中古車販売店の営業は非常に単純で、中古車を仕入れて店頭で販売する事です。板金塗装や修理も内製化している中古車販売屋さんも有りますが、殆どの企業では中古車の販売がメインです。そして、中古車販売屋の自動車の仕入れルートには通常以下の2つが有ります。
- ①ユーザーからの買い取り
- ②オークションでの仕入れ
車にそれほど興味が無い人であれば、車のオークションがあること自体知らないかもしれません。これは、ヤフオクなどのネットオークションではなく、業者オークションと呼ばれるものです。
実際に毎日どこかのオークション会場に車が数千台から1万台程度出品され、業者が入札をしていく仕入方法があるのです。ちなみに、通常の中古車販売店はこのオークションによる仕入が殆どです。
ところが、車の仕入れルートには、上記の2つ以外にも、一般的にはあまり知られていない「溶かし」と呼ばれる裏ルートが有るのです。ここでは、自動車業界で密かに行われる「溶かし」について見ていきましょう。
下取価格が新車の営業に影響
新車を扱うディーラーに下取りをしてもらうと、下取価格は思っていた以上に低くなることが多いです。これは、新車ディーラーでの査定基準が厳しいということが大きな理由です。
ですので、新車に買い替える時に、「下取価格がこんなに低いのか・・」とショックを受ける方も多いのではないでしょうか。新車の購入を考えている人からすると、下取価格が高い方が結果的に新車を安く買えるので、嬉しいのは当然です。
「あと15万円下取価格が高くなれば気持ち良く購入するのに。。」と客に言われると新車ディーラーの営業マンも困ってしまいます。査定基準が厳しいので査定価格を自由に上げることが出来ないからです。
そこで登場するのが「溶かし」です。
溶かしとは?
「溶かし」は、客からの下取り車がまるで溶けたかの様に消え去ってしまうため、その名が付いています。
その手順は以下の様になっています。
- ①ディーラーの営業マンは客からの下取車を、客の希望価格で中古車販売店に買い取ってもらう。
- ②中古車販売店から受け取った現金を、客からの頭金として事務処理する。
この様にすることで新車ディーラーの営業マンは、形式上は下取りをしていないにも関わらず、客からの下取り車を処理し、新車も販売する事が可能となるのです。
客も希望の価格で新車を購入する事が出来、中古車販売店も一般的な仕入価格よりも安く車両を仕入れることが出来るので、3者全員が満足出来るという仕組みになっています。
表向きは、この「溶かし」は新車ディーラーでは行われていないことになっています。当然新車ディーラーとしても安く下取りして高く車を売れれば利益になりますからね。でも、ここはやはり客商売。車を買って貰うためなら自社下取が出来なくても仕方ないと思っているのでしょう。
お互いにメリットのある取引なので誰も苦情を言う事がなく、横行しているというのが実情の様ですね。
また、新車ディーラーの営業マンも懇意にしている中古車販売店としか、この「溶かし」をしないという事も有り、なかなか問題が表面化しないのだと考えられます。(まぁ問題と捉えるのもお門違いかも知れませんけどね。)
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