現在、オービスには、おおまかに「固定式」と「移動式」の2種類が有ります。今回は、それぞれのオービスについて紹介していきます。
ちなみに「オービス」という呼び名の由来ですが、日本で最初に開発・製造された自動速度取締り機の商品名が「オービスⅢ」であった事から、自動速度違反取締装置を総称して「オービス」と呼んでいるようです。
昔は、フィルム式のカメラが多かったので、運転者にとってラッキーなフィルム切れがよく発生していました。しかし、現在は、デジタルカメラで撮影した画像を、通信回線で送信するシステムへと移行しています。
そのため、フィルム切れで助かるケースは少なくなっています。フィルム切れに頼る無謀な運転は控えましょうね。
固定式オービス
固定式オービスは、以下の4種類が運用されています。
- レーダー式
- Hシステム
- LHシステム
- ループコイル式
オービス設置地点のだいぶ手前には、「自動速度取締装置設置路線」などの青い事前告知の警告看板が2、3枚設置されています。
運転者へわざわざ警告をしてくれている看板なのですが、サイズはあまり大きくなく、見えにくい位置に設置されている事もあり、猛スピードで走行していると、気付かない事もあるかもしれません。
標識と同様に、警告看板もしっかりとチェックして運転するようにしましょう。
昭和50年前後に、固定式オービスの取締りに対する裁判が頻繁に行われました。
その裁判の一つの判例の中で、「オービスを設置している旨の警告看板は、運転者が一目でわかるように設置する事が、警察の責務である」という文言が有ります(判例-東京簡易裁判所昭五五年一月一四日判決)。
おそらく、警告看板無しで固定式オービスでの取締りを行えば、抜き打ち検挙となり、憲法13条(個人の尊重・幸福追求権)及び31条(法定手続きに関する保障)に違反する可能性が出てくるからでしょう。
この看板は、後で紹介する移動式オービスの場合には、設置されていませんので注意が必要です(判例は固定式オービスに関する物)。
話が少し逸れてしまいましたが、オービスの種類について見ていきましょう。
レーダー式
レーダー式のオービスは、道路にアーチ上に設置されている事が多く、レーダー波で速度測定を行い、フィルム式のカメラで撮影が行われます。
フィルム切れの欠点が有り、設置数は激減しています。
レーダー波で測定しているので、レーダー探知機で検知する事が可能です。
ループコイル式
ループコイル式のオービスは、地中にループコイルを埋め込んで、磁界によって速度測定を行い、フィルム式のカメラで撮影が行われます。
レーダー式と同様に、フィルム切れの欠点が有ります。
測定方法がレーダーでは無いので、レーダー探知機では検知する事が出来ません。警告看板が設置されているか、注意を払って、ループコイル式の網に掛からないようにしましょう。
Hシステム
Hシステムのオービスは、道路にアーチ上に設置されている場合が多く、レーダーによって速度測定を行い、デジタルカメラで撮影が行われます。
デジタルカメラで撮影された画像は、通信回線を利用して、警察へ送信されます。そのため、これまでの2種類のオービスのようにフィルム切れを起こす事は有りません。
また、Hシステムのレーダー波は、断続的に発射されているので、旧式のレーダー探知機では検知する事が難しい場合が有ります。
LHシステム
LHシステムは最新型のオービスです。地中に埋め込まれたループコイルで速度測定を行い、デジタルカメラで撮影が行われます。
レーダー探知機で検知する事が出来ず、またフィルム切れも起こしません。上記3種類のオービスの欠点を補ったシステムとなっています。
ただ、GPSレーダー探知機では、設置位置が登録されていれば、位置を把握する事が可能です。
移動式オービス
移動式のオービスの特徴は、読んで字の如く、移動が可能なオービスである事です。
固定式オービスは、設置位置を把握してしまえば、その位置を忘れない限り取締りを受ける事は有りません。しかし、移動式オービスは、神出鬼没で有り、どの道路で測定しているかが分からないので、やっかいな存在です。
速度測定には、レーダー式又は光電管式を採用しています。レーダー式ならばレーダー探知機で検知は可能ですが、光電管式の場合は、レーダー波を一切出さないので、検知は不可能となっています。
光電管式とは、レーザー光を発射する装置を数メートル離れた2地点に設置して、2地点を通過する時間から速度を測定します。
光電管式の場合には、赤いパイロンが設置されていたり、警察官が近くに待機していたりするので、そういった事から見抜くほか無いでしょうか。
まとめ
移動式オービスにしろ、固定式オービスにしろ、「どのように設置位置を把握するか」ではなく、法定速度を守った安全運転を心掛ける事が重要であり、基本です。
オービスによって取締りを受ければ基本的に、多額の罰金を支払う事になりますので、繰り返し記載しますが、法定速度を守った運転を心掛けてくださいね。
オービスに撮られた後に通知が来るまでの期間や通知が来ない場合の理由
コメント一覧
この記事へのコメントはありません。