代車で交通事故起こした・・・責任は誰が取るのか?

代車  
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自分の車を「故障・交通事故・車検」などで修理業者に預ける場合、預けている間の移動手段として業者が「代車」を貸してくれます。

この代車に乗っている時に、運悪く交通事故に遭遇してしまった場合、果たして誰が責任を取る事になるのでしょうか?また、修理の為に預けている車に業者の従業員が乗っていて交通事故に遭遇した場合には、誰が責任を取るのでしょうか?

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代車で事故を起こした場合の責任の所在

代車で交通事故を起こした場合、若しくは業者が預かっている車で交通事故を起こした場合の責任の所在は「誰が運行供用者なのか」によって決まります。

代車

自動車の運行供用者に該当すれば、以下の「自動車損害賠償保障法3条」にも規定されているように、被害者に対して損害賠償責任を負う必要が出てきます。

第三条  自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。

では、今回事例としてあげたケースのような場合、「誰が運行供用者に該当」するのでしょうか?

修理で預けている車の運行供用者は誰になるのか

車を修理に出す場合、請負契約を結んでから愛車を修理業者に預かって貰う事になりますから、引き渡した時点で愛車は「修理業者の運行支配下に入った」と言えます。従って、修理の為に業者に預けた車の運行供用者は「修理業者」になります。

従って、修理業者が客の愛車で事故を起こした場合の賠償責任は「修理業者」に帰属します。

代車利用中の運行供用者は誰になるのか

一方で、修理業者から一時的な移動手段として借りた代車の運行供用者は誰でしょうか?業者から車を借りて客が運転をしているので、客が運行供用者と考える事も出来ます。

しかし、修理業者は修理を依頼してくれたから、その代わりに代車を貸してくれているにすぎません。つまり、「営利目的の業務」の一環として代車を提供してくれているのです。また、多くの場合が代車の提供期間は1週間程度と短期間です。

従って、代車を借りたからと言って「客のみが代車の運行供用者になる事は無い」と考えられます。

そのため、客が代車に乗って交通事故に遭った場合は、業者と客の双方が運行供用者になるのです。上記の責任関係をまとめると以下の通りになります。

  • 修理業者に預けた車で業者が事故起こした場合・・・業者が責任を負う
  • 修理業者から借りた代車で客が事故を起こした場合・・・業者と客が責任を負う

代車利用中の事故に対する業者の保険の利用可否・自分の保険の利用可否

代車利用中に起こした事故は「客と業者の双方が運行供用者(両者ともに賠償責任が発生する)」になりますが、代車そのものは業者名義です。

従って、普通に考えれば、修理業者の加入している任意保険を使用する事になるのですが、修理業者側としても保険を使ってしまうと保険料が大幅に上がってしまう()ので、出来れば客の事故に対して任意保険を使いたくはありません。

:業者は全車一括で保険に入っていることが多いので、所有している車全ての保険料が影響を受けます。

従って、業者は基本的に「自分の所の任意保険を使えるのは無保険の方に限ります」と断ってくる事が多いです。

ではどうすればいいでしょうか?方法は2つ考えられます。

業者の自賠責保険を使用する

自賠責保険は強制保険なので、加入していない車はまずありません。また、車に対して掛けられているので誰が運転していたかは問われませんし、自賠責保険を使ったからと言って次年度の保険料が上がる訳でもないです。

そこで、まずは修理業者の加入している自賠責保険を使うことを検討しましょう。賠償責任金額が自賠責保険の範囲内で収まるなら、これで上手くまとまることも考えられます。

自分の任意保険に付帯されている他車運転特約を使用する

基本的に、任意保険は契約している車を運転している時に発生した交通事故を補償するものです。

しかし、特約として「他車運転特約(保険会社によって名称は異なります)」が付帯されていることが殆どなので、他人の車を運転していて交通事故に遭ったときでも、自分の車と同様に補償を受ける事が出来ます。

人の車に乗っているときに交通事故に遭い、車の所有者の保険を使うと翌年以降の保険料の面などで迷惑をかけてしまうので、「他車運転特約」が付帯されているかチェックして、付帯されているのであれば是非利用しましょう。(基本的には自動付帯されている事が多いです。)

補足:軽い傷が付いただけなら黙っていても大丈夫か?

交通事故に遭ったものの、体に怪我も無く、車に軽い傷が付いただけだった場合、業者に自ら言わなければ気付かれないと思って、黙っていても良いのでしょうか?

答えは「No」です。

確かに、代車は売り物ではないですから、少々傷が付いたとしても代車として走る分に関しては問題無いかもしれません。

しかし、あくまでも借りている車を傷つけた訳ですし、相手は車のプロでなので、少しの傷だとしてもすぐにバレてしまいます。

少しの傷でも正直に話しておけば、「問題無いですよ」と業者の方が言ってくれるかもしれないですが、黙っていて後々バレると修理代を請求されても何も言えませんよね。

ということで、傷が付いた場合は傷の大小問わず報告する様にしましょうね。

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