場合、全額は戻ってきません。
どういう事なのか詳しく見ていきましょう。
自賠責保険の残月数が3ヶ月以上だったらプラス査定
車を買取店に売却する時、残りの自賠責保険の契約期間に相当する自賠責保険料が、査定金額に含まれた形で戻ってきます。
どのように査定金額に反映されるかと言うと「自賠責保険の残月数」に応じて加点し、その点数をおよそ「1点=1,000円」で金額に換算し査定金額に加算します。
日本自動車査定協会(JAAI)の基準によると、以下のように自賠責保険の残月数に応じて点数(加点)が定められています。自賠責保険の残月数が「3ヶ月以上」であれば、プラス査定となります。
表の普通車・軽自動車の行の数字は「加点」を表わします。ちなみに、自賠責保険で減点される事は有りません。また、上表は保険開始日が平成25年4月1日以降の場合かつ2年車検用の物です。
プラス査定と表現すると、なんだか得した気分になりますが、決して得しているわけでは有りません。受け取るべき金額が当然のように反映されているだけです。
「プラス査定される金額」は「自賠責保険の残り月数に見合う保険料-2ヶ月分の自賠責保険料」とほとんど同額です。(なぜ2ヶ月分が自賠責保険料は戻ってこないかについては後述)
自賠責保険に関する査定において大切なのは「未経過の自賠責保険料が査定金額に含まれているんだ」という事を知っておく事です。その上で、その金額がしっかりと査定金額に加算されているかどうかを忘れずにチェックするようにしましょう。
なお、2ヶ月分の自賠責保険料が戻ってこないのは買取店等に売却した場合です。
個人売買で車を売る時は、売買代金に未経過の自賠責保険料を含めることで、未経過分は全額取り戻す事が出来ます。但し両者の取り決めにもよりますけどね。
自賠責保険の残月数の計算の仕方
自賠責保険の残月数の計算方法は、査定日を起算日として、残り1月に満たない日数を切捨てします。また、当月の査定日から翌月の査定日と同日をもって1ヶ月とします。
例えば、3月5日が自賠責保険の契約満了日で2月2日に査定を受けた場合は、翌月の3月2日をもって自賠責保険の残月数を1ヶ月とします。そして、残りの3日間は切り捨てとなります。
自賠責保険の契約満了日を計算の起算点にしないので注意が必要です。
【考察】なぜ自賠責の残月数が2ヶ月以内だと加点されないのか?
上記の査定基準の表で気になるのは「残月数が1ヶ月と2ヶ月」の評価が「0」となっている点です。なぜこの2ヶ月分が「0」評価されるのでしょうか?
おそらく、「2ヶ月分」が「0」評価になるのは、中古車買取店の在庫期間を考慮しての事だと思います。中古車と言えども高額な価格で売買されるので、一定期間は在庫になる事は容易に想像出来ます。
そして、査定基準を作る際に、中古車買取店の平均的な在庫期間を「2ヶ月」と考えて、自賠責保険の残月数2ヶ月以内の場合は「0」評価としたのでしょう。結局売れなければ、自賠責保険が切れた車を買い取ったのと同じになりますからね。
反対に言うと、自賠責保険が3ヶ月以上残っていれば次の持ち主の手に車が渡る時に、多少なりとも自賠責保険が残っていると考える事が出来ます。
中古車の回転期間は本当に2ヶ月か?
ちなみに、中古車買取・販売店の最大手であるガリバーの在庫期間はおよそ0.5ヶ月~1ヶ月です。ガリバーは、買い取った車の多くを業者オークションに出品して売り捌いています。
で、業者オークションで中古車を買い取るのは業者ですから、その業者が買い取った中古車を売るまでの期間はまた1ヶ月程度はかかるでしょう。
そう考えると、中古車の査定を受けて、その車が買い取られ、次の買い手に渡るまでに2ヶ月程度は掛かるのが普通でしょう。(あくまで考察ですが。)
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